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聖女の性質

「あら、そうですか?分かりました。ユースケさんにお返しします」


『だめです。話が通じません。あれが私?』


 返してもらった剣から聞こえる聖女の声は疲れを感じさせた。

 もしかして聖女に話が通じないのって、聖女教育によって洗脳されたんじゃなくて彼女本来の性質だったのか?


 話を聞かない性質と何とか教の聖女教育の化学反応で、話を聞かないモンスター殺戮マシーンになってしまったのか。


 思い返せば剣の中の聖女とは会話のキャッチボールが成立しているな。敵対心は感じるが話の通じないクレイジー聖女と言うほどではない。

 ……マジで元に戻らない方が良くない?


『この男は!』


 キィィーン!と妖精の剣を震わせるが、以前作っていたサイレンスの魔法を付与した鞘に入れて静かにした。

 てか、刀身を震わせるって随分剣に馴染んでるな。


『吾輩が魔法の使用権を死守しているから、他の部分は聖女に掌握されたのです』


 マジか。聖女に魔法使われる危険あったの?ナイスだ剣。


『ありがとうございます』


 で?リシーアとは何を話してたんだ?


『あなたを斬れと』


 デジャブだなー。


『それがだめなら私を連れて行ってほしいと言いましたが、二手で元に戻る方法を探した方が効率的だと言われました』


 ぶっちゃけこんな状態の妖精の剣なら持っていってほしかったけど、今の善性の塊のようなリシーアにとって、それは他人の物を奪うような気がして嫌だったのだろう。


 まあ、いいや。そんじゃ、しばらくよろしく。元々は俺のポンでこうなったんだから真面目に探すよ。


『当たり前です!』


 謝罪も終わり、解散した後俺は光の部屋を訪ねた。


「よぉ」


「何ですか?」


 先程のこともあり、不機嫌な光は心底嫌そうな顔をして振り返った。


「いや、あの後勇者覚醒は使えるのかなと思って」


「インターバルが必要なので今すぐは使えませんが、それが終わったら使えると思いますよ。妖精の剣は……なんというか。最後の一押しのようなものでした。…………ありがとうございました」


 光は少し照れくさそうに頬をかきながら礼を言ってきた。

 しかし、これからも勇者覚醒は使えるのか。


 あの超強化は敵に回ったら恐ろしい。

 できれば妖精の剣が無ければ発動できないとかだと有難かったんだが、仕方ないな。喧嘩を売らないようにしよう。エスリメの俺にも伝えておかないとな。


「ああそれと、船の行き先は人族の大陸で良かったのか?お前たちは妖精族の大陸を目指していたんだろう?」


「リシーアさんとあなたの話を聞いた限り、彼女はあなた方か邪神を探そうとしていたみたいでした。だから妖精族の大陸には用はありません。また人族の大陸を旅しようと思います」

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