表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界落胤セラ ~ポセイドンに捨てられた俺は、救うたびに誰かを溺れさせる~  作者: マーたん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

69/111

第五十話:

―六居館、開門―


白都崩壊。


空の裂け目。


消えていく世界。


そして、姿を消した クロガミ 。


物語はついに、“外側”へ踏み込もうとしていた。


長き時代の裏側で隠されてきた存在――


六居館


管理者へ対抗するために生まれた、六つの観測領域。


そして、その頂点に立つ者たち。


“当主”。


彼らは敵か。


味方か。


それとも――


世界そのものを見届ける、最後の観測者なのか。


眠る セラ をよそに、

白都では新たな扉が開き始める。


物語は今。


神域へ至る。



登場人物


―第五十章:六居館の主―


お館様


六居館を束ねる最古の観測者。

神の滝居館を治める存在であり、クロガミすら一目置く。

“外側”を知る者の一人。



クロガミ


物語の観測者。

お館様とは古くからの因縁を持つ。

管理者による“外側消去”の影響を受け、存在が崩れ始める。



セラ


片翼を失い、現在は昏睡状態。

だがその存在は、六居館すべてへ影響を与え始めている。



鳥羽姫


白都を支える姫君。

六居館と観測者たちの存在へ驚きを隠せない。



焔牙


セラの右腕。

突如現れた六居館に警戒を強める。



夜叉姫


黒翼の黒居館を治める女当主。

クロガミと酷似した力を持ち、“影”と“観測”を操る。



管理者


世界を修正する絶対存在。

六居館の覚醒を“異常”として認識し始める。



六居館


神の滝居館かみのたきやかた


六居館の中心。

お館様が治める最古の神域。


炎哭の火居館えんこくのひやかた


炎と怒りを司る灼熱の居館。


海冥の海居館かいめいのうみやかた


深海に沈む記憶と死の居館。


月天の月居館げってんのつきやかた


幻術と未来視を司る月夜の居館。


雷禍の雷居館らいかのかみなりやかた


雷鳴轟く天空の戦闘居館。


黒翼の黒居館こくよくのくろやかた


影と観測を司る、最も異質な居館。

第五十章:六居館の主


―お館様登場― 


―お館様登場―


白都の空は、完全に裂けていた。


黒い雲。


崩れる月。


そして空の向こう側から覗く、“管理者”の目。


世界は限界だった。



その中心。


巨大な滝の前。


神域――


神の滝居館かみのたきやかた


そこへ集まる白都の民。


兵士。


傷ついた戦士たち。


誰もが、その存在感に圧倒されていた。



滝の前に立つ老人。


白い羽織。


杖。


静かな目。


お館様


その姿を見た瞬間。


空気そのものが変わる。


兵士たちが自然に膝をつく。


魂が理解してしまう。


“格”が違う。



鳥羽姫 が静かに問う。


「……貴方は」


お館様は白都を見渡した。


「ただの残り者よ」


「時代に置いていかれた老人だ」


その言葉とは裏腹に。


周囲の空間は震えていた。



そこへ。


黒コート姿の クロガミ が歩み出る。


いつもの笑み。


だが目だけは笑っていない。


「相変わらず渋い登場やな」


お館様はクロガミを見る。


「お前は変わらんな」


「しぶといだけが取り柄や」


短い沈黙。



焔牙が眉をひそめる。


焔牙


「……知り合いか」


クロガミは肩をすくめた。


「腐れ縁や」


お館様が静かに口を開く。


「かつて共に“外側”を見た者だ」


空気が止まる。


鳥羽姫が目を見開く。


「外側……?」



クロガミが帽子を深く被る。


「説明めんどいなぁ」


お館様は滝へ杖を向けた。


その瞬間。


轟音。


滝が左右へ割れる。


その奥に現れる六つの巨大な門。


兵士たちが息を呑む。



門には、それぞれ異なる紋章。


炎。


海。


雷。


月。


骸。


黒翼。


お館様は静かに言った。


「この世界には六つのやかたが存在する」


「六やかた――」


空気が震える。



第一。


神の滝居館かみのたきやかた


第二。


炎哭の火居館えんこくのひやかた


第三。


海冥の海居館かいめいのうみやかた


第四。


月天の月居館げってんのつきやかた


第五。


雷禍の雷居館らいかのかみなりやかた


第六。


黒翼の黒居館こくよくのくろやかた



兵士たちは言葉を失う。


「こんなものが……」


「今まで隠されていたのか……!」


お館様は頷く。


「管理者から世界を守るため」


「観測者たちは、やかたを作った」



その瞬間。


セラのいない場で。


クロガミの顔色が変わる。


珍しく。


本当に珍しく。


焦っていた。


「……おい」


「まさか全部出す気ちゃうやろな」


お館様は静かに答える。


「もう隠している時間は終わった」



すると。


六つの門の一つ。


黒翼の黒居館


その門が開く。


闇が漏れ出す。


そして。


その奥から、誰かの足音。


コツ……


コツ……


現れたのは。


黒装束の女。


顔の半分を仮面で隠している。


兵士たちがざわめく。


「誰だ……」


お館様は静かに告げた。


「六やかたの当主の一人」


「黒翼の黒居館当主――」


夜叉姫


彼女はクロガミを見る。


そして。


小さく笑った。


「久しぶりね」


「……クロガミ」


空気が凍る。



鳥羽姫が息を呑む。


焔牙も剣へ手をかける。


夜叉姫の背後。


黒い翼が広がっていた。


その気配は、クロガミと酷似している。


兵士の一人が震えながら言う。


「まさか……」


「クロガミの……使徒……?」


静寂。


夜叉姫は答えない。


代わりに。


クロガミが、珍しく苦い顔で笑った。


「……ちゃう」


「けど、近い」



その時だった。


空の裂け目から巨大な圧力。


管理者 の声。


「――観測者群を確認」


六つの門が震える。


世界が軋む。


お館様は静かに杖を握った。


「始まるぞ」


クロガミが空を見る。


そして。


小さく呟く。


「……あかんな」


次の瞬間。


クロガミの身体が、ノイズのように崩れ始めた。


セラ不在の中。


鳥羽姫が目を見開く。


「クロガミ!?」


クロガミは笑う。


いつものように。


「ちょっと電波悪なったわ」


「ふざけるな!」


だが。


クロガミの身体は、どんどん透けていく。



夜叉姫が低く呟いた。


「……始まったのね」


お館様も目を閉じる。


「管理者が、“外側”を消し始めた」


空気が凍る。



クロガミは最後に空を見上げた。


「……セラ」


「後は頼むで」


その瞬間。


黒い粒子となって。


クロガミは、消えた。

六居館


―観測者たちの隠された領域―


第一


神の滝居館かみのたきやかた


巨大な滝の奥に存在する最古のやかた。

お館様 が治める中心的存在であり、“観測者”たちの原点とも呼ばれる。



第二


炎哭の火居館えんこくのひやかた


灼熱の火山地帯に存在する炎のやかた。

怒りと闘志を司る場所であり、歴代当主は炎系統の力を継承している。



第三


海冥の海居館かいめいのうみやかた


深海の底へ沈む蒼きやかた。

海と死、記憶を司る領域で、古き神々の秘密が眠っている。



第四


月天の月居館げってんのつきやかた


常に満月が浮かぶ夜のやかた。

幻術・精神・夢を司る場所であり、“未来視”や“記憶干渉”に長けた一族が治めている。


静寂と神秘に包まれたやかたで、

六やかたの中でも特に“外側”との繋がりが深いとされる。



第五


雷禍の雷居館らいかのかみなりやかた


永遠に雷鳴が響く天空のやかた。

破壊と裁きを象徴し、歴代当主は雷を纏って戦う。


六やかたの中でも武闘派が多い。



第六


黒翼の黒居館こくよくのくろやかた


闇の裂け目に存在する黒翼のやかた。

夜叉姫 が治める。


クロガミ に最も近い力を持つとされ、

“影”と“観測”を扱う異質な領域。

管理者側からも危険視されている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ