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フォセストリア戦記  作者: 影光
四章 サウスライトニング作戦
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乗艦

 ワグス湾 早朝。

「これが…」

 一団を率いてワグスにやってきたアルスが、動揺の声を上げる。

 ワグスの港は南進に向けて近代化が進んでおり、港には戦艦メリオスや空母イスカなど、城塞の様な軍艦が浮かぶ。

 一目でわかる、圧倒的な力。

 魔力こそは感じないものの、目の前の威容はヴァルディアの戦艦にも匹敵する。

「…すごい」

 アルスの後ろ。

 魔龍を連れて歩くリューが声を漏らす。

 さらにその後ろに続く腕利きの選抜された戦士たち。

 王国軍専任のモンスターの狩猟の専門家であり、凶悪なモンスター相手に果敢に立ち向かう彼らでさえも、呆気にとられる。

「貴君達が、ガンダル王国軍の精鋭か?」

 数人の海兵を連れ、シズハがアルス達に話しかける。

「お初にお目に掛かる、ガンダル王国前線指揮官のアルス・リゲール。

 よろしくお願いする」

 相手に対して片膝をつく、ガンダル王国式の敬礼。

 リューたちもそれらに倣い同様に片膝をついて敬意を示す。

 対して、シズハたちは海軍式の敬礼で敬意を示す。

「私はランデル国海軍少将のシズハ・イセ。

 貴国の勇士達を心より歓迎する」

 タラップより、メリオスに乗艦するアルス達。

 一方でリューはチィに乗って軽空母アラケスに乗艦する。

 軽空母の飛行甲板に立つリューとチィを甲板から眺めつつ、波に揺られる。

 艦橋にはランデル国の国旗と海軍旗が海風にはためいている。

 全ての準備を終え、艦隊が北上する最中、シズハたちは作戦会議室で机を囲んでアルス達と会議を行う。

 王国北部の山岳地帯が描かれたノーシャン地方の地図。

 集落のマークはなく、王国の領土とは名ばかりの無人地帯である。

「…では、この地についての説明をさせていただきます」

 立ち上がり、シズハたちに現地の概要をアルスが説明する。

「まず、現在のノーシャン地方は雨季。

 雨が常に降り続けており、地面はぬかるんでいます。

 当然火をおこすことはかなわず、雨音のせいで敵の接近にも気づきにくい状況です」

「条件が悪すぎるな。

 クソ、女帝様め」

 悪条件にシズハは上官への愚痴を漏らす。

「ところで、カレッサ将軍の現状はどうなっている?

 情報によれば責任を問われて明日思を知れぬ身だとか」

「カレッサ殿は前線指揮官に降格となりました。

 今頃、南方に配属されているかと」

「わかった」

 アルスの言葉にそう返すシズハ。

 隣の士官に耳打ちすると、士官は通信室へと向かう。

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