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第2―6 夏休みの憂鬱 継がされる罪

読まなくてもいいですが、時間があるとき、気になるとき読んでくださると嬉しいです


罪とは何か

過去の過ちを償う者の称号か


罪とは何か

罰する者への目印か



『第2―6 夏休みの憂鬱 継がされる罪』


時刻は3時40分


奈々と修平は二時間ものの感動ラブストーリー『あの空の日に』を見た。


今映画館前には修平の姿だけである。

奈々は泣きすぎて、落ち着くまでトイレに籠っている。

修平は映画の内容は正直覚えてない。

たしか、昔人殺しをした罪を背負っていた青年は、罪を悔い孤独になろうといていたが、雨の日にふと外を歩くと、一人の女性と出会う…ダメだとは思っていても、その女性に惹かれてしまう青年。 交際してからだいぶたった時、青年は彼女に昔してしまった過ちを彼女に話す。「罪とは罰するためにあるんだよ…」罪に対してそういった考えを持つ青年…

「確かに、罪には罰がくだります。でも、罪って償うためにもあると思うんです…」

女性は語る。罰せられる事を恐れて嘘をつき無罪になったが、最後には神に真実を見抜かれ罰がくだる。


その日がくる事を恐れていた青年にとって、彼女の考えは、眩しかったのだ。

だからこそ、彼女に惹かれたのだと悟る青年。


しかし、時の流れは憎悪を熟成させてしまった。


殺された男の妻がついに二人を見つる。


復讐に燃え、自分と同じように大切な者を奪ってやる。と誓う男の妻。


雨の日…外を出歩く青年の目の前で、彼女に切りかかる男の妻。

女性を庇い、刺される青年。


男の妻は逃げ、女性は青年の名を叫ぶ。


「これでいい…」

そう言って動かなくなる青年…


青年と女性には冷たい雨がただ降り注ぐ。

本当に暗い話である。

結局、何がいいのか解らない…

てゆうか、本当に憂鬱な気分である…


すると、修平は戻ってくる奈々の姿を発見する。

手を振り、合流。


奈々は機嫌が治ったようで、最初にあった荒々しさはもうない。


一緒に洋服専門店で服を楽しそうに似合ってるか聞いてくる無邪気な奈々の笑顔を見るだけで幸せな気持ちでいっぱいになった。


大通りを歩きながら、奈々の横顔を見ると何だか奈々もニコニコしていた。


そんな横顔を見て、本当に可愛いと思う修平。


もし、奈々と結婚したら、娘二人がいいな…奈々と顔がそっくりで…そんな二人にパパなんて呼ばれたら…


くぅぅぅ〜!


ヤバい。


そして奈々と共に二人の娘の健やかな寝顔を見て、もう一度二人の愛を確認しあう…


「アハハハハハ!完璧だ…一部の隙もない!!」


と言いながら、薬局の前にあるキャラクターの人形に頬をすり付ける。


ただの変態である。


「な、何やってんじゃあ! この変態やろ〜!」

思わず、修平のケツを蹴り上げる奈々。


なんだかんだでお似合いの二人であった…











そんな事をしていたら、あっという間に夜になってしまった。奈々の作戦では、歩道橋の中央で大通りの夜景を一緒に見ながら、告白する…


この街は市長が綺麗な夜景をバックにプロポーズし、OKをもらった事から、市長はこの街もそんな夜景の綺麗な街にする事に力を入れている。


ゆえに、この歩道橋から見る夜景はいつ見ても、本当に綺麗だったのだ。


しかし、今の奈々にその景色を楽しむ余裕はない。


修平がいろいろしゃべっているが、それを聞く余裕もない。


頭の中は告白する事ばかり考えている。


素直…素直…素直…


自分に言い聞かせる奈々。


買い物の時も告白する事ばかりで、時々その場面を想像してニヤニヤしてしまったのを、修平に見られた気がする。


実際見られているのだが、奈々にはそれを気にする余裕もない。

気がつくと、修平は一点を見てずっと黙っている。

修平の目線の先を辿ると、一ヵ所消えかかっている街灯がある。

この夜景に力を入れている街にとって、街灯が消えかかっている事自体異常であるが、修平が見てるのはそれではない…


街灯の下…チカチカと断続的に明かりに照らされる一人の女性…いかにも怨めしそうにこちらを見ている。


不気味だった…今日みた映画に出てくる男の妻も相当不気味だったが、この女性はそんなものを忘れさせるくらい不気味だった。


すると、修平はその女性の所に走っていってしまった。


「修平…?」


あまりの出来事に奈々は動けなかった…







時は奈々が歩道橋の中央で告白する覚悟を決めている頃に遡る。


さっきから、奈々の反応が少ない。


飽きたのだろうか…

そろそろ帰ろうかな…

と修平が思っていた時、修平の視界の端に妙なものが移った。


消えかかっている街灯。その下で断続的にライトを浴びて見え隠れする一人の女性…


不気味だったが、修平の頭の中に朝見た夢がフラッシュバックの如くよぎる。


あの女は俺の大切な人を連れていった女…


俺の幸せな時を奪っていった女…


今女は俺達を怨めしそうに見ている


これ以上…これ以上俺の大切なものを奪っていくってんなら、容赦はしない。


女の所に駆け寄る。


「てめえ…何のつもりだ!!

アイツだけは…アイツだけは連れていかせてたまるか!! アイツは…」


言葉は途中で圧倒的な光に包まれて、遮られてしまった。


修平は光に包まれて消えてしまった…











それから一時間奈々は修平を探していた。


何故あの女のところに修平が走っていったのか解らない。


何故女と共に消えてしまったのか解らない。


「修平…っ!」


なんでもいいから、修平の聞き慣れた声が聞きたかった。



どうしても、見つからなかったので寮に帰り、寮監の村田さんに事情を説明すると、それを聞いていた他の友達が慰めたり、修平の非難をしたりした。


どうやら、修平が自分をほっといて違う女の所に行ったのだと、勘違いしているようだった。


村田さんは少し考えて

「もしかしたら、修平君は戻ってこないかもしれない… 戻ってきたら知らせようか?」


はいっ!と答えようとしたが、周りの友達達に止められ、あんな男の心配する必要はない。最低よ! 修平のやつっなどと非難の声が拡がる。


いろいろ反論したが、結局信じてもらえず疲れているだろうから、今日は休みな…修平には私たちが明日しっかり制裁をして、奈々には近づけさせない…などと心配してはくれているが、奈々の話を信じる者はいなかった。


こうゆう時、修平は私を信じてくれていた事を思いだし、涙が込み上げてくる。


その涙の理由をまったく知らない友達は更に誤解を深め、真実から遠退いていく…


村田さんだけは、深く考え込んでいた。



修平が戻って来たのは、早朝の4時頃。


村田さんが訳を聞いたが、修平は何も言わなかった。


それがますます奈々の友達に疑惑の念を膨らませる。


奈々は修平から話を聞きたかったが、友達に止められた。


村田さんは今回の件については不問にする事にした。


修平から『ゴメン…』とメールが来たのは、朝の6時頃だった。


夏休み最後の日はなんとも憂鬱な気分で終わった…


めんどい事したと、後悔してます。


まだ本編にすら出てないキャラをここまで掘り下げるなんて…


やっと夏休みの憂鬱編が終わりました。


無駄な話が多かった気がします。


これからも、がんばるんでよろしくお願いします。

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