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アキナ・コバヤシVSクウヤ・オキサキ模擬戦開始

マサキがクウヤをぶん殴った日から2~3日経過した後の話となります。

 あの馬鹿オキサキをぶん殴った後、奴は短絡的に復讐してくるほど愚かではないようだ。

 殴られた事を暴漢に襲われた事にして平然としていたのが少々不気味だが今のところこっちは平和に学園生活を送れそうだ。

 あれから数日経過し、この日は家の馬鹿あn・・いやゴトウ先生とコバヤシ先生のPGどちらかと1年3組にいる専用機持ちの模擬戦が行われる事になったため、俺たちはその模擬戦を見るために第3アリーナに移動して席に座りだした。


 カナエ:「凄いね。先生と専用機持ちの生徒と模擬戦ってなかなか見られないから。」


 と声をかけてきたのは教室でとなりに座っているカナエ・ヒノムラである。彼女は入学試験をトップ10以内の成績でクリアしたけどPGに乗れるからと行って、それを鼻にかけて威張り散らすどこぞの馬鹿オキサキと違い謙虚である。


 ちなみにその馬鹿オキサキがこの時期のクラスで数少ない専用機持ちの1人で、型式PGAX-C-020311 ODIN《オーディン》であり、PGAX-02S FOX TAIL《フォックステール》のカスタム機である。

 基本武装は20mm6連型ガトリングシールド|(PGS)に分かりにくいがシールドにダガーナイフがセットされている。

 もう片方はマガジンカートリッジ式パイルバンカー(MPB)を装備しており、背中にある予備武装用サブラックはプラズエナジーランチャー(PER)に携行型グレネ-ドランチャー(HGR)と対PG戦用にしては過剰火力とも言える装備だ。


 カナエ:「それにしてもオキサキ君。模擬戦にしてはかなり火力多くないかな?アレだと殲滅戦や拠点防衛用に使うタイプだよ。」


「俺もそう思うけど、オキサキの奴アリーナつぶしてでも勝ちたいのか?」


 俺は生徒手帳に記載されている学則のページを開いた。


「えーとあったった。(学内のPGにおける模擬戦は格闘戦用PG国際ルールに則りコックピット潰しを可能とする装備、並びにPGの原型を著しく留めない過剰火力による攻撃を一切禁止とする。)だね。あいつの機体どっちも違反している様に見えるけど、あのまま戦って殺したら、専用機没収で済めば軽い方で、最悪の場合退学、逮捕もあり得る話だぞ。エリートなのにそんな事もわからないのか?まぁ先生達がオキサキに殺されるような未熟な腕の持ち主とは思えないけどね。」


 カナエ:「たしかにね。ところでマサキ君?この勝負先生達が勝つか、オキサキ君が勝つか賭けてみない?」


「ヒノムラさんは何をBet対象に?乗るか降りるかはBetする物によるかな。」


 カナエ:「こらこら。せっかくあたいがフレンドリーに名前で呼んでいるのに名字で返さないでよ。あたいの事はカナエか、カナで良いから、同じバーシストのハーフ同士仲良くしようよ。」


「じゃあカナさんでいいか?」


 カナエ:「それでいいよ。うーん賭ける対象は今日のお昼代なんてどう?」


 少し躊躇と思考をしていたら俺のとなりから


 センイチ:「某は乗ろう、その賭けに。」


 ユキト:「じゃあぼくも乗る、その賭け。」


 と何故か俺の左隣りに座っているセンイチとユキトがノリノリで賭けに参戦した。


「おまえらなぁ、いいだろう。その賭け俺も乗る。」


 カナエ:「へっへー。決まりだね。それじゃ、あたいはオキサキ君に賭けるよ。あっ、そうだ。先生に賭けるなら片方ずつね。」


 ユキト:「僕はコバヤシ先生に。」

 マサキ、センイチ:「某は(俺は)ゴトウ先生に。」一人称は異なるが、俺とセンイチはもののみごとにユニゾンした。


 カナエ:「数的不利だな。しかし今更だけど先生達のPG出てこないね。」


 ユキト:「カナエさんほら、出てきたみたいだよ。」


 そう言っていると2台のPGが正面ゲートから出て来ると大きな歓声が上がった。

 2機ともJXASION製のPGだ。

 アリーナのモニターに入場してきたPGと既に待っていたオキサキのPGの紹介がなされた。

 先生達が乗車しているPGは、模擬戦用にチューンされた機体でPGJX-C-0210 AKAFUJI(赤富士)と、こちらはオキサキのFOXTAIL改型とは異なりJXASION社製 PGJX-02FC RAIGAKI(雷撃)のカスタム機でパイロットはコバヤシ先生である。

 家の姉事、ゴトウ先生はPGJX-C-0101 KOTETU(虎轍)で、PGJX-01 RAIUNのカスタム機である。

 PGJX-C-0210 AKAFUJIの基本武装は70mmアサルトライフル(AFG)に66mmスプレッドショットガン(SSG)に左手には分かりにくいが超高振動型コンバットナイフ(HBN)を装備しており、サブラックには88mmスナイパーライフル(SRG)と更にエナジースナイプライフル(ESR)中近距離砲戦使用にカスタムしている。


 一方、内の姉は手持ち武装を上げると左に70mmアサルトライフル(AFG)を、右には熱切断式かぎ爪(HSC)を装備しサブラックには家の姉の十八番の対PG戦闘用日本刀虎轍(APS)とアサルトライフルは別として全盛期の姉の武装そのものだ。


 家の姉は今でこそこのPG学園で教鞭を執っているが4年ぐらい前まで女子PGファイターのアークウォーリヤ-として頂点まで上り詰めたが、グランドチャンプ3連覇を達成した後、官営教習所で1年ほど教え、その後にPG学園にスカウトされたと父から聞いた。


 コバヤシ先生は元々警察用PGのパイロットで通称 APSTアパストと呼ばれる警察機構の特殊部隊出身らしいので詳しくは不明だが実力はたしかである。


 クウヤ:『待ちくたびれましたよ、先生方。それでは始めましょうか模擬戦を。』


 ミヤコ:『まて、オキサキ。お前の装備しているのはMPBだろ?今回は模擬戦だから正規の格闘戦や非殺傷ルールに則った武装を使え!それを外さなければ無条件で反則負けにするぞ。』


『ああ-、そうでしたね。今回はただの模擬戦でしたね。・・・・・少しお待ちをパージしますから。』


 そう言って地面下にMPBをパージするかと思えば、パージしたMPGを客席に俺達の居るシート近くに投げつけてきた。

 けど、格闘技やレース用のPGは観客に被害が出ないようにギャラリーシートには二重三重のエナジーバリアと強化アクリル板が展開されているので届く事は無かった。

 そのおかげもあって奴が投げたMPGはバリアシステムに接触し黒焦げになった。

 やっぱり人は例えエナジーバリアが貼られていても咄嗟に逃げたり、手で頭を覆うなどしていた。俺は静観していた。


 ミヤコ:『おいっ貴様!!何のつもりだ。観客席にパージした武器を投げつけるとは。』


 クウヤ:『何言ってるんですか?ゴトウ先生。俺は捨てようとしたら手が滑って観客席に飛んだだけじゃないですか。』


 ミヤコ:『くっ!!・・・・・今後注意しろ。それとオキサキ、お前は在学中、MPBの使用所持は一切禁止とする。』


 クウヤ:『はーい、判りましたよ。』


 こいつ、反省どころか全然人の話を聞いてない態度だ。


 クラスメイト女A:「オキサキ君顔と技能は良いのに、あんな振る舞い最低よ。」

 まぁ当然の反応だな。


 クラスメイト女子B:「なによ、あの男。私達のミヤコ様に対してあの態度。私達がPG手に入れたらとっちめてやる。」

 あの姉貴にファンクラブか、それは否定しないがあの野郎に素人が団体で挑んでも負けるからやめとけ。


 クラスメイト女子C:「ああっ、あの見下した態度で私を罵って欲しいわぁ。罵ってもらうだけでそれだけで大盛りご飯2杯は行ける。」

 おいおい。この年でもうドMの覚醒者がいるのか?勘弁してくれ。


 と、後ろにいた感じで後ろの女子達は様々なとこを言っていたが、もっとやばいのが隣にいた。


 ユキト:「あいつ!!ゴトウ先生まであんな悪態をつきやがってなんて野郎だ。」


「ユキト落ち着けよ。昨日の今日であの馬鹿オキサキがあんな性格なのは把握しただろ。」


 ユキト:「そ、そうだけど・・・でも許せん。」


 カナエ:「へー、ユキト君って名前のように落ち着いた性格かと思ったけど、かなり熱い性格なのね。それで、何があったの、噂のオキサキ君と?」


 その台詞を聞いてユキトは登りきった血が下がっておとなしく座り込んだ。


 ユキト:「うっ・・・ぼ、僕は何も・・・出来れば黙秘で。」


 カナエ:「マサキ君とセンイチ君は何か知っているの?」


 センイチ:「いまの某、人にそれを語る言葉を用いておらぬ故、時が経てば語れるので、しばしお待ちを。」今は喋りたくないと素直に言えんのか?


「今は喋りたくないから、俺も後で。」


 カナエ:「つまり、知っているけど今は喋りたくないって事?」


 俺たちは3人揃って首を肯定の方向に振った。


「まぁ、いいわ。その代わり話せるときが来たら代表1名の誰かが喋ってくれればOKよ。さて、そろそろ始まるよ。先生達の模擬戦。」


 クウヤ:『さて先生方ドッチからでもかかって来いよ。何なら2対1でも俺様は構わないぜ。俺様のODINは一対多数想定の強襲カスタムだから四の五の言わずかかって来いよ。』


 ミヤコ:『仮にも教師に敬意を払えないとは、私が直にお灸を据えてやる。』


 アキナ:『いえゴトウ先生、私が先に行きます。さすがにキレそうです。』


 ミヤコ:『そうか、頼みましたよ。戦況次第では私が連戦します。』


 アキナ:『そうはならないと思いますが、その時はお願いします。』


 ON your Mark Ready?3・・・・2・・・・1・・・BATTLE START


 試合開始のブザーが鳴ったので先に動いたのはコバヤシ先生で、いきなりランドスピーダを展開してバック走行でガードウォールギリギリまで近づきそこから垂直跳びをしたと同時にAFGとSSGをサブラックに収めてESRを両手持ちに切り替えて、上昇しながらオーディンの機動系装置の無効化させるスナイプショットを決めた。


 いきなりの事だったので、オキサキは反応できなかった様で、武装していない右腕の手の甲と左足ランドスピーダを爆散しないように打ち抜いた。


 クウヤ:『なに、ばかな・・・・ランドスピーダは判ったが右手の甲はいつ打たれた?』とスピーカーから聞こえてきた。


 センイチ:「マ、マサキ殿。オキサキ殿のPGは何時手の甲を狙撃されたのだ?某見えなかった。」


「俺も正直なところ、いつ撃ったかまでは判らないがこの現象、いや技はクイックドローって言って生身でなおかつ拳銃なら早撃ち名人の技の一つですむけど、あれをPGで連射の効かないスナイプライフルでするのは事実不可能に近いが・・・・」と俺が思考しているとユキトが


 ユキト:「僕は聞いた事あるよ。PGで超がつくほどの精密射撃と連射が出来るスナイパーが居るって。」


「それがコバヤシ先生だと?」


 ユキト:「僕にもそこまでは判らないけど今、目の前で起こった事は事実だよ。それにコバヤシ先生が見せた技は、PGスナイプで上級テクの一つで逆L字ジャンプショット又の名を(トヨナカ)って呼ばれ、空中で的にされかねないハイリスクな技だけど、相手にピンポイントでダメージを与える事が出来る大技だよ。」


 センイチ:「ユキト殿、的確な解説ありがとうございます。」 


 カナエ:「それだけじゃないわね。あたいの見立てだと、サブラックに搭載している武装がトリガーレスウェポンでなければ、オキサキ君はもう左腕武装のPGSのみで戦わざるを得ないよ。」


 センイチ:「とりがーれすウェポンとは一体何でしょうか?」


 カナエ:「グラップラーでアークウォーリヤ-を目指しているセンイチ君には縁遠い事だけど、普通のPG武装は手で持って撃つのが基本なのよ。」


 センイチ:「ふむ、其れととりがーれすウェポンと何か関係が?」


 カナエ:「軍用メーカーの一部で採用されているサブラックか脚部エクステンションに接続して砲撃体勢に持って行けばコックピットにあるトリガーを引けば打てるシステムよ。」


 センイチ:「カナエ殿は博識はくしきですな。某、関心つかまつった。」


 カナエ:「やーだー、センイチ君、私が博識?ちがうよ。トリガーレスウェポンは本来なら軍や警察用のPG研修するときに聞く事だけど、警官用のPGパイロットのお兄ちゃんからこっそり聞いたから知っていただけだよ。」


「こっそり教えてもらったのに俺たちに教えて良いのか?」


 カナエ:「いいじゃん。機密事項に触れる事じゃないし。」


 そう話し終わると耳をつんざく爆音が聞こえてきた。


 アリーナの方に視線を戻すとオーディンはPERとHGRを交互に打ち替えて乱発をしている。


「な、なんだ。あの野郎いきなり自棄やけになりやがった。」


 ユキト:「違うよ、マサキ君。アレは自棄やけになった風に見えるけど、アレは計画的に打ち込んでいるよ。本当に自棄ならHGRはもう既に弾切れを起こしているから。」


「それにしてもあの野郎。先生相手に火力で立ち回っていやがる。」


 センイチ:「これは、武人としての勘だが、コバヤシ先生は余裕を持ってあの砲撃をかわしているように見えるのは気のせいであろうか?」


 ユキト:「コバヤシ先生実力が判らないと僕にはどうとも言えないけど、センイチ君にはそう見えるようだね。」


 カナエ:「3人ともよく見て。先生もあれだけの火力をかわしつつスナイプショットを当ててダメージを与えているわ。」


「すげーなあんなにランドスピーダ回転させて高速ターンしながらスナイプライフル撃ってダメージ与えるなんて。」


 センイチ:「やはり、コバヤシ先生は我々とは明らかに異なる強さを持っているようです。」


「PGの操縦センスはパイロットの外見じゃわからないって事の良い例だね」


 クウヤ:『そのライフル鬱陶うっとうしい。爆ぜろ。』


 ランドスピーダこそ片方しか使えないがそれのみで加速しPGSを連射してコバヤシ先生の所持しているESPにガトリングを乱射して撃てなくした。


 アキナ:『残念、ESPは囮よ。』


 爆散寸前のライフルを捨ててサブラックにしまったSSGを手に取りポンプアクションして装弾し、散弾を連発で撃ち込みPGSを使用不能にした。


 クウヤ:『くっ、しまった。シールドが壊された。だがこれで終わると思うなぁ三下ぁぁぁ!!』


「つーか先生に対して三下とか、こいつどんだけ性根腐っているんだ?」


 ユキト:「へーあいつ。テクは確かに一級なのは確認できたけど、態度と精神は三流以下だな。それに勝負は次期につくと僕は思うよ。」


「ん?ユキト。そのこころは?」


「コバヤシ先生がショットガンに切り替えてあの野郎に接近しているからかな。」


 なるほど一理あるな。ショットガンは近距離射程なら弾丸のシャワーをプレゼントするからな。


 クウヤ:『馬鹿が、例え教員といえども、こんな近距離でHGRを食らえばひとたまりも無いだろうが。これで終わりだ。じゃぁな、クソ三下。』


 HGRを発射態勢になったがグレネ-ド弾は一向に発射されないのであった。


『ば、馬鹿なグレネ-ド弾がでない。何だとどうなっていやがる!!』


 その後すぐにPERに切り替えて発射しようと思ったらしいがこちらも発射されずにいた。


 何かおかしいと思ってオペラグラスで機体をみたら


「分かりにくいがPGとサブラックのリンクさせるための僅かに露出している電導線を打ち抜かれているぞ。」


 センイチ:「信か、マサキ殿?しばしその双眼鏡お借りする。」


「ほいよ。」と短く答えてオペラグラスを渡して凝視して

 センイチ:「某にはよくわからん。」と答えた。


 カナエ:「あたいにも見せて。」

 といってセンイチから俺のオペラグラスをぶんどり見た後に


「あー確かに、あの僅かな隙間を打ち抜くのは腕利きの狙撃手なら固定した状態なら可能だけど、あれだけ動き回っているのにそれを打ち抜くなんてコバヤシ先生って何者よ?」


 アキナ:『情けないわね。それ位で慌てるなんて精神修行不足と先生を敬えないなんてどう言った教育受けているのよ。でも残念。答えは私が僅かに露出している電導コードを打ち抜いただけ、そろそろお終いにするわよ。』


 そう言っている間に先生が近づきショットガンのトリガーに指をかけてポンプ&ショットを数回行い、それと同時にオーディンのガードポイントが0になり試合終了のブザーが鳴り模擬戦は終了した。


『勝者!!コバヤシ先生 AKAFUJI』


 ミヤコ:『やれやれ私の出番はなかったか・・・・まぁ仕方ないか。』

 とKOTETUのスピーカーから聞こえてきた。


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