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異世界落胤セラ ~ポセイドンに捨てられた俺は、救うたびに誰かを溺れさせる~  作者: マーたん


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第三十九話:

登場人物


セラ(三神凌牙)


本作の主人公。前世は現代日本で理不尽な人生を生きた三神凌牙。海神を討つ切り札として異世界へ転生させられたが、今は誰かの道具ではなく、自らの意思で戦う男。母リナの存在と出生の真実を知り、深海神殿へ向かう決意を固めた。


アムピトリーテー(リナ)


海の女神であり、ポセイドンの妃。海神の支配を憎み、ゼウスと共に異界の魂・三神凌牙をこの世界へ招いた張本人。セラに“セラ”の名と肉体を与えた母。現在は深海神殿に囚われている。


ポセイドン


海を支配する神王。かつて倒されたと思われていたが、それは器に過ぎず、本体は深海で生存していた。セラを自らの器として扱い、今なお執着している。深海神殿ネプトラから世界へ再び牙を剥く。


アルテミス(花下翼)


月と狩猟を司る女神。人の器・花下翼として地上に降りていた過去を持つ。定められた死を前に、自ら命を宿し子を産んだ。冷静沈着だが、内には強い意志と母性を秘める。


トリートーン


アルテミスが人の器で産んだ、神性と人性を併せ持つ存在。ポセイドンすら驚かせた才能を持つ。海神の血脈に連なる重要人物であり、神々の秩序を揺るがす存在。


ゼウス


神々の頂点に立つ天空神。秩序維持の名のもとに動くが、その裏でポセイドン打倒のためリナと手を組み、異界から三神凌牙を呼び寄せた。全てを見通しているようでいて、真意はなお不明。


鳥羽姫


黒翼の国を率いる姫君。誇り高く聡明で、セラを誰より信じている存在。セラが自らを道具と思い悩む中、その存在価値を真っ直ぐに肯定した。


焔牙


冥王ハデスの血を引く少年。セラを父のように慕い、今は右腕として共に戦う。重い話でも空気を変える明るさを持ち、仲間の支えとなる。


イネ


仲間たちにとって大切な少女。現在は深海神殿ネプトラに囚われており、救出作戦の中心人物となる。セラたちの行動理由そのものでもある。


アテーナー


戦略と知恵を司る女神。神々の事情にも精通し、今回セラの転生の真相を明かした。現実主義者でありながら、仲間としてセラを認めている。


クロガミ


歴史と未来を歪める黒幕。だが真の目的は支配ではなく、神々が作った運命そのものの破壊。英雄も悪神も等しく壊そうとする危険思想の持ち主。最後に高らかに笑い、戦乱の幕を開いた。


深海神殿ネプトラ


海が割れて現れた黄金の神殿。ポセイドン本体の居城であり、イネとリナが囚われている。次なる決戦の舞台。



人物関係


セラ(三神凌牙) × アムピトリーテー(リナ)


創られた親子関係ではあるが、確かな絆を持つ母子。再会が待たれる。


セラ(三神凌牙) × ポセイドン


器として利用された者と支配者。最大の宿敵関係。


アルテミス(花下翼) × トリートーン


神と人の境界を越えて生まれた母子。


セラ(三神凌牙) × 鳥羽姫


互いを支え合う信頼と想いの関係。


世界の全勢力 × クロガミ


運命そのものを壊そうとする者との全面対立。



この章の位置づけ


セラの転生理由、母リナの存在、ポセイドン本体生存という

物語の核心が一気に明かされた真相編。


同時に、クロガミの目的が“世界支配ではなく物語の破壊”と判明し、

戦いは国家同士の争いから、神々と運命そのものへの反逆へ変わった重要章。

第三十九章:深海の王


黒翼の国奪還から三日。


傷ついた民の治療と城の修復が進む中、

セラ(三神凌牙) は一人、山の崖から海を見ていた。


遥か彼方。


水平線の向こうに、黒い渦が見える。


海そのものが、何かを待つように蠢いていた。



背後から足音がする。


アルテミス(花下翼) だった。


「やはり来ていたか」


「……眠れん」


「珍しいな。お前にも人並みの感情があるらしい」


「殴るぞ」


アルテミスは笑わなかった。


今日はその目に、いつもの余裕がなかった。



「セラ」


「これから話すのは、神々の恥だ」


風が止む。


彼女は海を見つめたまま語り始めた。



かつて、神々の時代。


海神 ポセイドン は、月の女神アルテミスへ告げた。


『お前はいずれ消える』


『人の器――花下翼、二十六歳で命を終える』


それは神託だった。


花下翼という人間の身体を借り、地上に降りていたアルテミスは、

二十六歳でその器を失い、神界へ戻る定めだった。


「……だが」


アルテミスは静かに拳を握る。


「私は、その身体に命を宿した」


セラが目を見開く。


「命……?」


「そうだ」


「人として、生きた証を残したかった」


「神である前に、一人の女としてな」



ポセイドンは激怒した。


神が人の器で子を成すなど、禁忌だったからだ。


だが同時に、彼は驚愕した。


その子は神性と人性を併せ持ち、海すら従わせる資質を持っていた。


その名は――


トリートーン


「……あいつが」


「そうだ」


「私の子だ」


セラはしばらく黙った。


「情報量が多い」


「私もそう思う」



その時、空から黒羽が舞う。


鳥羽姫 と 焔牙 が現れた。


「会議中か?」


「いや、親子暴露大会だ」


「何ですそれは」


鳥羽姫は理解を諦めた。



そこへさらに、アテーナーが現れる。


「今度はセラの話だ」


セラが嫌な顔をする。


「やめろ」


「無理だ」


アテーナーは言い切った。



アムピトリーテー(リナ)


海の女神にして、ポセイドンの妃。


だが彼女は、ポセイドンの支配と狂気を憎んでいた。


そこで神界の秩序を嫌う ゼウス と密かに手を結ぶ。


計画は一つ。


異界の魂を招き、海神を討つ刃とすること。


その魂に選ばれたのが――


三神凌牙。


「……俺か」


「そうだ」


アテーナーは頷く。


「リナはお前に“セラ”という名と肉体を与え、この世界へ転生させた」


「海神を倒すための切り札として」



セラは拳を握った。


「また俺は道具か」


その時、鳥羽姫が前へ出る。


「違います」


静かな声だった。


「誰が何のために呼ぼうと、今ここにいるセラ殿はあなた自身です」


「私たちが知るのは、誰かの道具ではなく、国を救った男です」


焔牙も腕を組む。


「そうだぞ父さん」


「右腕的にも今さら返品不可だ」


「誰が父さんだ」



その時。


海が割れた。


巨大な渦潮の中心から、黄金の神殿が浮上する。


深海神殿ネプトラ。


その玉座に座す者。


ポセイドン 本体。


完全なる姿。


三叉槍を携え、世界を見下ろしていた。


「久しいな、セラ」


「我が器よ」


セラは剣を抜いた。


「二度とその名で呼ぶな」



神殿の檻の中には、一人の少女。


イネ


「セラさま……!」


鳥羽姫が叫ぶ。


「イネ!」


ポセイドンは微笑む。


「返してほしければ来い」


「母もいるぞ」


神殿奥に、鎖へ繋がれたリナの姿が見えた。


セラの目から感情が消える。


「……行くぞ」



連合軍が出陣しようとした、その時。


白都の門の方角から、不気味な笑い声が響いた。


空に映る黒い影。


クロガミ


「ようやく揃った」


「海神、月神、天空神の企み」


「そして、異界の剣」


その笑みは深い。


「私の目的は世界征服ではない」


「神々の作った物語を、終わらせることだ」


全員が息を呑む。


クロガミは両手を広げた。


「英雄も悪神も、運命も血筋も、全て壊してやる」


「さあ――幕を開けよう」


そして、空いっぱいに木霊するように――


クロガミは笑う。

―クロガミ、自己紹介―


真っ暗な空間。


どこからともなく、拍手の音が響く。


パチ、パチ、パチ。


そこへ、ぬるりと黒い影が現れた。


クロガミ である。


「どーもどーも」


「毎度おなじみ、出たらろくなこと起きへん男、クロガミですわ」


深々と頭を下げる。


「いやぁ、ここまで読んでくれてありがとさん」


「せやけど皆、わしのこと誤解しとるやろ?」


指を一本立てる。


「まず言うとくで?」


「わし、ただの悪役ちゃうねん」


「悪役いうんはな、倒されるためにおる存在や」


「そない安いもんちゃう」


胸を張る。


「わしはな――」


「話そのものを引っくり返す男や」



どこかで雷が鳴る。


クロガミは満足そうに頷いた。


「ええ音や」


「こういう演出、大事やからな」



「そもそもやで?」


「神様が勝手に筋書き作って、英雄決めて、悪者決めて」


「ほな人間は何や?」


「舞台装置か?」


「拍手係か?」


「エキストラか?」


首を横に振る。


「ちゃうやろ」


「せやから、わしが全部壊したるんや」



急に真顔になる。


「あとやな」


「セラ、あいつ真面目すぎる」


「もっとサボれ」


「鳥羽姫さんは怖い」


「笑顔で圧かけてくるタイプや」


「焔牙はうるさい」


「マサユキは……まあ、あれはあれでええか」



少し間を置いて、にやりと笑う。


「せやけどな」


「一番厄介なんは読んどるあんたらや」


「次どうなるんやろ、って期待して」


「誰が死ぬんやろ、ってワクワクして」


「恋愛進むんか、ってニヤニヤしてる」


指をさす。


「……好きやで、そういうん」



黒い衣が揺れる。


「ほな、改めまして」


「運命破壊業、世界撹乱業、たまに司会進行」


「クロガミ 言います」


「以後、お見知り置きを」


一礼。


顔を上げた瞬間、目だけが光った。


「次の章も――」


「めちゃくちゃにしたるさかい、楽しみにしとき」


そう言って、クロガミは関西弁の笑い声と共に闇へ消えた。


「ハーッハッハッハッ! ほなまた!」

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