TRACK9.『MAD LOVE』
『MAD LOVE』
動画リンク https://youtube.com/shorts/pKrI6IFFjyY
――先ほどお話にも出てきましたが、この曲は学生時代に制作されたんですか?
篠原(Ba):久世が一番ノってた時代の楽曲ですね。
久世(Vo):いや、今、今! 今が一番ノってるから!
篠原(Ba):このころ、ちょっとでもいい言い回しやフレーズが思いつくと、どんどん歌詞変えていって。
桐生(Gt):あぁ、やってたなぁ、そんなこと。
篠原(Ba):演奏する度に、知らない歌詞が聞こえてきて。
桐生(Gt):篠原が止めたんだよな、「お前、いい加減にしろよ!」って(笑)
久世(Vo):あのころはまだ、自分の言葉に自信が持てなくて、「これでいいのか?」「もっと伝わる言い方があるんじゃないか?」って。
――それで何度も変更をされたんですね。
桐生(Gt):そのくせ、ライブで間違うんだよ。
篠原(Ba):全然覚えてなくてな。
久世(Vo):変えすぎて、「あれ、これは何番目の歌詞だっけ?」って(笑)
桐生(Gt):笑い事じゃねぇよ。
篠原(Ba):それで、デビュー後最初に作った『二番目の恋』は、Bメロとサビが同じなんですよ。
久世(Vo):絶対間違えないように。
桐生(Gt):極端なんだよ、お前は!(笑)
久世(Vo):違う、気付いたんだよ。ちょっとしたニュアンスの違いとかじゃなくて、歌に気持ちを精一杯詰め込めば、一番大切なことは伝わるって。
――Aメロが異なるからでしょうか、同じ歌詞でも感じられる思いが違って聞こえます。
久世(Vo):そういうことです!
桐生(Gt):本当かよ?(笑)
――この楽曲は、劇場用アニメ『魔鉱騎兵ゼロ』の主題歌ということですが。
篠原(Ba):パイオッツァーの監督が、こちらの劇場用アニメも監督されていて。それで、またお声をかけていただいて。
――まさに“ご縁”ですね。
篠原(Ba):ありがたいですね。
――劇場用アニメの脚本を読み込んで、久世さんが作詞されたと伺ったのですが。
久世(Vo):はい。書きました。
――えっと、この楽曲は学生時代に制作されたものでは?
久世(Vo):歌詞を書き直しました。
桐生(Gt):またかよ!(笑)
篠原(Ba):もう、終わらないんだよ、この曲の作詞は。
久世(Vo):いや、もうこれで終わり! 決定稿!
――この楽曲で行こうと決められたのは、監督なんですか?
篠原(Ba):そうなんです。最初はゼロから作るつもりだったんですが、監督がウチのスタジオを見学に来られた時に、この曲を聴いて「イメージにぴったりだ」と。
桐生(Gt):それで、再録してこれでってなりかけた時に、久世が「この歌詞じゃダメだ」って。
久世(Vo):アニメの世界観が凄く重厚で、素晴らしかったので、その主題歌として力負けしない歌詞にしなければと。
――最終的に納得のいくものになったということですね。
久世(Vo):やっと完成した気分です。
桐生(Gt):時間かかったなぁ(笑)
――決め手は何だったのでしょう?
久世(Vo):生きることと、愛することって、人間の究極の使命だと思うんですけど、そこに対する渇望は実は似ていて……生きることを愛することに置き換えて考えてみた時に、言葉が次々にあふれてきて、ようやく完成形が見えたというか。
――この作品との出会いが大きなきっかけになったと。
久世(Vo):歌詞にあるんですけど、ゼロを超えていけたというか、限界を突き破れた感じですね。
――閉塞感からの解放というイメージは、今回の映像ともリンクする部分があるかと思うのですが、そういったコンセプトだったのでしょうか?
篠原(Ba):そうですね。地下鉄っていう、地面よりも深い場所で音楽を奏でて、地上を超えて空の彼方まで突き抜けていこう――というようなコンセプトだと聞いています。
桐生(Gt):ただ、あの電車では地上まで突き抜けてはいけないよな(笑)
久世(Vo):壊れすぎてて(笑)
――実際使用されていた車両を改造してセットにされたんですよね?
久世(Vo):そうそう。昔走ってた電車なんだって。
桐生(Gt):MVを見た人の中に、学生時代に乗ったことがあるって人がいるかもな。
――それは、すごく運命的ですね。
篠原(Ba):当時の面影は、微塵も残ってないと思いますけど(笑)
――今回はメイクもすごいですね。
久世(Vo):メイクも濃いし、セットも暗いし、顔がはっきり見えないっていう(笑)
――とても雰囲気のある、素敵な仕上がりだと思いました。光が差してくる演出も印象深くて。
久世(Vo):ゾンビが天に召されるような(笑)
桐生(Gt):お前、ずっとそれ言ってるな。ゾンビゾンビって。
久世(Vo):もう、みんなのメイクが怖くて。
桐生(Gt):お前だよ、一番怖かったの。
篠原(Ba):でもまぁ、闇から光へ導かれて突き抜けていくという意味では、近いものがあるかもしれないが……いや、ゾンビは違うか。
久世(Vo):バッサリじゃん(笑)
学生時代に生まれた一曲は、数え切れないほどの試行錯誤を経て、ようやく完成形へと辿り着いた。
劇場版アニメとの出会い、監督との再会、そして楽曲に込められた新たな想い――。
『MAD LOVE』は、多くの縁と時間が重なり合うことで生まれた、特別な一曲なのだろう。
『MAD LOVE』
動画リンク https://youtube.com/shorts/pKrI6IFFjyY




