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赫蒼の殲滅者  作者: 怪奇怪獣魔爾鴉男
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第20話「再会する姉妹」

日曜日の夕方とか鬱や


A.


津神 水無から春野 水無になるチャンスが訪れた、緋美華の姉が現れたのだ。しかし赤髪ロングに青い瞳というカラーリングから顔やスタイルまで本当に緋美華と似ている。



「お姉さん、お話があります」



「言ってみろ」



「妹さんを私に下さい」



認めて貰えるかは分からないけど取り敢えず言えた、どんな答えが返って来るのだろう。


良い答えは期待してないけど、自分の妹を簡単に何処の馬の骨とも知らない女に渡したくは無いだろうし....頭を下げているから顔色を伺うことも出来ない。



「恋人の親に言う台詞だ、大体ドラマだと最終回辺りで言うやつ!」



やはり運命の再会が嬉しいのか、テンション高めで姉に抱き付いたまま緋美華はそう言った。



「ほう....貴様は我が妹を....ならば其の力、試させて貰うぞ」



「試すとは」



「我が妹を守る力が有るか否かをだ」



「それなら十分にっ....」



どうしたことか緋美華の姉が鞭を地面に叩きつけた途端に、息をする事が出来なくなった。苦しい....幽輪を窒息死させたのは緋美華の姉か....!



「この程度では未だやれぬ」



幾ら再生能力を持って居ても窒息させられてはどうにもならない....というか毒や窒息で死んでも蘇れるのだろうか?



「水無ちゃん!!」



「息が出来なっ....」



「お姉ちゃん辞めて!」



緋美華が姉に体当たりすると、出来なかった息が出来る様になった。窒息死せずに済んだ....飽くまで試すって言ってたから死ぬ前には辞めてくれただろうけど。



「ほう....良い具合に深く強い絆で結ばれている、丁度良い障害になりそうだ」



障害とは....ハッと気付くと緋美華の姉の此の眼差しが、今まで嫌と言うほど見てきた(緋美華)とは真反対の邪悪で澱んだ目になっていた。




第20話「再会する姉妹」



B.


「障害ってどういうことなの、お姉ちゃん」



「幽輪を初め貴様らが戦った蟲女もヴォルフトも我が配下であり、須田とは協力関係に過ぎぬ」



奴等ほどの強力な者を従えているなんて、コイツは一体何者なんだ....?



「え、悪い冗談は辞めてよ」



「ハッキリ言おう、お前らは我が敵なのだ」



冗談じゃないのは言われる間でもなく分かる、何故なら彼女の目は今まで戦って来た悪党どもと全く同じだからだ。



「だが簡単に消えて貰ってはつまらぬ。強くなって我の前に立ちはだかって貰わねば」



「なぜ。目的はなに、幽輪に須田を唆せた理由は!」



「気付いておったか、全ての目的はこの世界を手中に収めること」



矢鱈とスケールのでかい野望だ、確か昔やっていたゲームのラスボスも同じ様な台詞を吐いていたな。



「ひっく、そんなのってないよ。せっかく会えたのに!」



緋美華が夜の住宅街だと言うのに気にせず大声で泣いてる、実の姉に再会したかと思えば敵だったのだから仕方ない。



「涙は人を一層強くする、期待できるな。我が野望を止める為に部下どもを見事、倒してみせろ」



「緋美華を泣かせる奴は、例え姉と言えど....」



「死ぬぞ貴様」



「!」



錫杖を構えて一秒も掛からずに、私の胴体は鞭で締め付けられ、錫杖が粉々に破壊されてしまった。コイツ....速い、悔しいけど今の私が勝てる相手じゃない!



「一つ教えてやろう妹よ、我らが親を殺した者は近くに居る。見つけ出したなら殺すが良い、奴も能力者だ、法の手には負えん」



そう言い残して涙する妹を置いて彼女は消えた、全く最低な姉だ、これじゃ緋美華が余りにも可哀想すぎる。だけど近くに緋美華の両親を殺した犯人が居るなんて、本当なら不気味な事だ。



「緋美華....」



「ぐすっ、大丈夫だよ....取り敢えずひよりに連絡しよ」



「うん」



さっきまで泣いていたのにもう笑顔に切り替えた、やっぱり緋美華は強い。けど無理に笑っている様にも見えて心配になってくる。





C.


現在の時間は朝七時、昨日は風見ひよりに起こったありのままの事を話して緋美華とベッドイン....違う、添い寝した。


それで今は詳しい話をと風見ひよりを交えてファミレスで会話をしているのだ。 緋美華の隣に座れたので注文したパフェがなかなか来ないのも許せる、風見ひよりは不服そうだけど。



「まさか、あの紅鴉(くれあ)さんがね」



「信じられないよ、お姉ちゃん....」



アイツそんな名前だったのか、名前からして強そうじゃないか、赤い烏なんて返り血を浴びた鴉を連想させる。



「でも金城さんが生きててくれたから、良かったよ」



「アイツしぶとすぎ」



金城はメイドの椋椅と同じ病院、同じ病室に入院、全身に火傷を負ったものの命に別状は無いとのこと。風見宅や電柱を一撃で爆破してしまう技を受けてよく死なずに済んだな。



「昨日は病院で寝ちゃったんでしょ、今日から私ん家で暫く過ごしなよ」



「あんがと、お言葉に甘えさせて貰うわ」



むぅ、緋美華と私の二人屋根の下の生活が....家を修復するまでには結構な時間が掛かるし、また二人暮らしになるには遠い。



「でも大丈夫?」



「何がよ?」



「だって漫画とかゲームとか想い出と一緒にお家が無くなっちゃって」



「確かにちょっと辛いけど、別にそこまで落ち込んでないわよ」



と言った後にアンタの側にいられるからと呟いたのを、緋美華には聞こえなかったみたいだけど私は聴き逃さなかった。



「悩みは親にどう説明するかよね、てかあの人達もアンタん家で過ごさせて貰えないかしら?」



「勿論だよ!賑やかな方が良いし!」



あーあ、余計に二人きりには遠くなっちゃったな、私は賑やかなの嫌いなんだけど仕方ない、居候が我が儘は言えない。



「でもアンタの両親を殺した犯人が近くに居るなんて落ち着かないわ。まあ出来るだけ近くに居てあげるから、感謝なさい」



「うん感謝感激!」



寧ろ風見ひよりが緋美華に守られる方では無いのだろうか、と思うけど敢えて言わない。


てか私が頼んだパフェも二人が頼んだハンバーグとか唐揚げ定食も未だ来ない、余りに遅過ぎる。注文してから一時間は経っていると言うのに。



「遅い」



「話に集中して気付かなかったけど一時間は経ってるわね」



「他のお客さん誰も居ないし帰っちゃったのかな」



まあこんなに待たされれば怒って帰るのも不思議じゃないけど、呼び出しボタン連打してみよう。



「....」



「....」



「....来ない」



こうなれば、厨房へ様子を見に行ってみるか、このまま来なければパフェを緋美華にあーんして貰う計画が台無しになる。



「一緒に見に行こう」



「うん」



「私も行くわよ!」



こうして三人で厨房に行ってみると、待ち受けていたのは残酷極まりない光景だった....フライパンとかまな板の上にコックや店員、客の首が置かれ鍋の中で彼らの体が煮込まれて居たのだ!



「きゃっ、な、なによグロけりゃ良いってもんじゃないわよ!」



「どんなキレ方なのそれ」



「兎に角また敵が現れたってことだね」



「その通り、紅鴉様のご命令で君たちを調理しに来ました」



「うわ....でっか!」



厨房の奥から、のっしのっしと脂肪の塊とも言える調理人姿の巨漢が現れた。私たちの三倍の脂肪と身長は有る....!



「デブなんてレベルじゃないわよ!?」



「失礼なレディだ、これから貴方達もこの脂肪の一部になると言うのに」



「嫌だよそんなのっ....!?」



緋美華の拳も厚い脂肪には通用せず、逆に包丁で背中を刺されてしまった。念のため此処に訪れる前にキスしておいて良かった。



「再生しようと食われてしまえば再生する度に胃酸で溶けるだけ、余り能力に過信しないことですな」



「うえええ想像するだけで怖いよ」



「大丈夫、倒せば良いだけ」



「うん焼き豚にしちゃおう!」



「豚呼ばわりは許せませんなあ、死ねや!」



「うわあ!」



巨体を活かして、のし掛かり攻撃を仕掛けて来た巨漢に対し錫杖を突き刺すも脂肪の中に飲み込まれ跳ね返されてしまった!



「コイツただのデブじゃないわよ!」



「さあどうしますかね!?」



「うっ」



巨大な掌で叩かれた緋美華はその場に倒れて、白目を剥いてしまった。なんてパワーなのだろうか....!



「緋美華!」



「さあ焼き肉にしてやろうじゃねえか、今度はテメエが焼かれる番ですぞ」



「させないっ!」



巨漢は口から火を吐き、倒れた緋美華に吹き付けようとしたが、私は水流を放ってその火を消火した。



「やりますねえ」



「うぅ、あいたたた。よくもやったね!」



「いでぇ!」



緋美華は立ち上がると巨漢に対して足払いし、転倒させると巨大なお腹の上に飛び乗り焔の拳を放った!



「あちいあ、あちいいいいい!」



「ふう....一丁上がり!」



こうして巨大な豚の丸焼きが出来上がった、流石に食べたくはないけれどね。



「これからも、どんな敵がどんな場所で現れるか分からないし気を付けなきゃね」



「それにコイツも」



「うん....お姉ちゃんの命令って言ってたね」



つまりは緋美華の姉を....春野 紅鴉を倒さない限り安息は訪れる事は無いと言うこと。だけど彼女はかなり強い、もっと、今よりもっと強くならなくては。



「一応、警察呼んでおくわね。でもどう説明すれば良いかな」



「入店したらこうなってた、と言えば良いかと」



「じゃあそう連絡するわ」



風見ひよりが警察に連絡してる間に、私と緋美華は色々な事を考えてお互いの顔を見た。



「水無ちゃん、これは私とお姉ちゃんの問題だから無理に」



「嫌だ、絶対に一緒に戦う。ずっとついてく!」



「ありがとう水無ちゃん」



そう言って緋美華は微笑んで頭を撫でてくれた。相変わらず温かい手だけど、心が泣いているのが伝わって来て、私は彼女の心の涙を拭いてあげらる存在になりたいと思うのだった。




つづく


なろう小説って全何話が丁度いいくらいなんでしょうね?

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