Introduction『GAMBLER』
――本日は長丁場になるかと思いますが、よろしくお願いします。
久世(Vo):覚悟はできています。
一同:(笑)
篠原(Ba):よろしくお願いします。
桐生(Gt):(インタビュー会場となったカフェの店内を見渡して)いい店ですね、ここ。雰囲気とか、落ち着くし明るいし。プライベートでも来よう。
久世(Vo):え、いつにする?
桐生(Gt):なんでお前と来るんだよ!?
一同:(笑)
――(笑)。では、始めさせていただきますね。
久世(Vo):久世誠人、ボーカルです。
篠原(Ba):それもういいから。
桐生(Gt):いや、待て。俺らごとき、まだ全然知られてないから、自己紹介はしておこう。
――そんなことはありませんが(笑)。では、もしかしたら初めましての方がいらっしゃるかもしれませんので、よろしくお願いします。
篠原(Ba):えっと、じゃあ……。篠原大輔、ベースで、リーダーです。
桐生(Gt):桐生隆也、ギターやってます。
久世(Vo):久世誠人、ボーカルです。
篠原(Ba):いや、聞いたわ!
桐生(Gt):(笑)
――今回は、アルバム収録順ではなく、MVの撮影順にお話を伺うということで。それぞれの楽曲に関して、制作秘話やぜひ注目してほしいポイントなどをお聞かせ願えればと思います。
篠原(Ba):ウチは、なんだ? 絶対に収録順には語らせてくれないのか?
桐生(Gt):そこは、アルバムを聴いてもらって――ってことなんじゃないの。
久世(Vo):収録順だと、一曲目がアレじゃん。飛ばすヤツ。
篠原(Ba):飛ばすなよ!(笑)
桐生(Gt):その話も、あとでじっくりさせてもらえ。俺、あの話好きだから。
久世(Vo):『BROKEN』の悲劇?
桐生(Gt):そうそう(笑)
――とても興味深いですが、ではそれはまた後程お伺いします。まずは、今作『GAMBLER』についてお話を伺わせてください。今作では“全曲タイアップ”という画期的な企画を実施されたそうですね。
久世(Vo):画期的(笑)
篠原(Ba):スタッフの方が頑張ってくださって。
桐生(Gt):足で仕事を取って来てくれて(笑)
久世(Vo):営業成績悪いとクビになるからって(笑)
篠原(Ba):ならねぇよ(笑)
――どういった経緯で全曲タイアップということになったんですか?
篠原(Ba):そもそも、最初にタイアップをってお話を何件かいただいて、それでちょうどその時アルバム制作が始まる前だったので、タイアップに合うような楽曲を作ろうという方向で始めたんですよ。
桐生(Gt):そういう始まり方は初めてだったよな。大体いつもはリフとかメロディとか、アイデアを持ち寄って「じゃあ、とりあえず作ってみるか」って感じで始まるんだけど、今回は「これに合う曲を考えるぞ」って感じで。
久世(Vo):二人が悩んでるの、面白かったよ。
桐生(Gt):他人事みたいに言うな(笑)
篠原(Ba):それで、楽曲制作をしている間にも、三つ四つと他にもタイアップのお話をいただいて。
桐生(Gt):有難いな。
篠原(Ba):そしたら、久世が「アルバム全曲タイアップになったら面白いよね」って言って。
桐生(Gt):それをスタッフが真に受けて。
久世(Vo):真に受けて(笑)
桐生(Gt):「やりましょう!」って(笑)
篠原(Ba):それで何か所かに営業というか、声をかけてくれて、そうしたら、「なんかDOMESTICSが面白いことしてるらしいぞ」という噂を聞きつけた方からお声がかかって――
桐生(Gt):気付いたら、本当に全曲タイアップになっていたと。
久世(Vo):遊び心の分かる大人が、いっぱいいた結果だね。
桐生(Gt):一番遊んでるの、俺らだけどな。
篠原(Ba):遊んでいるというか、楽しんでいる、だな。
久世(Vo):はい。真面目にやってます。
桐生(Gt):なんで久世が言うと、こうも嘘くさいんだろ?
久世(Vo):ひどくない!?(笑)
――(笑)。アルバムタイトルが『GAMBLER』ということですが、この名称になった経緯をお聞かせください。
篠原(Ba):これはすぐ決まったよな?
桐生(Gt):満場一致というか、全員が「これだろ」って。
久世(Vo):前回は全曲出揃ってから、アルバムタイトルどうしようかって話してたけど、今回は先にタイトル決まったんだよね。
――それは、結構珍しいのでは?
篠原(Ba):そうですね。方向性が決まってないうちに、先にタイトルを決めて「今回はこれで行くぞ」っていうのは、まぁ珍しいんじゃないですかね。他所のバンドがどういうやり方してるかは知らないですけど。
――それほどまでにこの『GAMBLER』というワードに惹かれたわけですね。
桐生(Gt):ワードというか、曲だね。
篠原(Ba):今回の収録曲に『勝負師-GAMBLER-』という曲があるんですが、この曲が完成した時に、誰からともなく、「今回のタイトルはこれにしよう」って。
桐生(Gt):なんかみんなね、「これ、いいんじゃない?」っていう空気で。
久世(Vo):俺も、この曲聴いた時に「これ好きだな」って思って、歌詞書いて、歌ってみたら、「あ、これだわ」って。
――制作段階から、何か感じるものがあったんですね。
篠原(Ba):ですね。完成形を聴いた時に、なにかビビッと来るものがあったというか。
桐生(Gt):最初にタイアップもらって、最初に作ったのがその曲で、本当にはじめっから決まってた感じだね、アルバムタイトル。
――それ以降は、タイトルに沿うように、方向性を揃えて楽曲制作をされたのでしょうか?
桐生(Gt):いや、割と自由に(笑)
久世(Vo):いつも通りに(笑)
篠原(Ba):俺は一応考えてたぞ。アルバムのコンセプトに添うようにって。
久世(Vo):あぁ、それで『FEEL THE RHYTHM』みたいな、今までの篠原っぽくない曲書いてたのか。
桐生(Gt):確かに、今回はいろんな方向性の曲があるな。
篠原(Ba):新しい音楽にチャレンジというか、自分の才能に賭けてみたんだよ。
桐生(Gt):おっ、GAMBLER。
篠原(Ba):うるせーよ。
久世(Vo):(笑)
開始早々、笑い声に包まれたインタビュー会場。
軽妙なやり取りの中からも、今作に込めた三人の挑戦と、制作を心から楽しむ姿勢が伝わってきた。
ここからは、全曲タイアップを実現した『GAMBLER』の楽曲を、MV撮影時のエピソードとともに一曲ずつ紐解いていく。
まずは、この壮大な“賭け”の始まりとなった一曲から話を聞こう。




