↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界落胤セラ ~ポセイドンに捨てられた俺は、救うたびに誰かを溺れさせる~  作者: マーたん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/111

第二十五話:

ギルド登録を終え、ようやく真面目な冒険者生活が始まる――。


そう思っていたマサユキだったが、

現実はそう甘くなかった。


神性魔獣討伐という重大任務。

本編主人公セラとの初共闘。

そして新たな厄介者の登場。


しかもその厄介者は、

あの苦労人ダーマネッギの血を引く者だった。

第二十五章:神性魔獣と元教祖


王都北方・古代遺跡地帯。


巨大な石柱が並び、空気は異様に重い。


地面には無数の爪痕。

兵士たちは近づくこともできず、遠巻きに包囲していた。


その中心で、静かに剣を構える男。


セラ。


彼の視線の先には、巨大な獣がいた。


全身を白銀の毛に覆われ、額には青い角。

背には翼のような骨が突き出し、口から神々しい霧を吐く。


神性魔獣グランヴェイル。


ギルドでも最上級危険指定の怪物だった。


⸻


「……でかいな」


マサユキが言った。


その隣でミレナは冷静に観察する。


「身体能力は高い。再生力もあるわね」


「勝てる?」


「私はね」


「俺は?」


「無理」


⸻


セラは振り返らず言った。


「新人は下がってろ」


マサユキは胸を張る。


「元教祖だぞ」


「なおさら下がれ」


⸻


その時だった。


後方から土煙が上がる。


「待てぇぇぇぇぇ!!」


若い声と共に、一人の青年が馬車を飛び降りて駆けてきた。


金と黒の羽。

長身。

目つきだけ妙に真面目。


「やっと追いついた!」


青年はミレナの前で膝をつく。


「あなたに会うため、帝国から来ました!」


マサユキが感動する。


「ついに来たか……俺に憧れる若者が」


ミレナとセラが同時に顔をしかめた。


⸻


青年は名乗った。


ダーラキッギ。


ダーマネッギの息子である。


マサユキは胸を叩く。


「そうか! 父から俺の武勇伝を聞いたんだな!」


「いえ」


「教団時代の伝説を――」


「違います」


「なら何で」


ダーラキッギは真っ直ぐミレナを見る。


「あなたの知略、戦闘、統率、すべてに憧れています!」


沈黙。


マサユキだけ笑顔のまま固まった。


⸻


ミレナは額を押さえた。


「……面倒なのが増えた」


セラは呆れたように言う。


「親父に似て苦労しそうだな」


マサユキはまだ諦めていない。


「いや待て、これは照れ隠しだ」


「違う」


三人同時だった。


⸻


その瞬間、神性魔獣グランヴェイルが咆哮した。


轟音と共に遺跡が揺れる。


兵士たちが吹き飛び、石柱が砕ける。


セラが即座に前へ出る。


「話は後だ!」


ミレナが羽を広げる。


「ダーラキッギ、下がりなさい!」


「嫌です! あなたの戦いを近くで!」


「死ぬわよ!」


「本望です!」


マサユキが肩を抱く。


「若いなぁ。やっぱ俺に似てる」


「全然違う!」


⸻


グランヴェイルが突進する。


セラが斬撃で受け止め、地面が割れた。


ミレナは毒針を放ち、魔獣の動きを鈍らせる。


ダーラキッギは槍を構え、叫んだ。


「ミレナ様のために!」


マサユキも遅れて叫ぶ。


「俺のためにも頼む!」


誰も返事をしなかった。


⸻


激戦の中、セラは横目でマサユキを見る。


「お前、本当に戦えるのか」


マサユキは笑った。


「戦うのは苦手だ」


「だが、人を動かすのは得意だ」


彼が叫ぶ。


「セラ右! ミレナ上! 若者、気合だ!」


不思議と全員が動いた。


その連携の隙を突き、セラの剣が魔獣の角を断ち切る。


グランヴェイルは絶叫し、崩れ落ちた。


⸻


静寂。


ダーラキッギは目を輝かせていた。


「すごい……ミレナ様……!」


マサユキも胸を張る。


「見たか今の指揮」


「ええ」


ミレナが冷たく言う。


「たまたまね」


⸻


セラは剣を収めながら呟いた。


「……面倒な連中が増えた」


だがその口元は、わずかに笑っていた。

登場人物


セラ

本編主人公。神々との戦いを生き抜いてきた男。圧倒的な戦闘力と冷静さを持つ。多くを失いながらも前へ進み続ける存在。今回、神性魔獣討伐の中心戦力となる。


マサユキ

元・正規教バチス教祖。現在は冒険者。戦闘能力は高くないが、話術・発想力・人を動かす才能に優れる。今回も自信満々だが、ダーラキッギに憧れられていると勘違いする。


ミレナ

毒蜂族の元女王で、マサユキの相棒。毒術・回復術・統率力に優れた実力者。冷静で現実的な性格。ダーラキッギから強く尊敬されている。


ダーラキッギ

ダーマネッギの息子。若き槍騎士。真面目で熱血漢。父の話や噂からミレナに憧れ、彼女を追って王都まで来た。礼儀正しいが一直線すぎる一面もある。


ダーマネッギ

帝国騎士団長。ダーラキッギの父。寡黙で誠実な武人。今回は直接登場しないが、その名と血筋が大きな影響を与えている。


神性魔獣グランヴェイル

古代遺跡に現れた危険な怪物。白銀の巨体と高い再生力を持つ。討伐対象としてセラたちの前に立ちはだかる。


残り香の双針

マサユキとミレナが組む冒険者パーティー。現在ギルド所属。実質はミレナが戦力、マサユキが交渉担当。


人物関係


セラ × マサユキ

実力者とトラブルメーカー。呆れながらも能力は認め始めている。


セラ × ミレナ

互いに力量を理解する実力者同士。信頼はまだこれから。


マサユキ × ミレナ

相棒関係。ミレナが常にマサユキの暴走を止める。


ミレナ × ダーラキッギ

憧れの対象と追いかけてくる若者。ミレナは少し迷惑している。


マサユキ × ダーラキッギ

一方的に師弟関係だと思い込む男と、全くそう思っていない若者。






今回は、


* セラとマサユキの初共闘

* 神性魔獣グランヴェイル討伐

* ダーマネッギの息子ダーラキッギ登場

* ミレナへの憧れとマサユキの勘違い


を描きました。


ダーラキッギは父に似て真面目ですが、

少し熱すぎる性格です。


そしてマサユキは相変わらず自意識が強い。


次回、さらに賑やかになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。