君は僕だけが愛でる花
ライリーは小さな頃母を亡くしてから、女性はか弱く儚いものだから、優しく接し、守ってあげなくちゃならないと教え込まれてきた。
その教えの結果、見目の良さから女性には囲まれるものの憧れの人止まりで婚約者はできず、誰からも本命にはされずじまい。
しかし男だらけの家で育ったライリーは、婚約者とのデートに憧れる純情な青年であった。
唯一苦手な女性は、完璧な淑女と言われるグレース。
傲慢な第二王子の婚約者であり、いつも涼しげな表情で何もかも簡単にこなしてしまう。
グレースとは当たり障りのない関係だったが、見るに耐えない王子の態度は、リリーという編入生が来てから加速していく。
踏み躙られても凛と咲き誇る花のようなグレースに、ライリーは感情が動いていくのを感じて…。
純情で優しい男が、強かに咲き続ける花を愛でる話。