代筆では終わらない
本編を見てもまったくわからない描写がありますがご容赦ください。
生徒会の仕事として奮闘していた時峰悠人氏でござるが、結局は水着コンテストは見ることができなかったのでござるよ。
それは別件で生徒会長殿が任務を与えていたからでござる。
それはそれとして、時峰悠人氏の活躍を皆の衆にご観覧できなくて残念でござる。
活躍とは何かでござるか。それは勿論、時峰悠人氏の勇姿でござる。あのすまし顔で勇ましく陰で作業してる姿は拙者の心を奮わせたでござる。
勇ましいものは勇ましいのでござるっ。
そこまで知ってるのは何でかでござるか?それは内密でござるよ。
え、なんで拙者の語尾がござるかでござるか。
それは秘密でござるよ。拙者が忍者の末裔で時峰悠人氏の監察を命じられてるとか、そんな中時峰悠人氏の隠れファンになったとか、そういうことは絶対に口が裂けても言えないのでござるよ。
え、もう口にしちゃってる?
……あ。ほ、本当でござるっ!これは拙者のしたことがっ。とんだ失態でござる……。これでは拙者の先祖が時峰悠人氏の先祖と繋がってることまで口にしそうでござるっ!!
という訳で拙者、もう接続を切るでござるっ。
さよならでござる。忍。
『しのぶちゃん、一緒にお昼食べよ~っ』
「了解でござるよ。さくら殿」
『それにしてもしのぶちゃんのその口調と語尾、まるで忍者みたいだよね』
『そ、そそそんなことはないでござるよっ!?』
『そうなの?ま、いいや。あ、今日は手作りなんだ。私の食べてみてよ~』
『試食でござるな。承知したでござる』
――……。
携帯端末に映る文字を見て少年は立ち上がる。
「空雨忍。君はそっちの人間なんだね」
少年は微笑ましさを覚え、それと一抹の寂しさを覚えた。
「僕はそっちの風景がとても明るくて輝いていて、とても眩しいよ」
少年は後ろに振り向き、
「……忍。きっと君はそちらの世界の方が心地のいい場所を作れる。だから――」
部屋の扉を開ける。
「さよならだ、忍」
少年は歩き出す。過去を悔やみ、今を見詰め、未来を定めて。
――The next is episode.
一旦ここで一区切りな感じですね。
当作品はまだ続きますので、よろしければ引き続きお付き合いお願い申し上げます。