表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハーレムエンドでは終わらない  作者: 宛 幸
ビーチと祭りと人間関係編【強化合宿・三日目】
57/74

第54話 見回るだけでは終わらない

 詠浦(よみうら)神社が建てられたのは120年も前。まだ神様が居ると信じられていた時代だ。

 村の中心に建ち、神を祀る唯一の場所として貢ぎ物を良くされていたらしい。

 その形も現在、村ではなく町として栄えた今でもあって、それが祭の屋台で出し物をすることで貢ぐとされている。

 それがどうこうというわけでもないけど、先日の一件があったから、どこか気になってしまうのだ。 普段は気にならなくても、つい気になってしまう。

 僕の悪い癖かな。

 宿泊先から歩いて10分くらいした所にあるこの場所は、人がたくさん集まっていた。

 大人や子連れ、カップルなどいろいろだ。

 そんな中、一カップルだと見られそうな僕と月島さんは、屋台を見て回っていた。

「何か食べたい物とかある?」

「えっとですね……せんぱいこそ何か食べたい物、ないんですか」

 何が食べたいか訊かれて嬉しそうだった顔から、すぐにムッとむくれた。

 なんかかわいいな。日和さんと一緒だと、明るくて本当に楽しそうなんだけど、これはこれで面白いと思う。たくさんの顔があって。

「特にはないかな」

「遠慮はしなくていいんですよ?」

「ありがとう。月島さんこそ、遠慮しなくていいからね」

 そこで会話が途切れ、人が混む川流れをかわしながら屋台を物色する。

 横目で見ていると、本当にいろんな屋台があるんだなと感心してしまう。

 ──ダンッ

 余所見していて心持ちが薄くなってしまい、ぶつかってしまった。

「ご、ごめんなさい」

「……。いや、問題ない」

 パーカーのフードで顔を隠した少年に手を差しだし、尻餅付いた彼を起こす。

「それより、君は男を見なかったか?こういう男だ」

 懐から一枚の写真を取り出し、僕の目前に晒す。

 僕と同年代だろうか。どこにでもいるような少年の写真だった。

「いや、見てないかな……」

「そうか。時間を取らせたね。では失礼する」

 そう言って少年は人混みに紛れ姿を消した。

「なんだったんだろ……ね、月島さん」

 隣に声を掛けたけど、そこには誰もいなかった。

 すれ違う人がそこにいるだけで、月島さんの姿は見当たらなかった。

「これは……」

 月島さんとハグレてしまったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ