表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/54

Ver2.10

11月3日誤字修正しました

11月4日文章間違い訂正しました

×生産職20以上→○生産スキル20以上

報告感謝します


「・・・と、その前に・・・」


 やってきたのはポイントショップ『インティのお店』


「いらっしゃいまっせ~~~!」


 元気な店員の声が出迎えてくれる。


 店と言うからには、ガグに持ってく土産でもないかと思ったのと、ポイントと言うモノの価値がよくわからんから・・・ってのもある。


「ここにくるのは初めてなんだが・・・失礼だがここは何時もこんな風に人が居ないのか?」


 そういって見渡す限り、色んな棚や商品が並ぶそこそこ広い店内は、この店員と俺だけだ。


 ちなみに店員は明るい女の子の声なのだが・・・黒いローブにとんがり帽子を目深に被った・・・ 見るからに妖しい少女?だ。


「ちゃはははは~見も蓋も無い言い方のお客だね~ 一般的に開放されてるインスタンスルームのこの店は今も賑わってるよ~」


「一般的?」


 思わせぶりな物言いに疑問が湧く。


「そうそう、ここはIDP・・・ポイントを500以上所持してて尚且つギルドマスターご用達の・・・所謂VIPビップルームだよ」


 エヘンと胸を張るが全く偉そうには見えない。 座ってるのもあろうが・・・如何せん身長がミニマムのようだ。


「おっと、紹介が遅れたね。 ボクはこの店の店主を任されてるインティっていうものさ。 今後ともよろしく!」


 胡散臭いワリに律儀な性格をしている・・・


「ああ、よろしくな・・・ それはさておき・・・どんなモンがあるんだ? 何か土産になりそうな食い物とかはないか?」


『ズルッ!』


 オレのセリフに座っていた椅子からずり落ちるインティ


「椅子に座っててもコケルとは・・・案外器用なモノだな」


「あんたの場違いなリクエストに脱力しただけだよ!」


 カウンターに乗り上げてまくし立てるが・・・ローブが短くスカートみたいになってる。 中が見えそうになるので目線をこころなし上げる。


 見なかったことにしよう・・・ 今、指摘したら何か地雷踏みそうだし?


 しかし、下からなら帽子に隠れてた顔も見える・・・ ん~可愛いほうだろうな・・・萌え系って言うのか?


 後ろでゆれる2本に編んだのオサゲを見るに、髪の色は薄いブラウン。 幼さを残した顔立ちはひいき目に見ても13~14? 中学生くらい・・・お店のお手伝いかと思えてほほえましいな・・・と思ってるとなんか更に睨まれた?


「ん~なんだ・・・食い物は無いのか・・・思ったより品は少ないのか?」


「あるよ! メッサ食料あるけど、土産みたいなそこらで売ってるもんと、一緒にされちゃ~プレミアムショップの沽券に関わるというか・・・ぶっちゃけムカチュク~!」


「正直者過ぎる店員だな・・・あと噛んだな・・・」



「悪い!?」


「いや・・・」


 一人でテンション上げまくってるな・・・いや・・・多少おちょくってはいるが・・・


「本題に戻そう・・・まあ、座れ・・・目線に困る」


 オレがそういうと、漸く自分の体勢に気付いたようで、慌ててカウンターから降りてくれる。


 帽子の影でよく見えないが、うつむき加減な所を見るに結構恥ずかしかったようだ・・・多くは語るまい。


「・・・で、お土産にできそうな食材は無いよ! レア料理に使うようなレア食材や調理道具ならあるけどね!」


 ほうほう・・・そんなものがあるのか・・・ しかし怒らせたようだな、声にケンが出てる。


「まあ、怒るな・・・アメちゃんやるから」


「いらないよ! ってか子供扱い!?」


「そうか、よかった・・・こっち(ゲーム)には無かった。 ちなみに調理道具ってのはどんなものなんだ?」


 今度キャラメルでも作っとくか・・・ベッコウアメもどきでもいいか?


「うわあ悪びれもせず・・・マイペース一直線ですかこの人!?」





 インティは一頻り騒いで落ち着いたのか、コホンと咳払いをする。


「さて、では改めてこの店のシステムと商品の説明をしますね」


「うん、落ち着いた様で何よりだ」


「誰の所為かな!?」


 ジロリと睨まれる。


「オレの所為だな。 スマン、それより説明を頼む。 お仕事、お仕事♪」


 うにゅ~~~と唸りながらも説明を始める。 なんか近所の猫を彷彿とさせる・・・


「さっきも言ったように、ここはインスタンスクエストで得たポイントを貨幣としてショッピングができます。


 その中でもここに来た方はVIPです。


 通常の街等の商品は扱ってない代わりに、『インティの店』でしか手に入らないアイテムやスキルの類もあります。


 さらにVIP待遇の方のみのここの店は通常の『インティの店』よりもレアなモノが高ポイントで手に入ります。


 無論普通の『インティの店』の商品もここにはありますけどね」


 得意そうに述べていく・・・なるほどねえ・・・ゲームによってはプレイヤー同士の戦闘や戦争でポイント稼いで、買い物するショップがあるが、ここも似たようなものなのだろう。


「まあ、システム導入早々ここにこられたということはかなり大きなギルドの長なのでしょうが?


 ここの商品は高いですよ~


 その分良い物を取り揃えてますからね。


 ちなみに買える商品には、ギルドランクと手持ちのIDPも関係しますが、500チョットじゃ最高ランクまでのアイテム閲覧もできませんのであしからず」


 意地悪く『フフン!』と鼻息荒く言い切るインティ・・・ だが・・・子供が背伸びしてるようにしか見えないので逆に微笑ましいものがある。


「フッ・・・それでアイテムの閲覧はどうするんだ?」


「鼻で笑われた!? クッ・・・ソコに並ぶ棚に触れれば、条件を満たした閲覧可能な目録が出る・・・


 言っとくけど白字の物は購入可能。


 灰色はギルドランクは満たしてるけどポイント不足で購入付加だからね!」


 ほうほう・・・なるほど・・・システムウィンドウが棚の前に開いたな。


「ん~・・・ 武器等の装備品にアクセサリ、スキル、素材、生産補助器具・・・ギルド拡張権利券か・・・


 各項目に種類ごと分割されてアイテムの横に購入ポイントが表示されてるな。


 高いので2000ぐらいか・・・適正なのかようわからん。


 ん~?」


 ギルドの項目が点滅してる・・・開いて見る。


「スマンがポイント0で点滅してるのは何だ?」


「それはお客さんがクエストで条件を満たしたら貰えるボーナスアイテムだよ。


 個人条件とギルド条件があって。 点滅してるモノを触れて疑問を持ってれば説明文が出てくる。


 ここに来たのはお客さんが初めてだから、1つ2つはあるだろうね」


 1つ2つ・・・ね・・・かなりあるんだが・・・


「取得するには?」


「そこを押してマウスでドラッグ(保持)するように買い物カゴのアイコンに入れる。


 ポイントあるものも無い物も含めてこっちのカウンターに来たら清算するよ」


 便利なようで不便だな・・・


「あっ・・・今、不便だと思ったでしょ~ チッチッチ・・・分かってないな~


 ここで最終確認と一緒にアイテムのデザインや詳しいステータスも確認できるんだよ。


 どっちか気に入らなかったらキャンセルできるし、実際手に持って確認できる」


「ああ、それなら納得がいく」


「ただし! くじ引き等は引いた後はキャンセル無しだからね!」


 くじ引き? ああ点滅してる物に数個ある・・・『ギルドランクアップ特典』とあるな。


 ギルドのランクっていつ上がったんだ? まあタダならカゴに入れとこう。


 後は・・・点滅してるのはギルドルーム拡張券が数種にギルドフラッグ作成権、収容人数アップとか・・・なんでランク4まで見れるんだ? 一旦聞いてみるか。


「なあ、ギルドランクアップの条件って?」


「ギルドのシステムウィンドに書いてます。 ・・・って、ここに来てて知らないんですか?」


「ああ? あっ・・・部屋が使えるってだけで貰ったアイテムで作っただけだからな・・・ そこら辺の説明を見るのを忘れてたな。


 寝泊りできるだけで良かったし?」


 インティから何か視線を感じる。


「なんかジッと見てるが、アメちゃんは無いぞ?」


「違うから! アメちゃん離れて! 驚いてるだけだから!


 ここにこれたということは、ギルドランク2以上か500ポイント以上溜めた人だけ・・・


 お客さんの言い様を聞くと・・・信じられないんだけど個人ギルド?」


 ちなみに個人ギルドは1人で立ち上げて、1人で運営してるギルドのこと。 主にギルドシステムの恩恵を受ける為に、他のゲームでもそれなりに多い。


 例としてはギルド専用倉庫使用とか好きなギルドネームを名前の上に付けたいとか?


「ギルドメンバーはオレ一人だな。 ギルドシステムは・・・と、これか? ランクはいつの間にか4になっとるな」


 1から2になるにはメンバーのモンスター2000キルとマスターの資金1G以上


 3には1つの村や町のギルド評価の一定水準以上とマスターの資金3G以上


 4でレイドPTクエストのギルド員のクリア


 5だとボスモンスターの3種撃破となってる・・・3匹ならクリアしてるのにな・・・惜しかった。


「ランク4!?


 個人ギルドでソコまで行ってるなら、他のギルドと組んで、レイドPTクエストクリアについで中ボスを単独撃破でもしましたか・・・


 それなら500ポイント以上持っててもおかしくないです


 お客さん・・・思った以上にやるようですね」


「いや、言うほどでもないさ」


 何か気を引くものがあったんだろう。 心なしか不機嫌な雰囲気が緩和された。


「ご謙遜を・・・こっちもそういったツワモノにここのアイテムを使ってドンドン活躍してもらいたいんでね。


 そうと知ったらこちらも本気でお客さんに見合った物をお勧めしよう。


 で、ご予算は?」


 手の平を返すようだが・・・まあ、円滑に進めるならいいか?


「21000~・・・と、500を下回ったらここにはこれんのかな? そうなら2万で抑えとこう・・・何故土下座!?」


 いつの間にかインティが震えながら土下座してた。


 今のオレに、動きの気配さえよまさないとは・・・なかなかやる・・・じゃなくて!


「そげな、でえれえお方とは露知らず数々のご無礼平に・・・平に~!」


 生まれたての子鹿や小型犬のようにプルプル震えてる・・・


「何故イキナリ時代劇の民草のような口調に!?


 そんな畏まらなくてもいいから!


 頼むから普通にしてくれ・・・逆に落ち着かんわ」


 オレの言葉にオズオズと帽子を取り、立ち上がる。 隠れていて見えなかったがネコミミ・・・獣人か?


 『ブレイクワールド』にもいるんだな・・・と、いうかネコっぽいと思ったらホントに半分ネコだったか・・・


「お客様がそうおっしゃるなら・・・努力します・・・


 ですがこの速いタイミングでソコまでのポイントを稼いだ・・・ということは、幾多の戦争クエストを潜り抜けた英雄級の猛者とお見受けします」


 今までと違い尊敬の眼差しを向けてくるインティ・・・これがデレタ・・・というものか?


「いや、幾多ってほどじゃねえだろう。 単に今一番高いクエストが『妖魔強襲!』だっただけでそれを2周しただけだ・・・だから土下座やめろ・・・」


 また・・・いつの間にか土下座してる。 今度はガタガタ震えてるし・・・


「すすす・・・数字を見るにお一人で2回・・・そ、そそそ・・・それもボスも倒されてるはず・・・」


「オークキングか? それなら確かに倒してるな」


「千の妖魔とそれを統べる者を、単独で相手取り生還するのでも伝説的なのに・・・それを2回・・・


 しかも・・・相手は雑兵も残らず全滅させてる!?


 おねげえしますだ! 殺さねえでけろ!」


「殺さねえよ!? 勝手に人を殺人狂にすな!


 敵でもないやつに向ける力は持ってない・・・だから・・・って服従のポーズもやめんか!?」


 以前九影がやってたのと逆に、ネコ特有の身体を縮めて丸くなりローブに隠れてたと思われる尻尾を股に挟み丸めてる。


 そうとう怖がってる体勢だな・・・後ろ頭にいる十一をつまみ上げる。


『キュ?(どうしたの?)』


『スマンが少し協力してくれ』


左手で持った小さな毛玉(十一)をインティの鼻先に近づける。


「にゅう!?」


 興味がわいたのか視線が釘づけになったところでフリフリとゆっくり振る。


「にゅ!? にゃ!」


 目がハンターのそれになり狙いを定めだす。 尻尾が真っ直ぐ伸びピクッ・・・ピクッ・・・と小刻みに揺れだす。


 ポ~ンと軽く上に投げる。


「にゃあ~~~!」


 飛びつかんと屈んだところを


『パン!!!』


 目の前で手を叩く・・・所謂『ねこだまし』に悲鳴を上げることなく硬直。


 尻尾は毛が逆立ち膨らみ目を丸くしている。


 十一はそのまま定位置の頭に納まるのだった。


「さて、インティ・・・話を再開しようか? 脱線ばっかりは飽きてきたんでな・・・」


 脱線の半分はオレの所為だが、あえて無視。


「オレは政十郎。 政さんとでも呼んでくれ」


「にゃ?」


「これでオレとおまえは知り合いだ。 知ってる者においそれと危害を加えたりせんよ・・・安心しな」


「え・・・あ、失礼しました!」


 我に返ったインティの説明がやっと始まった。



「お客・・・いえ、政さんの持ってきたアイテムは主にギルドルームの機能拡張です・・・だね」


 たどたどしいが少しずつ緊張が抜けていく。


「主にランクが上がった時の運営からのお祝いアイテムとか、クエスト初回達成のアイテムも何個かあるね」


 聞けばギルドルーム設備拡張券は、部屋の増築だけでなく庭や池等屋外の施設建設も兼ねている。


 前に貰ったのとあわせて8枚


 ギルドルーム拡張券は元にある部屋を広げたり部屋数を増やす。


 これも前とあわせて10枚


 ギルドルーム引換券は・・・持ってるものには無用なので売るか?


 券だけあっても無駄なので使ってみることにする。


 ランク4にもなると、ルームの機能も各種色んなものが増やせるようになっていた。


 基本の部屋は4倍に広くして3枚使用。


 その奥に庭をつける設備拡張券1枚に庭を広げるのに7枚使用で8倍の広さ・・・ちょっとした運動場並みの広さになった。


 基本ルームも広さだけなら学校の体育館ぐらいはある。


 左右は自動なのか廊下で一旦区切られてる。


 右に作業場の防音ルームを3つと、左に寝室にする防音ルームを3つ。


 ちなみに防音ルームは音だけでなく振動等も遮断されるらしく、部屋の内外で締め切れば双方の干渉は全く無くなるそうだ。


 余談ではあるが扉のノックは聞こえるが壁ドンとかは全く聞こえないとか・・・流石VR・・・音や振動の認識信号を切れば簡単に不思議空間が出来上がるわけだ。


 それは部屋を増築しても、庭に干渉しない所も不思議空間になってる。


 部屋を増やしすぎたら案内板を作らんと迷いそうだな。


 葱の魔法使いであった吸血鬼の別荘みたいなのも資金があれば作れそうだ・・・ って倍速調整室があった・・・マインド&タイムルームってか? 最後の1枚で右部屋に追加っと終り。


 後はインティのお勧めの生産施設をポイントで購入していくつもりだったが。


 ギルドランクアップ褒賞のくじ引きの商品がそういった物も含まれてる為、先に消費することにした。


 簡単に説明するとルームにおける家具とか、部屋の雰囲気を和室とか南国風に変えるとかのオプションが入ってる。 中にはレアな生産補助能力の付いた施設限定の道具があったりするとか・・・所謂一般的なガチャである。


 それがランクアップ数と同じ3枚・・・他のガチャの券も3枚ずつあったりするのでついでに消費しておく。


 たまにこの系統で破産するものもいるらしいが・・・コレクション系が課金で出たら気をつけよう・・・オレもヤバイ。


 券を渡すとそれぞれの券と同じ数の数種のメダルを渡された。


「そのメダルに書いてある機体に投入してハンドルを回してください」


 店の奥に案内されたところ、液晶画面の付いた大きなガチャガチャが数台鎮座してた。


「本当にガチャ○ンとはな・・・」


 呆れながらもギルドルームガチャのメダルを入れる。


 『ガチャガチャ・・・ガチャガチャ・・・』とハンドルを回す。


 何となく童心に返る気分・・・昔は怪獣や金消し、合体ロボを集めたっけ・・・


 ハンドルを回しきると『パパ~ン♪』と音が機械から流れカプセルが出てくる。


『アンティーク食器棚』☆×4

大き目の食器棚

アンティーク調の落ち着いた雰囲気をかもし出す名工の一品


 現実だったら凄いものなのだろうが・・・VRここだと・・・まあ、趣味の品程度か?


 とりあえず帰りに食器を買おうと思った。


 次にハンドルを回すと画面に変化が現れる。 回す度に青から黄色、赤に変色していく。 回しきった後に『パンパカパ~ン♪』とさっきより長めの音とカプセルが出てきた。


『南国オープンセット』星×9

南国リゾート気分を味わえる

ギルドルームで南国ルームを増設できる

セット内容

南国プライベートビーチルーム2km×2km

フィッシングセット

ボート類



「すごいですね~イキナリこんなのが出るとは思いませんでした!」


「・・・これも幸運の効果なのか・・・な?


 しかし・・・実質書いてあるとおりプライベートビーチを貰ったようなものなのか? 釣りもできそうだし・・・


 ギルドルームガチャ・・・侮れんな。 ハマルヤツでるよな~絶対」


 呆れながらも多少高揚してるのが自分でも分かる。


 案外自分も、もうすでにハマッてるかも知れないな・・・と自嘲する。


 最後、ハンドルを回す『ピキーン!』と言う音。


 回しきったとき『パパ~ン♪』と音と共にカプセルは同じだ。


 そんなにレアは出ないか・・・と、カプセルを開けると『リプレイ』と書いてある青いコインが出てきてガチャの機体に吸い込まれる。


 ハンドルを回す『ピキキ~ン!』と音と共に画面が青くなりカプセルをディフォルメしたものが画面の中を走りぬける。


 『パパ~ン♪』カプセルの中身は『リプレイ』のコイン今度は黄色。


 同じく『ピキキキ~ン!!』と言う音。 黄色い画面にディフォルメカプセルが横切るが、画面中央で止まると騒ぐように飛び跳ねる。


 仲間らしきカプセルが二匹?出てきて追いかけっこのように走り抜ける。


 なんだろう・・・このどこかで見たような演出は・・・


 『パパ~ン♪』カプセルの中身は『リプレイ』のコイン今度は赤色。


「オイ・・・」


 ツッコミを入れたくなった。


「いや~リプレイって連続するとドンドンレア度が高くなるって聞いてますが・・・ここまでくるとクドイですね・・・でもワクワクします!」


「そうだ・・・な」


 思うところはあるが良くなってきてるのは歓迎するとこだ少なくともプライベートビーチと同等って想像がつかん。


『ピキキキキ~ン!!!』音が高く長くなってきている。


 画面のカプセルが5匹集まって並び、それぞれの色の赤、青、黄、緑、桃の爆煙をバックにしている。 戦隊モノか?


 『パパ~ン♪』カプセルの中身は『リプレイ』のコイン今度は・・・虹色?


 『ピキュ~ン! キュイキュイキュイ~ン!!』分かったから・・・絶対これの演出考えたのパチンカーだろ!?


 極彩色の虹色のエフェクトにカプセル達が並び。 爆煙と共に真ん中から割れて水着のお姉さんと思わしき者が出てくる。


 何故思わしきかと言えば・・・カプセルの上に隠れて水着の振ってる腰部分しか見えないザンネン仕様だからだ。


 そのバックに色んなカプセルの群れが通過する・・・うん群れ予告だよね・・・


 ハンドルを回すのがこんなに疲れるとは思わなかったが何とか回しきった。


 『パンパカパ~ン・・・パパパ・パ・パ・パ・パ・パパパパンパンパ~ン』


 やたら長いファンファーレが終るとカプセルが出てきた。


『伝説の生産ルームセット』星×10

伝説の生産ルームのセット

職人ギルド垂涎の伝説シリーズを纏めました。

使用可能制限・・・生産スキル20LV以上


「細工とスクロール系以外売るか・・・」


「売っちゃうんですか!?」


「いや、オレは生産職ってそれしかないし? 20LV越えそうなのって今のとこそれ以外無いからな~


 あ、十一が服飾系がいけるのか」


 騒ぐインティの話を聞けば、各種の伝説と付く生産道具がそろってるセットだと言う。


 色んな生産補助の付与効果が、その類のアイテム最高の効果でついてるとのこと。


「ふむ・・・なら生産職の知り合いにでも開放するか」



その後・・・各種ガチャを武装3回、スキル3回、生産3回やった。


「なんなんですか・・・」


「なんだろうな~」


「なんでこんなに各種3回でレアばっかり引くんですか!? 舐めてます? 現実の不条理・・・ほしいものが手に入らないガチャのリアルを舐めてますね!」


 んな事言ってもな・・・


 武器

『極炎の剣』『大地の大槌』『深淵の長槍』


スキル

『上級強化加工』『スキルMAXドリンク』『魂狩り』


生産

『オリハルコン塊』『黄金樹の枝』『不死鳥の卵』



 実際今のとこ微妙だ・・・


 武器はそれぞれ、4大の精霊王の加護が宿った武器なのだそうだが・・・


 レア度は各8で、各自筋力か知力30以上無いと使えない。


 筋力は盗賊補正で半分に制限されて60無いと無理・・・今は前に25以上なのは確認したが長い道のりになりそうだ。


 知力は精霊使いとして使えば、その系統の魔法が大幅にアップするらしい・・・ただしこれも知力が足らない・・・。


 水系がレンジャーとして投擲武器として一番早く使えそうだが・・・風が弓らしいのでそれが出なかったのがザンネンでならない・・・ポイントでガチャをするか? 罠な気がするが・・・


 スキルは『上級強化加工』は初級、中級を修めないと取得不可。


 中級は確かドロップのスクロールであったが初級が見つからないので保留。


『スキルMAXドリンク』は飲むとランダムで取得スキルが一つMSTになるが・・・どれになるかは神の味噌汁・・・ではなく神のみぞ知る。


 後で飲むか。


『魂狩り』はレアで仰々しい名前のワリに普通なMP攻撃なようだ。



 生産については『オリハルコン塊』『黄金樹の枝』『不死鳥の卵』共に生産スキルが高くないと加工は不可能。


 『オリハルコン塊』だけはガルに聞いてみるが・・・枝も卵もスキルMST以上って専門でなければ無理っぽい。


 『料理』か『木工』がドリンクでMSTしたらいけそうだが・・・生産系の上限って高そうなのでLV上昇系アイテムで上げるにはどこまで消費するか分からない。


 まてよ・・・枝と卵・・・はドリンクが外れれば、アレを試してみるのもいいか?


「何故そこで隅にいって震えてる?」


「だって・・・何か企んでそうな顔で嗤ってたんで・・・」



 その後インティをなだめてギルドルームの家具をポイントでそろえる。


 この時に『初級強化加工』が100ポイントで購入できると分かった・・・


 更にまだ使えないが『上級スクロール学』もあったので2000で購入。


 思いのほか、スキルに比べると家具や設備が安かったので、趣味に走ったりして散財する。


 結果・・・


 100m×100m、床張りのメインルームに転送魔方陣を7つ真ん中に配置。


 真ん中の魔方陣より手前。 部屋を飾るのはアンティーク調の家具で、ガチャの賞品に意味も無く合わせ整えたが・・・


 大きな本棚、大きな柱時計は前の物でソファやテーブルを数組配置。


 左手にはガチャの大きな食器棚に小さなバーカウンター。 その下には各種『伝説の調理器具』で充実させてる。


 伝説アイテムの中に冷蔵庫やレンジ、オーブンがあるのは笑った。


 落ち着く感じになったのでよしとしよう。


 魔方陣はソコに立つと現れる仕様でコマンドワードを唱えないと移動しない。


 配置的には真ん中に一つ地下の『南国プライベートビーチ』移動用で中は『伝説の漁具置き場』を片隅においてある。


 何でも、ある程度の海の幸が取れるらしい。


 それを左右に囲むように3つ対称にそれぞれの部屋に移動するようにした。


 そこから部屋の奥は少し掘り下げられた10段ほどの階段。


 階段を下りるとドリンク類のカウンターが右手にあり、日のさす室内に涼しげな白を基調としたテーブルとイス数組。


 ガラス張りの大きな窓。 庭に出れるようになっていて、大きさは200m×200m。


 小さな竹林に小川が流れ奥に『伝説の畑』と『伝説の農具置き場』がある。


 右魔方陣は奥から手前に『伝説の鍛冶道具』と『伝説の皮職人道具』の部屋で1室。 

 『伝説の細工道具』と『伝説の強化付与道具』を合わせて1室。

 

 『伝説の織り機』と『伝説の服飾道具』で1室。

 

 それら統べて最初設定したまますべて防音。


 左は奥から『伝説の書記道具』と『伝説の木工道具』で1室。


 後は『客室』『寝室』にしている。


 いっそのこと各部屋に防音設定


 最後に寝室奥に魔方陣は二つ。


 一つはギルドルーム制御室につながり、各部屋の倍速設定や気候を弄れるようになった。


 最後の一つがVR露天風呂。


 何気に一番ポイントがかかってる部屋と言ってもいい。


 50m×50mの敷地を何個かに区切り、岩で囲った露天風呂から始まり。


 うたせ湯、室内檜風呂に小型サウナ等各種作り込んで、外の景色や気候を制御室で変えられるようにした。


 これが無ければ8000ポイントで済んでたがカスタムで合計13000ポイントかかった。


 家を建てる時って妥協しなかったらこうなるのかねえ・・・


 そんなことを思いながらオプションも追加した。 


「さて、世話になったな」


「またのお越しを~」


 ギルドルームのデザインを語り合ったからか、インティも大分打ち解けたようだ。


 寝室や客室のレイアウト等中々良い物になったと思う。


「また、改築案があったら相談に乗ってくれ」


「喜んで!」


 そうして噴水前・・・ガルはまだログアウト中か・・・


 メールに添付で、ギルドルームの鍵と今回ポイントで買った『ミスリル塊』とオリジナル『設計図』を送る。


 さて、ルームに戻って土産の料理と身支度だな。


 これからの予定を考えながら『スキルMAXドリンク』を飲む。


 栄養ドリンクのような味を飲み干す


『『歌唱』がMSTしました』


 やった~0LVから一気にMSTだぜ~・・・ちくせう・・・よりによってこれか・・・



今回のスキル


R『魂狩り』PS

魂さえも切り裂く技

ダメージを肉体ではなく精神に及ぼす

『MP奪取』効果が攻撃に追加

PS『MP奪取』

攻撃が命中すると相手のMPをSLV分奪い取り自分のMPを回復する


UC『初級強化加工』PS

武器や防具に+5までの強化を行なうことができる。

『強化石』を消費することで武器の攻撃力と防具の防御力を上げれる



UC『中級強化加工』PS

武器、防具、アクセサリに+10までの強化を行なうことができる

武器、防具、アクセサリに特種能力付与をで行なうことができる

『能力抽出』が使用可能

『強化石』を消費することで武器の攻撃力と防具の防御力を上げれる

『付与石』を消費することでアイテムに特種能力をランダムで付与できる

SW『能力抽出』消費MP1~

特種能力付きのアイテムを破壊することで付与石を取り出すことができる



R『上級強化加工』PS

武器、防具、アクセサリに+10までの強化を行なうことができる

防具、アクセサリに特種能力付与を行なうことができる

武器、『特種能力抽出』が使用可能

『強化石』を消費することで武器の攻撃力と防具の防御力を上げれる

『付与石』を消費することでアイテムに特種能力をランダムで付与できる

『能力限定付与石』を消費することでアイテムにその能力を付与できる

SW『特種能力抽出』消費MP1~

特種能力付きのアイテムを破壊することで能力限定付与石を取り出すことができる





プレイヤー視点外能力

強化値   強化率   成功率

+1     1%   100%

+2     3%    90%

+3    10%    70%

+4    20%    50%

+5    30%    30%

+6    40%    10%

+7    55%     5%

+8    70%     1%

+9    85%   0.1%

+10  100%  0.01%  

 

強化率の及ぼすもの

武器、防具、アクセサリに付いた

攻撃力、魔法攻撃力、防御力、魔法防御力、アビリティ強化

となります。


成功率はプレイヤーの幸運値とSLVによって変動します





特種能力の付与について

特種能力は+1~5の強化があります

『能力限定付与石』で同じ種類の能力を持ったアイテムを付与した時。 成功すれば加算されます

ただし失敗すれば石を消費するだけか、元にあったアイテムの能力も消される場合があります。

消費する付与石は最高SLV個までになります。

一つの武器や防具につけれる能力数は決まってます

最初から武器についている特有特種能力は1つとして入ります

武器

片手武器2

両手武器4

盾2

防具

上半身2

下半身2

頭1

腕1

足1


能力の入る個数と+の数値によって成功難易度は上がります



ギルドルーム改築でした

久しぶりに連休をもらえたので休み中にもう一回くらいは出す予定です

オラに書く気を分けてくれ~(感想はげまし等お待ちしてます)


追記

金消しについて

感想での想像通りのモノです

通称が結構有名なのであえてカタカナにせず当て字にしました

この作品では現実の作品のパロディは、ボカシたりふせますので気付いたらニヤリとして感想でツッコムなりしてください

金消しツッコミありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ