65 そりゃ、縁があるからな
「で、どうだった?」
「何が?」
「俺の十六番、ユーペリオン」
「あ、そうか。へえ! よかったですね。見事差し切り一着」
「おおっ、そうか!」
「でも、先生、本当にもう大丈夫?」
などと話しながら、競馬場を出た。
「ミーティング、予定通りやるぞ」
「今日はもしかして豪勢なお料理が出るかも。先生のおごりで」
「出るか」
「そうよ、病み上がりなんだから」
腕を組んだままのハルニナ。
そしてフウカ。三年生のジン、ランが続く。
さっき、入部すると言ったメイメイもついてくる。
京阪淀駅の前を通り過ぎ、整然とした月極駐輪場の中を近道して、昔、公設市場のあった商店街の名残のような入り組んだ街並みに入った。
「ハルニナ、ありがとう。もう大丈夫」
「そう? でも、たまにはこういうのもいいかなって」
まあ、安心のために、もう少し腕は組んでもらっておこう。
ジンやフウカも気にしていないようだし。
「ねえ、フウカ。恋人は呼んでないの?」
「くどい!」
「さっき見かけたけど、手持無沙汰そうだったよ」
「きっと、あれでも仕事中なんだよ!」
「声かけてあげればいいのに」
「いい加減にしないと!」
燃料、仏壇、着物仕立直し、古本と書かれた看板を過ぎ、質と染め抜かれた大きな暖簾の隣に、ルリイアの住むマンションが建っている。
ミーティングに使ってくれたらいいと、鍵を預けてくれている。
ルリイア自身も終業後、遅れて参加してくることもあったが、ミーティング自体が早く終わってしまうため、預かった鍵で解錠し施錠することがほとんどだ。
マンションの前に、赤いタイトなスーツに白いサコッシュを掛けた女性が立っていた。




