表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赫蒼の殲滅者  作者: 怪奇怪獣魔爾鴉男
21/39

第21話「ライバルはラブリーガール」

やる気が今回は起きなかった


A.


お嬢様が私と同じ病室へ運ばれて来たときは驚いた、全身に火傷を負ったらしく包帯を巻いていた為に一瞬、誰か分からなかった。


この椋椅が万全であったならば金城お嬢様をこんな目には遭わせなかったのに、自分の無力さが嫌になる。



「お嬢様、申し訳ありません。お力になれず」



「気にしないで下さいまし、ワタクシが不覚を取っただけのことですわ」



「お嬢様....」



だけど敬愛するお嬢様と同じ部屋に居られる気分は悪くない、包帯で顔が隠されて無ければもっと良かった。しかし御家族を亡くされた上に全身火傷、余りにお可哀想でならない。



「それにワタクシも、風見さんの力になれないから悔しさは分かります」



「やはり御嬢様は風見ひよりを諦められないのですか」



「無理ですわ、風見さん以外に、以上に愛せる方は居ないと女の勘が言ってますもの....」



「何故そこまで、そろそろ教えて頂けませんか?」



「幻滅しますわよ、ワタクシのこと」



今まで同じ質問をしても、あなたが知る必要は有りませんわって一蹴されて来たけど今度こそ教えて頂ける!



「しません。約束します」



例え御嬢様が昔どんな悪人であったとしても、今は私を拾って下さった恩人であり愛する人で有ることには変わらないのだから。




第21話「ライバルはラブリーガール」



B.


私は眠りに就く前にお嬢様が話して下さった内容、風見ひよりに想いを寄せる理由についてを思い出していた。


お嬢様は昔、高飛車な性格が災いし周りは敵ばかりになりイジメられたりしたらしく....そんな時に風見ひよりただ一人が庇い、陰口ではなく真っ向からぶつかってくれたと、嬉し気に話されるお嬢様を見て微笑ましかった。


風見ひよりの辛くも優しい性格にお嬢様は惹かれたのですね、結構ハードなオタクとストーキングの末に知っても二次元相手なら勝ったも同然と高笑いしてしまうほどに!



「私では風見ひよりに勝てないですね、お嬢様」



そんな考え事や隣でお嬢様が寝ていて落ち着かないという理由で眠りに就けない。更には尿意まで襲ってきた、トイレに行かねば!



「寒いし暗いし、夜の病院は気味が悪い。お嬢様は一人じゃトイレに行けませんね....くすくす」



私も流石に夜、霊安室に近付くのは怖いけどトイレくらいなら平気。十分に気味が悪いけど....霊的なものより寧ろ他の患者に驚いてしまう、年寄りだと尚更に。



「うわっ、何だよこれ!」



トイレの目の前まで来て、つい素の口調が出てしまうほど私を驚かせたのは、頭部を切り開かれ脳味噌の無い看護士や患者の死体だった。



「まさか敵襲....!」



「その通りだぁ勘の良い小娘だなぁ」



低く耳を塞ぎたくなる様な汚い声が聞こえた刹那、死体達に集っていた蝿の中の、特に大きな個体が小太りの男性姿へと変貌した。



「オラは能喰の蟲翅・ベルブ、貴様らは我が食糧となれ」



汚い声とは裏腹にしかし本当に敵襲だなんて....まだ完全には治りきってないのに....とにかく逃げなくては、食い殺されるだなんて御免だ!



「あ....れ、なんか体がだるい」



お嬢様に知らせて逃げなくてはいけないのに、急に体から力が抜けて血塗れの廊下に私は倒れた。もう何か考えるのも面倒くさいし、息をするのも面倒くせぇ。



「良くやったぁ、帝堕の久眠・ヴェルフェぇ」



「私は女が嫌いなんだ、女を殺せるなら幾らでも手を貸そう」



女が嫌いな女って良くいるな、まあ仕方ない。私は女である御嬢様を愛してるけど....愛してるのに助けに行くのが面倒だなんて最低だな私は。



「しかし貴様の能力は恐ろしいなぁ、生死に関わる状態の相手だろうと無気力にしてしまうのだからなぁ」



「フッ、能力者の能力を喰らう貴様の前では我が能力も無力ではないか。さあ早く貪り食らうが良いわ」



「おーっと、させないよ」



「なにっ?」



誰だろうか、でもどうでも良くねそんなの、とりま助かったぽいし寝よう....お休みなさい皆様方。



「死にたくなきゃあ。逃げた方がいいよ?」



「フッ、逃げればどのみち紅鴉様に殺されるわ!貴様が死ね!」



そんな会話が今夜、眠りに就く前に聞いた会話....あーあ、夢を見るのも面倒臭いなあ。




C.


能力者による被害で腰が重くなったのか、ひよりが呼んでから一時間してやっと警察が来た。で、いま話を終えて帰るところだよ!



「警察と話すの疲れるわね、疑いの眼差しで見てくんなっての」



「お疲れ様だよ〜」



「この後ってどうすんの?」



起こった事はひよりに話したし、後はどうしよう。お姉ちゃんの部下を倒せば良いのかな、でも敵は向こうの方から来るし。



「今のままでは紅鴉を倒せない。特訓しなきゃ」



「特訓か....良いわね」



「よーし、じゃあランニングと腕立て伏せと腹筋とタイヤパンチをそれぞれ百回ずつ!」



「反対」



うっ、私の考えたトレーニングメニューが即効で却下されちゃったよぉ。だよね水無ちゃんはまだ子供なんだから私に合わせた内容じゃあ駄目だよね!



「ごめんハード過ぎたよね、じゃあ....」



「私が特訓相手になったげるよ」



声に振り替えると、其処に居たのは雪の様な銀髪と緑の瞳を持った浴衣姿の可愛い女の子。手には格好とは不釣り合いなサーベルを持っている!



「また新キャラ?」



「キャラって言わないでよオタク脳!」



「あ、なんですって?」



「えっと....あなたは?」



「私は秋影 月夜(あきかげ つくよ)....貴方を殺すのが目的の美少女!」



月夜と名乗った女の子は私を指差してそう言った、きっと彼女もお姉ちゃんの命令で私を殺しに来た刺客なんだ!



「緋美華を殺すですって?」



「させないし、不可能」



「それが出来ちゃうんですよ、何故かはお楽しみ」



楽しみじゃないよ、真逆に嫌な事が起こる予感がするんだけど....!!




つづく


明日が憂鬱っすわ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ