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【DOMESTICS】音楽雑誌『BAND STYLE』特集記事  作者: 宮地拓海
2nd『GAMBLER』

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Track05.『summer squall』

『summer squall』

動画リンク https://youtube.com/shorts/17b51HtrO6I

――続いては『summer squall』について伺いたいのですが、こちらは非常に夏らしく、聴いていると自然に体が動きだすような、楽しい楽曲ですね。


篠原(Ba):ありがとうございます。

久世(Vo):よかったね、篠原!

篠原(Ba):うるさいよ(笑)


――この楽曲にも、何か裏話があるんですか?


桐生(Gt):篠原と久世がかみ合わなくてね。

久世(Vo):何回やり直したっけ?

篠原(Ba):不毛な数は数えないことにしている。

久世(Vo):不毛……(笑)


――何度も作り直しをされたということでしょうか?


桐生(Gt):そうそう。まず、篠原が曲を作って、久世がそこに歌詞をはめたんだけど、なんかしっくりこなくて。

久世(Vo):で、俺が書き直すって言ったら、篠原が「待て、これは曲が悪い」って、俺の歌詞に合わせて曲を作り直して。

篠原(Ba):でも、出来た曲を聴いた久世が、「この曲の歌詞はこれじゃない」って結局書き直して。

桐生(Gt):そういうのが何回か続いて、途中で全編英語詞になったり、古語を持ってきたり。


――試行錯誤されたんですね。


久世(Vo):いや、迷走だね、あれは。

篠原(Ba):しっくりこなかったのは、やっぱりどこかしらよくなかったんだろうな、曲も、歌詞も。

久世(Vo):まず、自分が好きになれなかったからね。

篠原(Ba):それは、俺もそうだったな。

桐生(Gt):曲か歌詞か、どっちかを固定した方がゴールは近いはずなんだけど、なんでかどっちも「これじゃダメだ」って。


――スランプというやつでしょうか?


久世(Vo):いや、たぶん他の曲に肩を並べられてなかったんだよ。

篠原(Ba):あぁ、それはあるかも。


――その時、桐生さんはどうされていたんですか?


桐生(Gt):とことんやればいいと思って、好きにさせてた。違う曲作ってたし。


――助け舟を出そうとか、そういう感じではなく?


桐生(Gt):船頭多くして、ってヤツだね。こういうのはね、こだわったヤツがとことん突き詰める方が、いいものが出来るんだよ。


――その後も、試行錯誤は続いたのでしょうか?


久世(Vo):一回、やめようってなったんだよね。

篠原(Ba):この曲は寝かせようって。今回のアルバムに入れずに、時間をかけて作り直そうと。


――それが、何故今回収録されることに?


久世(Vo):寝かそうって言った翌日、やっぱりちょっと気になってこっそり歌詞変えてやろうと思って、朝一でスタジオに行ったんだけど。

桐生(Gt):こすいんだよ、発想が(笑)

久世(Vo):そしたら、なんかBメロ変わってて。

篠原(Ba):……ちょっと気になって、前日の夜にこっそりスタジオに戻って録り直したんだ。

桐生(Gt):発想、一緒か!?(笑)

久世(Vo):で、そのBメロ聴いてたら、「ここで絶対“Hey!”だよな」って思って、スタッフさんにお願いして録らせてもらって。

篠原(Ba):で、俺が行ったら、なにごともなかったかのようにしれ~っとしてて。で、久世の目を盗んで昨日変更したBメロを確認したら、なんか歌入ってて(笑)


――驚きますよね。


桐生(Gt):驚きの連鎖が、この二人の間で(笑)

篠原(Ba):それで「あ、ここ“Hey!”かぁ。じゃあ、サビはこうして……」って書き換えたら、歌詞がしっくり来て、「これ、あとで久世に歌ってもらおう」って置いといたら、夕方、違う歌詞で仮歌が入ってて。

桐生(Gt):お前らもう、一緒に作れよ!(笑)

篠原(Ba):それで、新しい歌詞が“しっくり”どころか、「これだな」っていう感じがして、それで桐生を呼んで、「どう思う?」って。

桐生(Gt):俺はそこで、初めてその完成品聴いて「おぉ、いいじゃん」って。

篠原(Ba):で、久世を呼んで――説教。

久世(Vo):ホント理不尽だよね、この人!? 「お前、この曲は寝かせるって言ったよな?」って! 自分じゃん、先にBメロ替えたの!

篠原(Ba):それはそれ、これはこれだ。

久世(Vo):それもどれも、これだよ!


――話し合わなくても、音楽で分かり合っているという感じがして、すごく素敵なエピソードですね。


久世(Vo):えっ!? 俺はこれ、篠原の理不尽エピソードだと思ってるんだけど?

篠原(Ba):素敵な、絆のエピソードだ。今後どこかで語る時は、そういう感じで伝えるように。

桐生(Gt):バカ弟子とバカ師匠みたいだ(笑)


――紆余曲折あった楽曲制作の鬱憤を晴らすかのような、とても楽しげなMVになっていますね。


久世(Vo):そこつなげる!?(笑)


――少々、無理がありましたか。すみません(笑)


挿絵(By みてみん)


久世(Vo):いや、でも楽しかったよね。

桐生(Gt):撮影日が久世の一声で変更になったんだよな。

篠原(Ba):あぁ、そうだった。前日に「明日撮影しよう!」って。

桐生(Gt):もうね、夜に電話かけてきて「明日プール行こう!」って。お前は小学生かって(笑)

久世(Vo):違うよ! 気温が! この撮影、五月だったんだけど、プールでびしょ濡れになるって言われてて、絶対寒いじゃんって思ってたら、ゴールデンウィーク明けにめっちゃ気温が上がる日が一日だけあって。


――あ、ありましたね。そういえば。


久世(Vo):それで、「ここしかない!」って、メンバーとスタッフに電話して。


――久世さんが、ですか?


久世(Vo):そう、全員に。

篠原(Ba):どうしても暖かい日に撮影したいという熱意が伝わってきた。

桐生(Gt):おかげで、普通に楽しい撮影になったな。

久世(Vo):スタッフのみんなには、申し訳なかったけどね。

桐生(Gt):申し訳なさ過ぎて、焼肉弁当の差し入れしたんだよな。

久世(Vo):せめてものね。「せめて、美味しいもの食べて!」って。

篠原(Ba):久世がそうしたいっていうんで、三人でお金出しあって。


――みなさんで出し合ったんですか?


篠原(Ba):まぁ、日頃の感謝も込めて。

桐生(Gt):ささやかですが(笑)


――結果として、とても楽しい映像作品に仕上がったということで、久世さんの英断だったわけですね。


久世(Vo):寒いのは嫌だから!(笑)

桐生(Gt):何枚着替えたかな、服(笑)

篠原(Ba):濡れるたびに着替えて、途中でシャツ使いきっちゃって。

桐生(Gt):シャツを使い切るってなんだよ(笑)




言葉を交わさずとも、互いが残した音に応え、楽曲を完成へと導いていく。

一人のひらめきがもう一人を動かし、その熱がやがてメンバーやスタッフ全員へと広がっていく。

そんな連鎖の中から生まれた『summer squall』には、DOMESTICSの音楽を支える信頼と情熱が鮮やかに刻まれている。

弾ける笑顔とともに訪れる、彼らのまぶしい夏を楽しんでほしい。




『summer squall』

動画リンク https://youtube.com/shorts/17b51HtrO6I

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