98 もう、覚悟を決めなさいよ
それで、メイメイとハルニナはどうなのだ。
「ハルニナと私、二人ともルアリアン。私は生まれた時のままメイメイ。この体も意識もメイメイ」
「いつ、その誰かさんの意識が、んっと、混じってきたんだ?」
「いい質問ね。でも、ある日と特定はできないのよ。四、五年程前かな」
「四、五年前……。で、自分で、変わったってわかったのか?」
「いいえ。いつの間にか、私、変わったなって思う程度。でも、新しい知識とかはある。以前はこんなこと知らなかったのにな。とか、物事を違う目で見るようになったな、とか。だから、ちょっとは私も大人になったんだなって、思ってた」
「自分がPHだと意識したのは?」
「またいい質問。さすが」
「先を急げ」
「ハイハイ。きっかけは、実は鮮烈だった。ある日、というか、二年生の時、先生の授業が終わった時、ある学生が話しかけてきたんです」
「ほう!」
「ミリッサ先生をいつもよく見ておいて。なにか変わったことがあれば、すべて報告しろって」
「俺を? 報告……?」
「それがハルニナ」
「えっ、そうなのか」
「でも、私、全然不自然に思わなかった。その時、すべてわかったんです」
「なにが?」
「私がPHだってこと。それに、この女性、ハルニナがルアリアンの総帥だってこと。そして、私のやらなくちゃいけないことも」
「総帥!」
「ですよ~」
「ん……、ちょっと待ってくれ。ということは、メイメイ、俺を見張るのが、君の仕事だってことか?」
「そう。見張るって、人聞きが悪いよ」
「よく見ておけって、見張るってことじゃないのか」
「全然違うよ。なんていうか、先生がマニフェストしたかどうか、が重要なんだから」
「ちょっと待て。俺がPH?」
話の流れではそうなるが、だが……。
PH?
パーフェクトヒューマン?
誰かの意識が俺に?
メイメイが微妙な笑みを見せた。
「ハルニナもそう言ってたでしょ。先生はPH。まだマニフェストしてないみたいだけど」
「おい!」
「そうなんだから、もう」
「俺は、だな!」
「もう、覚悟を決めなさいよ」
「決められるか!」
「でもね、普通はそんなこと、総帥がごちゃごちゃ言うことはないのよ。でも、先生は特別」
「なにが!」
「その理由は私の口からは言えないよ。ハルニナに直接聞いて」




