表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/2

馬鹿は俺の方だった……

下らない話なので、鼻で笑ってやってください。

「うぐっ」


 荒れ果てた荒野にて、激しい戦闘は激化し、その戦いは終盤を迎えていた。

 勇者アレクとその一行。

 対するは、魔王デモンとその影武者であるロン。

 魔王デモンと同じ姿をしたロンは、勇者アレク一行を撹乱していた。


「ふはははっ! どっちが本物か分かるまい!」

「愚かな者どもよ。砕け散れ」


 同じ声に同じ声量。

 見た目も瓜二つの2人。

 ロンは勝利を確信していた。


 ──勇者たちは我々の見分けがついていない。勝利は我らが魔王様のものだ!


 しかしながら、ロンの考えは間違いに終わる。


「はぁぁぁっ!」

「ぐっぐぁぁぁぁぁうっ‼︎」


 勇者アレクの剣が運悪く魔王デモンに突き刺さる。

 聖剣の効力によって、魔王デモンは大きなダメージを負った。

 更に追い討ちをかけるかのように勇者パーティの僧侶と魔法使いが魔王デモンに強力な攻撃魔法を撃ち込む。


 ──馬鹿め! そっちは本物だ!


「こ、この俺が…….負けるとは……」


 魔王は赤黒く発光し、その体を消滅させていく。


「やった……やったぞ! 魔王デモンを討ち取った!」

「流石アレク様ですわ!」

「我々人類の勝利だな!」


 ──あれ? 


 ロンは今更ながら気が付いた。

 魔王軍は魔王デモンが負けてしまったら、それで終わりだということに。

 ロンは魔王の影武者として生きてきたため、自分がやられてはいけないという意味不明な錯覚をしていたのだ。しかし、彼は本来、魔王デモンの代わりに討たれておかなからばならなかった。


「ま、魔王様〜!」


 時すでに遅し。

 魔王デモンを犠牲にして、影武者のロンは命拾いをしたのだった。


「……あ〜、これはやっちゃったわ」


 そんな軽いやらかしではない。しかし、ロンはこの敗北した状況下で、その一言を言うのが精一杯なのであった。


お読み下さり、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ