mission88 笹川さららの目的を考察せよ!
前回のあらすじ。
さららちゃんが着替えた。
「で、お前は何者なんだよ」
全く話が進まないまま半個室のレストランに来て、目的通り飯を食って。
しばし落ち着いたところで、本来の目的であるその話題を切り出した。
「デザート……パフェ…………」
「あんまり高いの頼むなよ。で、笹川は」
「注文……」
「すみませーん、注文お願いしまーす!」
クソッ……見た目子供だから強く言いづらい……。これが箱森なら叩いても許されるのに……!
「べぐじょぶっ!」
「箱森さん、風邪ー? くしゃみ独特だね」
「ど、どうせ私のくしゃみは可愛くないもん! うわぁぁぁあん!」
「あ、待って、箱森さんー!」
太郎と箱森の間でそんなやりとりがされたかどうかはともかく。
「おまたせいたしました。ウルトラデラックスベリーハードヘルカオスパフェです」
「やった……」
「デカいパフェ頼むなって言ったじゃねぇかっ!」
「言ってない……」
そこまでは言ってなかった。でもこんなん頼むと思わないだろ。
それはともかく。
「他の転移者から……聞いた…………」
「ん? ああ」
急に話し出すなよ。えっと、これは……このゲームより先の年代の情報を知っていることについてか。
「ここまで……たどり着かなくても……幼少期に……会えるから…………」
そういえば、笹川とは幼少期会っていたんだっけ。
他の転移者も同じように会って……その時に、情報を得たのか。
「え、他の転移者と会って酒の購入年齢の話したの……?」
「そんな話……しない…………」
まあ、貴重な機会にそんな話はしないだろうし……なら、どうして。
「しなくても……頭の中くらい……読める…………」
「こわっ!」
つまり、転移者と会ったらその頭の中を笹川は読み取って、記憶できる、と。
「ちなみに……俺の頭も読み取って…………?」
「ふふっ…………タートルネック…………」
「やめろ!」
読み取られていた。よりにもよってなんでその話題出すんだよ。
「笹川が色々な知識持った……ある種メタ的な存在なのは分かったけど、それだけか? 何か目的でもあるのか?」
そんな能力を持って、ヤマタノオロチとも戦えて、俺の足を刺して治せるような能力持ちのミステリアス少女。そうしたヒロインのルートなら、大体目的があるはずだ。UFOを呼ぶやら儀式をするやら……。
「儀式とやらも……この前したけど。なんなんだよ、あれ」
「私の……目的で。野望…………」
可愛らしい顔で、パフェを食べながら。少し物騒な言葉を笹川は言う。
「私は……この世界から出たい…………」
小さな桃色の舌でクリームを舐めとりながら、笹川は。
「私の野望は……次元を超えること…………」
こちらの世界に来たいと。
静かに宣言した。
「トルコ風アイス……食べる…………」
「……俺の時代にはもうブームは終わってるけどな」
こちらの世界に来てはやっているものが食べたい、なんて。
小さすぎる野望ではあるけれど。
「さすがに……次元の壁は越えられないだろ」
「君も……中学生の頃……試したもんね…………」
「黒歴史を引っ張り出すな」
俺のことはいいんだよ。
『タピオカミルクティーで我慢するぷん』
「この時代には……ああ、最初のブームがこの辺なんだっけ」
『ああ、タピオカミルクティーはブームが何度か来ていて』
「お前ら急に話し出したと思ったらしょうもない話しかしないな!」
アホマスコット達はともかく。
「だから……ある程度は……協力、してもいい…………」
「俺の目的も……そうだな、知ってるよな」
このアホみたいな攻略不能ゲームを攻略すること。
太郎を導いて、ハッピーエンドであるエンディングを迎えること。
「だから……私にも、協力して…………」
笹川はスプーンを置いて、こちらに手を差し出す。
こちらに協力してくれるというのなら、断る理由は――――。
「分かった。ただ、出来る範囲でな」
「ふふっ……契約、成立。だね…………」
なんか赤く光った。
「何で光るの、なんなのこの魔方陣、いつの間に何した笹川ぁ!」
「ふふっ……ないしょ」
「可愛く人差し指当てるなよ、クソっ!」
契約前にはよく条項を確認すべきだった。
本当になんなんだよこれ……手になんか変な模様みたいなあざできてるし。
「で、パフェは空になったのに、なんでお前元に戻ってないんだよ」
「ごちそう……さまでした…………」
「話聞いてくれよっ!」
『我は、普通に食事をすれば、小さくなるのは止まるぞとしか言ってなかったからな』
「なんでみんなちゃんと説明する癖ないのっ?」
『ぷん。我はちゃんと』
「一番ちゃんとしてないのはお前だよ、カッス!」
『ぷんっ!?』
と、マスコット達と騒いでいると笹川がすぐ傍まで来ていた。
ソファ席だから、体を密着させるのも不都合はなく。
「じゃあ……契約どおり…………」
「あ、あの。笹川さん? さららちゃん……!?」
俺の肩に小さな手をかけて。
「いただきます…………」
思い切り、首筋に噛みついた。
「――――――――っ!」
熱い。熱くて、生温かくて。熱い。
そこからの記憶は、あまりない。
いつの間にか飛んでいた意識が戻ったときには、笹川は元の高校生の姿に戻っていた。
「ふふっ……ごちそう……さまでした…………」
笑みを浮かべる、笹川の前には。
空になったパフェのグラスが、もう一つ追加されていた。
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オカルト少女といえば、パッと思いつくのはToHeartです。先輩可愛い。




