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29.帝国の鉄槌と黄金の肩代わり

海洋帝国日本史 

第四章:世界大戦と双頭の鷲(1900〜1918)


第八話:帝国の鉄槌と黄金の肩代わり(1917〜1919)

1.江戸城と京都の悲愁――非情なる決断

1917年(大正6年)。

欧州の戦線は完全に膠着し、泥と血の臭いが大陸全体を覆い尽くしていた。

東京・江戸城の黒書院。将軍・徳川家正の御前には、重苦しい沈黙が下りていた。

「英国より、我が帝国陸海軍の欧州本土への直接介入を求める、極秘の親書が届いております」

首相・大隈重信が奏上した。

「西部戦線は地獄です。フランス軍ではついに反乱が起き、ロシアも革命の炎に包まれつつあります。英国は、同盟国である我が帝国が、地中海方面から『ヨーロッパの柔らかい下腹』――すなわちオーストリア=ハンガリー帝国へ上陸し、同盟国側を背後から崩壊させることを切望しております」

家正の顔に、微かな苦悩の影が差した。

オーストリア=ハンガリー帝国。かつて老帝フランツ・ヨーゼフ1世が統治していたその国は、日本帝国が近代化を推し進める過程で、音楽、医学、軍事制度など数多くの分野で惜しみない支援を与えてくれた「恩人」とも言える友邦であった。

京都の公家たちや皇室も、ハプスブルク家の洗練された宮廷文化に深い敬意を抱いており、開戦以来、「オーストリアとだけは直接干戈を交えたくない」という暗黙の了解があった。

しかし、老帝は前年に崩御し、若き皇帝カール1世はドイツ帝国の強大な軍事力に完全に引きずり回され、もはや国家の意志を喪失していた。

「……京都のみかどは、何と仰せか」

「『古き良き友が、ドイツの鎖に繋がれて狂い死ぬのを見るのは忍びない。ならばせめて、我が手で介錯を』と……」

家正は、深く息を吐き出した。

「情で国は守れん。大英帝国が倒れれば、世界のパワーバランスは崩壊し、いずれ我が国がアメリカとドイツの挟み撃ちに遭う。……**『国防総省統合参謀本部』**に作戦の立案を命ず。目標はアドリア海。十万の将兵をもって、友邦の息の根を止める」

同時に、**「将軍府秘密情報部」**の工作員たちが動いた。彼らは中立を保ちながらも領土的野心を燃やすイタリア王国へ接触し、日本軍の上陸と同時に協商国側として参戦するよう、密約(後のロンドン秘密条約に相当する帝国版の保証)を交わす工作を開始した。



2.鉄の巨竜、アドリア海へ――上陸作戦発動

1917年夏。

インド洋を経由し、スエズ運河を抜けた前代未聞の大艦隊が、地中海を東から西へと横断していた。

輸送船団を護衛するのは、戦艦「三笠」をはじめとする帝国海軍の主力艦艇。そして、輸送船の甲板をカーキ色の軍服で埋め尽くしているのは、帝国海兵隊および陸軍の精鋭、計十万の大軍であった。

「綺麗な海じゃき。南洋の海とはまた違う、濃い青だ」

甲板で潮風を浴びながら、海兵隊の連隊長が呟いた。

彼らは、日露戦争の激戦を生き抜き、さらに南洋の過酷なジャングルと島嶼部で「上陸戦」の訓練を徹底的に積んできた、世界最強の強襲部隊であった。

目標は、オーストリア=ハンガリー帝国最大の軍港であるポーラ(現在のクロアチア・プーラ)、およびトリエステ周辺の沿岸地帯。

アルプス山脈の南端が海に落ち込むこの峻険な地形は、強固な要塞群に守られていた。

「統合参謀本部情報総局の事前偵察によれば、敵の沿岸砲台は旧式が多い。だが、機雷原とUボートの脅威は無視できない」

旗艦の作戦室で、指揮官が海図を睨む。

「事前砲撃で沿岸の防御を完全に粉砕する。歩兵の血で砂浜を赤く染めるような真似は許さん」

払暁。

アドリア海の朝霧を切り裂き、帝国海軍の巨砲が一斉に火を噴いた。

ズドォォォォン!!

三十六センチ砲の重榴弾が、オーストリア軍の沿岸トーチカに直撃し、コンクリートの塊を軽々と吹き飛ばす。数時間にも及ぶ艦砲射撃は、地形そのものを変えるほどの凄まじい破壊力であった。

「海兵隊、発進!」

特殊な平底の強襲揚陸艇(発動機付き大発)が無数に海へ降ろされ、白い波を立てて海岸線へと殺到する。

オーストリア軍の守備隊は、凄まじい艦砲射撃のショックから立ち直る間もなく、砂浜に上陸したカーキ色の悪魔たちと相対することになった。

「バンザイなどと言って突っ込むな! 散開しろ! 班ごとに前進!」

下士官たちの冷徹な怒号が飛ぶ。

帝国海兵隊は、横一列の密集突撃という旧来の戦術をとうの昔に捨て去っていた。数名単位の「浸透戦術」を用い、軽機関銃と手榴弾で敵の陣地の死角を次々と潰していく。

「バカな……黄色い猿どもが、これほど統制の取れた軍隊だとは……!」

オーストリアの将校は、自軍の陣地がまるでチェス盤の駒を取られるように、論理的かつ機械的に制圧されていく様を見て戦慄した。

わずか三日で、トリエステ一帯の橋頭堡は完全に日本軍の手に落ちた。



3.アルプスの泥と血――イタリア参戦と塹壕戦

トリエステ陥落の報は、ウィーンとベルリンを震撼させた。

「日本の十万が上陸しただと!? なぜ防げなかった!」

ドイツ軍参謀次長ルーデンドルフは激怒した。彼らは西部戦線で英仏軍と血みどろの死闘を繰り広げており、南方に割く予備兵力など皆無であった。

さらに、ドイツとオーストリアにとって致命的な裏切りが発生する。

将軍府秘密情報部の工作によって背中を押されたイタリア王国が、突如として同盟を破棄し、協商国(英仏日)側としてオーストリアへ宣戦を布告したのである。

日見見を決め込んでいたイタリアも、「無敵の帝国軍が上陸したなら、勝敗は決した」と計算したのだ。

「イタリアの裏切り者どもめ! アルプスの山で凍りづけにしてやる!」

オーストリア軍は、急峻なアルプス山脈の南麓、イゾンツォ川沿いに強固な塹壕線を構築し、決死の防衛戦を展開した。

ここから、帝国軍にとっても未知の地獄が始まった。

「泥だ……どこもかしこも泥と岩ばかりだ」

海兵隊と共に上陸した帝国陸軍の兵士たちは、氷点下の冷雨が降り注ぐ中、泥沼と化した塹壕の中で息を潜めていた。

日露戦争の奉天で平原の機動戦を経験していた彼らにとっても、山岳地帯における有刺鉄線と毒ガス、そして重砲の撃ち合いは、発狂寸前のストレスを強いるものであった。

オーストリア軍には、ドイツから急遽派遣された山岳猟兵部隊アルペン・コルプスが合流しており、彼らの抵抗は頑強を極めた。

「敵の機関銃陣地が、あの山の斜面から撃ち下ろしてきます! これ以上は前進不可能です!」

しかし、帝国軍はただ泥の中で死を待つような無能な軍隊ではなかった。

統合参謀本部情報総局の航空班が、組み立て式の複葉機を飛ばし、上空から敵の塹壕を克明に写真撮影する。

「敵の第二防衛線に隙間がある。ここを浸透する」

夜間。

顔に黒塗りを施した帝国の**「特別斬り込み隊」が、音もなく有刺鉄線を切断し、オーストリア・ドイツ軍の塹壕へと忍び寄る。

彼らが手にしているのは、長い小銃ではない。ドイツ製の図面を情報部が盗み出し、国産化した「一〇〇式短機関銃サブマシンガン」**と、柄付き手榴弾、そして伝統の軍刀(軍用に短く切り詰められたもの)であった。

「……殺れ」

塹壕に飛び込んだ瞬間、短機関銃の凶悪な連射音が暗闇を引き裂いた。

ダダダダダッ!!

狭い塹壕内では、長大なライフルを振り回すドイツ兵は為す術がなかった。弾切れになれば、無言で肉薄し、白刃が首筋を掻き切る。

「ヒィィッ! アジアの悪鬼だ!」

「彼らは音もなく現れて、我々の喉を切り裂いていく! もうたくさんだ!」

前線で戦うオーストリア軍の士気は、帝国軍の冷徹な夜襲と、圧倒的な物量(後方から次々と運び込まれる弾薬と食料)の前に、音を立てて崩壊していった。



4.帝国の崩壊と、ドイツの絶望

1918年。

日本軍の猛攻と、イタリア軍の陽動により、オーストリア=ハンガリー帝国の防衛線は完全に寸断された。

国内ではチェコ人やハンガリー人が次々と独立を宣言し、多民族国家のモザイクは粉々に砕け散った。

「もはや、我が帝国は限界です」

若き皇帝カール1世は、ついに降伏を決断し、日本軍の司令部を通じて協商国へ休戦を申し入れた。

オーストリアの脱落は、ドイツ帝国にとって「背後が完全に無防備になる」ことを意味していた。

ベルリンの最高司令部。ヒンデンブルクとルーデンドルフは、地図を見て絶望的な表情を浮かべていた。

「南から、日本の十万とイタリア軍がミュンヘンを目指して北上してくる。西部戦線にはアメリカ軍が続々と上陸し始めている。……我がドイツは、完全に包囲された」

さらに、ドイツ海軍の軍港キールで、致命的な反乱が勃発する。

ユトランド沖海戦で日本の「黒衣の艦隊」に叩きのめされ、出撃を拒否され続けていた水兵たちが、「無謀な出撃命令」に反発して蜂起したのだ。この反乱は瞬く間に全国の労働者へと波及し、ドイツ革命へと発展した。

皇帝ヴィルヘルム2世はオランダへ亡命。

1918年11月11日。

コンピエーニュの森の列車の中で、ドイツはついに休戦協定に署名した。

第一次世界大戦は、同盟国側の完全なる崩壊をもって幕を閉じたのである。

帝国海兵隊の兵士たちは、アルプスの雪山でその報を聞いた。

「終わったのか……」

彼らは泥にまみれた軍帽を取り、静かに南の空(祖国)へ向かって頭を下げた。彼らの流した血は、ヨーロッパの歴史を永遠に変え、日本帝国を真の世界の覇者へと押し上げるための、最も高価な代償であった。



5.ヴェルサイユの鏡の間――各国の剥き出しの欲望

1919年。フランス・パリ郊外のヴェルサイユ宮殿。

かつて太陽王ルイ14世が絶対権力を誇示した「鏡の間」に、世界の運命を決める戦勝国の首脳たちが集結していた。

パリ講和会議。

そこは、銃弾の飛び交う戦場よりもはるかに醜悪で、冷酷な「欲望の闘技場」であった。

フランス首相クレマンソーは、憎悪に満ちた声で吠えた。

「ドイツという国家を、二度と立ち上がれないように解体するのだ! 莫大な賠償金を課し、ラインラントを永久に占領せよ! 我々フランスが流した血の代償を、骨の髄まで払わせる!」

イギリス首相ロイド・ジョージは、それを宥めながらも自国の利益を計算していた。

「クレマンソー閣下、お気持ちはわかるが、ドイツを完全に破壊すれば、今度はヨーロッパが共産主義ロシアに飲み込まれる。適度に生かさず殺さず、我々大英帝国の商品を買う市場として残しておくべきだ」

そして、アメリカ大統領ウッドロウ・ウィルソンは、理想主義的な演説をぶち上げていた。

「秘密外交の廃止! 民族自決! そして世界平和のための『国際連盟』の創設こそが、この悲惨な戦争を終わらせる唯一の道である!」

(※ただし、彼の言う「民族自決」に、アジアやアフリカの有色人種は含まれていなかった)

各国の利害が複雑に絡み合い、会議は数ヶ月に及ぶ泥沼の様相を呈していた。

フランスは金が欲しい。イギリスは覇権の維持が欲しい。アメリカは自らのルールで世界を縛りたい。

そして、負けたドイツには、フランスが要求する天文学的な賠償金(1320億金マルク)を支払う能力など、どこにもなかった。

「このままでは、ヨーロッパは講和のテーブルで再び自壊するぞ」

議場が喧騒に包まれる中、ただ一国だけ、氷のように冷徹な目ですべてを見透かしている代表団があった。

日本帝国全権代表である。



6.帝国の超絶外交――「黄金の肩代わり」作戦

日本側全権大使・牧野伸顕まきののぶあき。そして、その傍らに座る大蔵省の若き天才官僚・小栗忠一(かつての勘定奉行・小栗忠順の息子で、前日銀総裁)。

「馬鹿な連中だ。借金取りが、無一文の債務者の首を絞めて『金を出せ』と怒鳴り散らしている」

小栗は、議場の惨状を見て皮肉っぽく笑った。

「フランスはアメリカから莫大な借金をして戦争を戦った。だからドイツから賠償金をふんだくらないと、自国が破産する。だが、ドイツには金がない。……見事なデッドロック(行き詰まり)だ」

牧野は、扇子を静かに閉じた。

「出番だな、小栗君。帝国の『本当の力』を見せてやろう」

牧野は議長席に歩み寄り、静粛を求めた。

「各国代表の皆様。我が帝国より、この行き詰まった賠償問題に対する『解決策』を提案したい」

ざわめきが収まる中、牧野は一言一句、明確に発音した。

「ドイツ帝国に課される賠償金1320億金マルク。……その大部分を、我が日本帝国が『立て替え(債権の肩代わり)』いたしましょう」

「なっ……!?」

クレマンソーも、ロイド・ジョージも、ウィルソンも、耳を疑い絶句した。

「そ、そんな莫大な資金が、極東の島国にあるというのか!?」

フランス代表が叫ぶ。

小栗が一歩前へ出て、冷ややかに微笑んだ。

「お忘れですか? 大戦中、我が帝国はあなた方の工場へ、弾薬、軍艦、被服、そして食料を無尽蔵に供給し続けました。同時に、南洋とアジアの市場を独占し、空前の外貨を蓄積しております。さらに……」

小栗は、カバンから分厚い証書の束を取り出してテーブルに放り投げた。

「我が国は、大英帝国が発行した『戦時国債』の大部分を買い支えております。ロンドンのシティが破綻しなかったのは、東京から流れた黄金のおかげですよ」

議場は、死の静寂に包まれた。

小栗は続けた。

「我が国が、フランスおよびイギリスに対し、ドイツの賠償金に相当する金額を『低利で融資(事実上の支払い)』します。その代わり、ドイツの賠償金支払い義務は、我が帝国への『債務』へと振り替えられます」

これがいかに恐ろしい提案か、各国の首脳たちは瞬時に理解した。

フランスは、喉から手が出るほど欲しかった「現金」を今すぐ手に入れることができる。国家破産を免れるのだから、断れるはずがない。

イギリスも、自国の借金(国債)を日本に握られている以上、強く出られない。

そしてドイツは、フランスの苛酷な取り立てと領土割譲から逃れる代わりに、日本帝国という巨大な「金貸し」に首根っこを完全に掴まれることになる。

「我々は領土を要求しているのではない。ヨーロッパの復興と、経済の安定を願っているだけです」

牧野は、天使のような微笑みで毒を盛った。

この瞬間、ヨーロッパの戦勝国も敗戦国も、すべてが**「パックス・ジャポニカ」**の巨大な金融支配の網に組み込まれたのである。

流した血の量は最も少なかった帝国が、講和会議という最終決戦において、世界最大の勝者となったのだ。



7.オーストリアの解体と、帝国の慈悲

ヴェルサイユ条約(およびサン=ジェルマン条約)により、敗戦国は徹底的に解体された。

特に、かつての友邦・オーストリア=ハンガリー帝国は悲惨であった。

広大な領土はチェコスロバキア、ユーゴスラビア、ハンガリーなどに分割され、オーストリアはアルプスの山奥に押し込められた小国(オーストリア第一共和国、この世界線では王制が辛うじて残りオーストリア王国へと縮小)へと転落したのである。

ウィーンの街は飢餓に苦しみ、かつての華やかな宮廷文化は見る影もなかった。

しかし、そこに救いの手を差し伸べたのも、また日本帝国であった。

「我々は、非情な作戦で貴国の息の根を止めた。だが、それは狂ったドイツの鎖から友を解き放つための、苦渋の決断であった」

ウィーンに派遣された日本の特命大使は、オーストリアの暫定政府首脳に対し、莫大な**「帝国の復興支援金」**と、南洋から運ばれた小麦を満載した貨物列車を提供した。

「な、なぜ我々にここまで……」

「古い友邦を、見捨てるわけにはいきません。それに、ヨーロッパの中心に位置する貴国が再び豊かになれば、我が帝国にとっても良き『防波堤』となる」

日本政府の狙いは明確であった。

没落したオーストリアに恩を売り、資金と技術を投入して「親日的な中欧の要衝」として再建すること。それは、将来的に復活するかもしれないドイツ、あるいは東から迫る共産主義ロシアに対する、巨大なくさびとなるからだ。

オーストリア国民は、配給される日本の米と小麦を食べながら、極東の帝国に対して複雑な、しかし強烈な感謝の念を抱くことになった。



8.エピローグ――狂騒と暗躍

1919年末。

世界大戦は完全に終結し、新たな世界秩序(ヴェルサイユ体制)がスタートした。

東京は、空前の好景気(大戦景気)の頂点にあり、狂騒の時代を迎えていた。

成金たちが百円札を燃やして暗がりを照らし、銀座には西洋建築のデパートが立ち並び、ジャズの音色が夜通し響き渡っている。

帝国は、ドイツが持っていた南洋諸島の権益(赤道以北)と、中国山東省の権益を合法的に手に入れ、さらにヨーロッパ諸国の首根っこを「債権」という強靭な鎖で縛り上げた。

名実ともに、大英帝国やアメリカと並ぶ、いや、それらを凌駕しかねない「世界最強の覇権国家」へと登り詰めたのである。

しかし、その黄金の輝きの裏側で、将軍府秘密情報部長官・明石元二郎大将は、自らの執務室で冷たい汗を拭っていた。

「ヨーロッパの火薬庫は片付いた。だが、もっと恐ろしい化け物が、シベリアの凍土で産声を上げようとしている」

机の上には、ロシア帝国が完全に崩壊し、レーニン率いるボルシェビキ(共産党)が権力を掌握したという報告書が山積みになっていた。

皇帝ニコライ2世一家の処刑。

全土に吹き荒れる赤色テロル(恐怖政治)。

そして、私有財産と天皇・将軍制を真っ向から否定する「共産主義」という名のウイルス。

「帝国政府の命令は下った。ロシア皇室の生き残りを保護し、シベリアを『赤い悪魔』から切り離す。……直ちに工作員をウラジオストクへ派遣せよ」

第一次世界大戦の硝煙が晴れる間もなく。

パックス・ジャポニカの真の敵、そして人類史上最も冷酷なイデオロギー戦争の幕が、極寒のシベリアで切って落とされようとしていた。

(第四章 第八話 完)


前半はオーストリア=ハンガリーへの海兵隊上陸、アルプスでの短機関銃を用いた凄惨な塹壕戦、イタリアの参戦といったミリタリー的・地政学的な死闘を描写し、後半は、ヴェルサイユ会議という「言葉と欲望の戦場」において、日本が「賠償金の肩代わり」というチート級の金融外交で欧州全体を支配下に置く、Pax Japonicaならではの無双劇を展開しました。オーストリアへの復興支援(親日国化)も完璧に機能しています。by gemini


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大戦が終わったが次の強大な敵が来るこか
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