TRACK12.『君を思って』
『君を思って』
動画リンク https://youtube.com/shorts/oWIqCke7-Yg
――今回の映像は、なんというか凄く印象的で、とても素敵だなと思いました。
篠原(Ba):ありがとうございます。
久世(Vo):撮影は大変だったけどね(笑)
桐生(Gt):あの“鉄塔マニア”がな(笑)
――先ほどの、こだわりの強いスタッフさんがなにか?
篠原(Ba):今回、監督の意向で、あえてカメラのプロではなく素人に8mmを回してもらったんです。
――それが、あの方なんですね。
篠原(Ba):本人は、カメラが趣味で、素人じゃないって言い張ってたんですけど(笑)
桐生(Gt):あの人、すごいんですよ。監督に「このシーンレンズは何mmの方が」とか言い出して(笑)
久世(Vo):でもこれで、初監督作品が世に出るわけだから、もう立派な監督だよ。
篠原(Ba):やめろ、調子に乗るから。
桐生(Gt):見て、あのまんざらでもなさそうな顔(笑)
――スタッフの方が撮影することに、なにか意味があったのでしょうか?
篠原(Ba):今回のテーマは“思い出”なんですよ。作品じゃなくて思い出を残す時って、カメラを回すのは僕たちみたいな素人じゃないですか。素人が素人を撮影するっていう。拙いけど、楽しかった記憶と時間を映像に残す、みたいな。そういう“味”を出したくてあえてそうしたんです。
――なるほど。映像というのは、美しさがすべてではないんですね。
篠原(Ba):チープな方がいいっていう時もあるでしょう? 例えば……
久世(Vo):ラーメンとか!
桐生(Gt):今、違うから、ちょっと黙ってろ。すみませんね、うちの久世が。
一同:(笑)
篠原(Ba):でも、B級のラーメンは美味いよな。
桐生(Gt):お前も、拾うな! 脱線するから。
一同:(笑)
――すみません、ツボに入ってしまいました(笑)。気を取り直して。温かい8㎜の映像と、クリアな最新の映像の対比がとても美しく、何となくメランコリックな印象を受けました。
久世(Vo):でも、あの8mmは、本当に苦労したんですよ。
桐生(Gt):大監督先生がな……(と、スタッフさんを睨む)
篠原(Ba):すごく細かいんですよ、指示が。構図とか構成とか、全部彼が決めたんですけど、要求が細かすぎて……
久世(Vo):走るシーンで、俺と桐生の感覚をもう2mm縮めてカメラの前を通り過ぎてくれとか……
桐生(Gt):「お前、絶対判別できないだろう、その誤差!」って(笑)
久世(Vo):後、困ったらすぐ空にパーンアップするんだよ。
桐生(Gt):映像チェックしたら、全然俺らが映ってなくて。
久世(Vo):雲の映像集だったよね。
桐生(Gt):「この“すじ雲”がいいんですよ」って、うるせぇよ(笑)
篠原(Ba):あいつ、空ばっか見上げてんだな。
――(笑)星空、鉄塔に続いて雲マニアなんですね。では、かなりの量の映像が撮影されたんですね。
篠原(Ba):八割使えませんでしたけど。
久世(Vo):あと、やたらと「顔、寄せ合って!」って(笑)
桐生(Gt):フランス映画かなにかにかぶれてんだろうな。
篠原(Ba):あのぉ……彼は、僕たちがデビューしたてのころから、ずっと苦楽を共にしてきて、本当にいろいろお世話になって、敬意を持って接してきていたんですが、接するほどに敬意が薄れていくという稀有な存在ですね。
久世・桐生:(笑)
――それだけ、DOMESTICSの皆さんとの仲が親密になっていったということかもしれませんね。
スタッフ:そうなんです!
篠原(Ba):うるせぇよ!(笑)
――では、8㎜以外の撮影について、お伺いします。
篠原(Ba):今回も、撮影が深夜から明け方にかけてだったんですが、僕たちって夜のイメージなんですかね?
久世(Vo):活動してるのは、日中なんですけどね。
桐生(Gt):そりゃそうだろ!(笑)
――深夜に聞きたくなる楽曲は多い気がします。今回の『君を思って』などは、まさにそういう曲かと。
久世(Vo):『DANCE IN FIRE』とか、夜の曲だよね。
桐生(Gt):踊ってないで寝ろよ。
篠原(Ba):そういうことじゃないだろ(笑)
――深夜の時間は、町も静かで自分の時間を確保しやすいので、思う存分DOMESTICSの世界に没入できるのだと思います。
篠原(Ba):上手いなぁ。
桐生(Gt):話を引き出す天才だね。
――恐縮です。
久世(Vo):そういえば、篠原はまた車乗ってたね。
篠原(Ba):運転しなくてもいいやつな。
一同:(笑)
桐生(Gt):篠原は車のイメージなんだろうな。
篠原(Ba):じゃあ、久世がコーヒー飲んでるシーンにもマネキン置いておけばよかったのに。
久世(Vo):家にアレがあるヤツ、おかしいだろ(笑)
――映像のラストが朝焼けで、とても綺麗だと思いました。
久世(Vo):晴れてよかったよね。
桐生(Gt):直前まで曇ってたんだよな。
篠原(Ba):それが、日の出直前になって雲がさーっと晴れていって。
スタッフ:日頃の行いでしょうね。
篠原(Ba):なんでお前が言うんだよ!?(笑)
久世(Vo):ほら、彼は“雲マニア”だから。
篠原(Ba):あいつがマニアじゃないものなんかあるのか?
桐生(Gt):地中に埋まってるものには興味ないんじゃないか? 空ばっか見てるから。
久世(Vo):タケノコとか?
桐生(Gt):いや、軽い冗談だから、具体例出されても……
篠原(Ba):ちなみに、タケノコは好き?
スタッフ:好きっす。
篠原(Ba):好きなのかよ!
久世(Vo):何を怒られたんだ、今、彼は?(笑)
桐生(Gt):理不尽な(笑)
――楽曲についてお伺いします。これはやはり、ラブソングとして書かれた歌詞なんですか? なんというか“君を思って”というフレーズからは、恋愛以上の、なにか大きな思いを感じるのですが。
久世(Vo):鋭いですね。
――ありがとうございます。
久世(Vo):恋愛に限らず、大切な人っていう大きなくくりで、それは恩師でもいいし、家族でも、もちろん好きな人でもいいんだけれど、もう二度と会えない人だったり、明日になれば会える人だったり、それは聞く人にとっていろいろな“君を思う”時間っていうのがあって、そういう一瞬だったり永遠だったりする時間の中で頭に浮かんでくるもの、胸に去来するもの、そういうものの美しさ、大切さって優劣がないというか、出会って一時間しか経ってない人で「また会いたいな」って思う人もいるじゃないですか、そういう、誰かにとっての会いたい人を思う時間に寄り添えるような曲になったらなと……そんな感じです。
――聞く人、それぞれが自分の中の“大切な人”を思う時間に寄り添う、そんな曲なんですね。
久世(Vo):そうなってくれていると、嬉しいですね。もちろん、ド直球のラブソングだって思ってくれても、それはもう、全然、いいので。好きなように聞いていただけたら。
篠原(Ba):アルバムではこれがラストの曲なので、いい余韻を残してくれると思います。
思い出の温もりは、ときに人を懐かしませ、ときに前へ進む力になる。
『君を思って』に込められた“君”は、恋人かもしれないし、家族や友人、あるいはもう会えない誰かかもしれない。
誰かを思う時間の尊さと、その記憶が未来を照らしてくれることを、この曲は優しく教えてくれる。
『君を思って』
動画リンク https://youtube.com/shorts/oWIqCke7-Yg




