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五十路女子会 ~童貞狩り~  作者: 緋牡丹 深紅


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プロローグ:五十路の孤独と女子会の夜

五十路女子会 ~童貞狩り~


全7章構成のプロローグ

梅雨の合間の蒸し暑い六月の夜、

都心から少し離れた閑静な住宅街の一軒家で、

三人の女たちが集まっていた。


恵美(51)、麗子(52)、智香(50)


三人とも同じ小学校のPTAで知り合い、

子育てが一段落した頃から「五十路女子会」と称して月に一度、

誰かの家に集まるようになっていた。


表向きは「近況報告会」だが、

実際はワインとつまみを囲んで本音をぶつけ合う、

彼女たちだけの秘密の時間だった。



今夜は恵美の家。


リビングのソファに三人で腰を下ろし、

すでに二本目のワインが空になろうとしていた。



「はあ……もう、ほんと疲れたわ」


恵美がため息を吐きながらグラスを傾ける。


肩まである黒髪に少し白いものが混じり始め、

化粧を丁寧にしていても、

目の下に薄い影ができている。


夫とはもう三年以上、肌を合わせていない。



「うちの旦那、最近完全に私を女として見てないのよね。

 夜もスマホばっかり。

 触れようとしたら『疲れてる』の一言で終わり。

 ……私、まだ五十路になったばかりなのに」


麗子が苦笑しながら頷いた。


彼女は三人の中で一番グラマラスで、

豊満な胸元が薄手のブラウスから覗いている。

化粧は濃いめで、唇は艶やかな赤。

だが、その瞳の奥には寂しさが滲んでいた。



「うちなんて五年よ、五年。

 夫は浮気相手ができたみたいで、週末も『仕事』だって。

 EDだって知ってるくせに、結局私を求めない。

 ……もう、女として終わりなのかしらって、鏡見るたびに思うわ」


智香は少し頰を赤らめながら、

グラスを両手で包むように持っていた。


三人の中で一番控えめで、真面目。

ショートカットの髪が清楚で、スタイルもすらっとしているが、

最近は更年期の影響で体調が優れない日が多いと言っていた。



「私も……夫とはもう会話すらないわ。

 セックスなんて、子供が生まれてから数えるほど。

 自分でも欲情するって感覚を忘れてた気がする。

 でも、夜一人で寝てる時に、ふと胸がざわつくの。

 こんな年齢で、まだこんなに……欲があるなんて、恥ずかしい」


三人の吐露は、ワインの酔いとともにどんどん深くなっていった。


子育てが終わり、夫の関心が薄れ、

鏡に映る自分の身体が少しずつ重力に負けていく現実。

誰もが「もう女として終わった」と感じながらも、

心の奥底では、まだ熱いものが燻っていることを認めざるを得なかった。



そんな重い空気を、麗子が突然、意を決したように破った。



「……実は、私。最近、すごいことしてしまったの」



恵美と智香の視線が一斉に麗子に集まる。



「親戚の大学生……悠太って子、知ってるでしょ?

 うちの夫の遠い親戚の息子。

 二十歳になったばかりの、あの可愛い子。

 先月、家に遊びに来た時に、酔った勢いで……

 『大人の勉強、教えてあげる』って言っちゃったの」



恵美が目を丸くした。



「え……麗子さん、それって……」


「そう。キスから始まって……結局、最後まで。

 あの子、童貞だったのよ。

 初めての男の子を、私が……全部、教えてあげた」



リビングに沈黙が落ちた。

しかしそれは、嫌悪や非難の沈黙ではなかった。

むしろ、甘く、重く、危険な予感に満ちた静けさだった。


麗子の頰が上気している。

彼女はワインをもう一口含むと、目を細めて続けた。



「あの子の硬くて熱い……初めてのものを、

 私の中に受け入れた時の感覚、今でも忘れられない。

 五年ぶりの本物の男の感触。

 私、久しぶりに……イッちゃった。

 何度も、何度も。

 夫には一度も見せたことのない顔で、声を上げてしまったわ」



智香が息を呑む音が聞こえた。

恵美は太ももを軽く擦り合わせ、グラスを持つ手が微かに震えていた。

麗子は二人の反応を見て、妖艶に微笑んだ。



「ねえ……二人とも。

 本当はまだ、女でいたいんでしょ?

 私、初めてわかったの。

 五十路の身体って、こんなに敏感で、こんなに欲深いんだって。

 若い男の子の純粋な欲望に、触れられただけで……溶けそうになる」



窓の外では、梅雨の湿った風が木々の葉を揺らしていた。

部屋の中は、ワインの香りと、熟れた女たちの体温、

そして新たに芽生えた背徳の予感で、むせ返るように熱を帯び始めていた。


この夜が、三人の人生を大きく変える最初の夜になるとは、まだ誰も知らなかった。

第1章へ続く

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