モグラ工務店
「じゃあ早速掘りまくるぜ!!」
「おおー!!」
という掛け声とともに作業に取り掛かったモグラ工務店の面々。その作業風景を見ながら、クロノスと黎二は話をしていた。
「で、この広い穴で何をするんだ?」
「ん? 放牧。」
「ザックリしてんなあ……」
「だってこのダンジョンには、ボス部屋も必要ないし、玉座の間もいらないだろ? 三種類のモンスターの生態が見られて、しかもテイムが使えればペットとして持ち帰れる。非常に無害なダンジョンだ。」
「まあ、そうなんだけどよ……お前はどうすんだよ。」
「俺か? 俺はこのダンジョンのガイド役をするよ。」
「ガイド役ぅ?? マスターがか!!?」
「ああ。このダンジョンのすべてを知っているのは俺だ。俺が案内役をしないで誰がやるんだ。」
「いやでもお前、どういう大義名分で……」
「さしずめ俺は、ダンジョンマスターから案内役を頼まれた一般旅人Aって感じだな。」
「頼まれたって……ダンジョンマスターは人類の敵なんだぞ? それに協力するお前って、人類にとって悪者になるんじゃないか? で、お前を捕らえるために討伐隊とか結成されてよ……」
「でも俺をどうやって捕まえるんだ? テイムでもするのか?」
「テイムは人間とか人型モンスターには効かねえよ……無いな、お前を捕らえる方法。」
「だから俺は、このダンジョンにいる限りは無敵なんだって。」
「ぐう……いつかお前を害する方法を考えてやる!」
「なんでお前がそっち側になるんだよ。ほら、モンスターたくさん出すからどいて。」
俺はリストの中から、
・クリーンスライム 200体(200DP)
・キャリーゴーレム 50体(250DP)
・セラピーバット 100匹(500DP)
を召喚した。
さすがに大量召喚になるので、魔法陣もかなり大きい。
地下一階も、モグラ工務店に依頼した地下二階と同じ一万平方メートルの広さなので空間には余裕がある。だが、さすがに三百五十匹ものモンスターが増えると、かなりの密集感だ。
これは地下二階の完成が待ち遠しいな。
作業の様子を見に行くと、入り口から階段状に掘り進められており、すでに地下二階へ降りられるようになっていた。
そのまま中へ入ってみると、モグラたちがせっせと土を掘っている。地盤沈下や崩落が起きないよう、主要な場所には柱を残して掘られており、その柱も魔法のようなものでさらに強固に補強されているようだった。
進捗率としては三〇%といったところだろうか。
進みがとても速い。さすが職人集団といったところだ。黙々と作業を続け、その手際の良さには目を見張るものがある。
このままいけば、今日中に作業が終わるな。
ちょっと差し入れでも買ってくるか。
それと、移動に便利な道具も欲しいし。
俺は再びホーン町へ向かうことにした。




