146.機械仕掛けの軍神たち――21世紀帝国軍の最先端兵器開発
# 海洋帝国日本史 終章:21世紀の超大国と、分断された世界の果て
## 閑話:機械仕掛けの軍神たち――21世紀帝国軍の最先端兵器開発
21世紀の大日本帝国軍は、もはや「数と気合」で押し切る20世紀の軍隊ではなかった。
少子化による兵員不足を補い、かつ兵士の生存率を極限まで高めるため、帝国の誇るメガテック企業と重工業メーカーが総力を結集した**『無人化・AI化・ステルス化』**の最先端兵器群が、次々と実用化のフェーズに入っていたのである。
### 1.帝国陸軍――見えない猟犬と透明な暗殺者
泥臭い地上戦を担う帝国陸軍に、ついに「心を持たない機械の猟犬」が配備され始めた。
**【無人犬型ロボット『犬神』】**
帝国の誇る世界最強の産業用ロボットメーカー**『FANUC』**が、その精密なモーター制御技術のすべてを軍事転用して生み出した四足歩行型の無人随伴ロボットである。
『犬神』は、黄色い機体色を軍用のマットオリーブに塗り替えられ、歩兵小隊に随行。危険な市街地や山岳地帯において、兵士より先に敵地へ先行して索敵を行い、時には自らが盾となって歩兵の安全を完璧に守り抜く。銃火器の搭載も可能であり、感情を持たずに敵を排除するその姿は、敵兵にとって真の恐怖であった。
**【光学迷彩技術(透明迷彩)】**
さらに、帝国陸軍の特殊部隊(特戦群など)向けに、SF映画を現実のものとする極秘プロジェクトが進行していた。
**『帝国理工院』**の基礎研究をベースに、**『三菱電機』**が実用化にこぎ着けた**『透明迷彩』**である。周囲の風景をリアルタイムで機材表面に投影し、光の屈折をコントロールすることで、兵士の姿を視覚的に「完全に背景と同化」させる。夜間やジャングルでの隠密作戦において、彼らは文字通りの「見えない暗殺者」と化した。
### 2.帝国海軍――海空両用の死神と、不規則な槍
太平洋の覇者たる帝国海軍も、凄まじいイノベーションを起こしていた。
**【海空両用無人ドローン『海神(わだつみ/かいじん)』】**
帝国海軍工廠、広島大学の流体力学チーム、そして名門・**芸徳重工業**の産学軍連携によって生み出された、世界中を探しても類を見ない異形の無人兵器。
なんとこのドローンは、海中を潜航する『潜水機能』と、海面から飛び立つ『飛行機能』を併せ持っている。
敵のレーダー探知圏外までは海中を静かに潜航し、目標の至近距離で突如として空中へ飛び立つ。そのまま高精度の一般攻撃兵器として運用できるほか、最終手段として敵艦の急所へ突っ込む『自爆ドローン(徘徊型兵器)』としても使用できる、まさに回避不能の死神である。
**【不規則軌道・新型巡航ミサイル】**
**三菱重工業**は、これまでの「放物線」や「直線的」なミサイルの常識を覆す新型ミサイルの実用化に成功。
マッハの速度で飛翔しながら、敵の迎撃システム(イージス艦など)の予測計算を狂わせるために、空中で極めて不規則な軌道(ジグザグ・上下動)を描いて目標へ突入する。列強の防空網を無力化する、帝国の新たな絶対的な「槍」である。
**【次世代艦載機『流星46型』】**
かつてペルシャ湾でトルコ空軍と死闘を繰り広げた名機・流星35型の後継として、三菱重工業の管轄下で**『流星46型』**の開発が急ピッチで進められている。最大の特長は、有人機でありながら、周囲を飛ぶ複数の無人攻撃機を指揮・統制する**『AIリンク(無人機随伴機能:ロイヤル・ウィングマン)』**を部分的に取り入れている点である。これにより、パイロット1人で1個中隊規模の火力をコントロールすることが可能となった。
### 3.帝国空軍――第6世代の覇者と、日英の結集
空の支配権を巡る争いは、すでに「人間が操縦桿を握る限界」を超えようとしていた。
**【全軍協同のドローン開発網】**
帝国空軍は、戦場の主役がドローンに移行することを見越し、国内の重工メーカーを総動員した。**IHI、三菱重工業、TOKUGAWA(航空力学)、芸徳重工業、川崎重工業**といった帝国のメガ・メーカーが呉越同舟で技術を持ち寄り、極小の偵察用ドローンから巨大な無人爆撃機まで、あらゆる階層のドローン開発を猛烈な勢いで推進している。
**【第6世代戦闘機『紫電50型』】**
そして、帝国空軍の次期主力となる最高機密プロジェクトが、**第6世代戦闘機『紫電50型』**である。
もはや機体形状のステルス性だけでなく、敵のネットワークへのサイバー攻撃能力や、前述の無人機随伴能力を完全に標準装備した「空飛ぶ戦術司令室」である。
特筆すべきは、この開発に第四次日英同盟の盟友である**英国政府(大英帝国)**が深く関与していることだ。帝国が誇る最先端のレーダー・電子アビオニクスに、イギリスの**『ロールス・ロイス』**が開発した異次元の推力と排熱処理能力を持つ次世代エンジンが搭載される。まさに、ユーラシアの東西を支配する二大海洋帝国の技術の結晶である。
### 4.影の戦場――情報総局のサイバー&ヒューミント戦
物理的な兵器の進化の裏で、現代戦の本当の勝敗を決する「諜報」の分野でも、帝国の技術は他国を圧倒していた。
軍の最高諜報機関である**『統合参謀本部情報総局』**。
彼らが現場で行うヒューミント(対人諜報工作)の装備は、まるでスパイ映画そのものであった。持ち運び可能な超高精度**3Dプリンター**によって、敵の網膜パターンや指紋、さらには特殊な鍵の構造をその場で複製。加えて、AI技術を応用した完璧な**『変声機』**により、工作員は標的の声を寸分違わず再現し、敵の指揮系統に致命的な偽の命令を下すことが可能になっていた。
さらに、通信傍受や暗号解読を担う**『シギント(SIGINT)』**の分野においては、**NTT**の持つ世界最強の通信インフラ技術と、**日立**のビッグデータ解析能力が完全に軍事転用されていた。
世界中の飛び交う膨大な電子通信の海から、**『軍用AI』**が特定のテロリストや敵国の不審な動き(パターンの変化)をコンマ数秒で抽出・警告する。
大日本帝国の目は、宇宙の軍事衛星から海底の光ケーブルに至るまで、地球上のあらゆる情報空間を静かに、そして完全に監視していたのである。
(閑話 完)
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用意していた閑話はこれにておしまい。
旅系で帝国領土豪州や羊州、南洋を楽しむスピンオフを計画中です。




