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ハーレムエンドでは終わらない  作者: 宛 幸
一時の安寧の時間【強化合宿・一日目─後半─】
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第29話 集合だけでは終わらない

 結局僕・千道寺さん・副会長のEチームは負け、日も暮れて丁度いい頃合いとなって、そこでお開きとなった。

 一件ぽつんと建っている老人夫婦が経営している海の家(お昼もそこでお世話になりました)のシャワー室でシャワーを浴びて着替えたのち、ビーチから離れ少し歩いた所に旅館があり、一同そこに向かった。

「では、割り当てられた部屋に荷物を置いたのち、大広間に集合だ。解散!」

 出入り口で女将さん達に歓迎されてからフロントで会長が一言言ってから各々にバラバラに散る。

 客間はそれぞれの名前が書かれた間に案内された。

「はぁ、俺ら男だけか」

「そりゃそうでしょ」

 何を当たり前のことを。

 女の子と同室なのは衛生上良くはありません。それに、

「僕は戸田君と一緒で嬉しいよ?」

「なんだお前、もしかしてそういう趣味が……!?」

「なんでそうなるのさっ。違うよ。こういう風に修学旅行というかなんというか、友達と楽しく合宿なんて滅多にできないから……いいなって、思って」

 いつもこういう行事は心から楽しむ余裕がなかったからな……たまには息抜きもいいよね。

「そういうことか。ならとことん楽しまないとな」

「うん。じゃあ大広間に行こっか」

「あぁ、そうだな」

 荷物を置いて部屋から出る。

 大広間に着くと、何人かはすでに来ていた。

「引率者として、仕事はしないとね~。ね、はるとくん」

「うわっ?」

 突然の声に驚いて隣を見ると、のえるさんがそこにいた。

「えっと、なんのですか?」

「これだよ」

 腕の脇に抱えていたそれを僕に見せる。

 それはノートパソコンだった。しかも最新型の。

「パソコン?」

「みんなを監視してその動向を捉えレポートにするんだ」

「へぇ。そんなことしてるんですね」

「うん。ちなみに、みんなの体のどこかには発信機が付着していて、このノーパソに受信するようになってるんだ」

「へぇ……え!?」

 いつの間に?!どこにあるんだ、発信機!

 体をまさぐり、探す。

 だかどこにも見当たらない。

「にゃははっ。嘘だよん♪はるとくんはやっぱりいい子だね」

「なんだ……嘘か。すっかり騙された」

「にゃはは。レポート書くのは嘘じゃないけどね。ちゃんとみんなが無事で合宿をしましたって証明を残さないと」

「なんか大変ですね」

「そうでもないよ。楽しいもん、みんなといるの。だから苦でもなんでもない」

 のえるさんは学園長としての義務……いや、年長者としての意識が高いのだろう。見た目では推し量れない尊がそこにあるのを感じる。

「さ、みんな集まって来たし、私達も集合だよんっ」

 くるっと意味があるのかわからない回転をしてみんなの所へ行くのえるさん。

 なんだか今日はのえるさんに大人を感じずにはいられない僕だった。

「はるとくん!早く早くぅ!今日は無礼講で夕飯は豪華なんだよ!」

「はい、今行きます!」

 やはり子供っぽいな。けど、それがのえるさんなのだ。



 部長は真ん中に立ち、スイッチをオンにしないのにマイクを片手に口を開いた。

「大広間に集まって貰ったのは他でもない。見ての通りの宴(うたげ)を開始するからだ!」

 何が見ての通りなのだろうか。だが、楽しさが含める騒がしいのは嫌いではない。

 似たようなことを思ったのだろう。他のみんなも口々に喋る。

「そこで今日は無礼講であり、引率者兼生徒会顧問の夢前のえる学園長に一言貰おうではないか」

「こほん」

 マイクを受け取り、またもスイッチを入れずに咳払いをするのえるさん。

「みなさん。今日は無礼講です。楽しく盛り上がろう~!……以上ですっ」

 かくんと身体がシナる。

 誰ものえるさんには乗らず、静かに聞いていたからか、そのままてくてくと自分の席へと戻る。

「前振りはここまでだ。さぁ、Its a show tame!!」

 それを合図にみんなは各々に乾杯し始めた。

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