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19 ここはさっさと通り過ぎるが習わし

 あっ、と思わず小さな悲鳴を上げた。

 てっきり、六畳ほどの真っ暗な和室だと思っていたが、違った。


 すでに、もう外だった。

 いくら何でも、こんなに奥行きのない建物ではなかったはず。


 しかし、目の前は。


 庭……、か?



 縁を踏んでランがその庭に降り立つ。


 奇妙だぞ。

 いいのか? ここに出て。


 うっそうと木々が茂り、もうすでに濃い夜の気配。

 木など、なかったはずだが……。

 いくら何でも、奇妙すぎるぞ……。


 ランが手招きした。

 早く降りてこいと。



 別世界の入り口……。

 ワープゲート……。


 違いない。


 庭の奥行きは広く、というより、先は見えない。

 小径が奥へ奥へと、さらなる暗闇に続いている。



「急いで」

「お、お、う……」

「ここはさっさと通り過ぎるが習わし」



 覚悟を決めた。

 ここまで来たのだ。


 ランを信じる。

 さっき、信じないでどうする、と考えたばかりではないか……。



「この先に、会うべき人がいるんだな」

「そいうこと」

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