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Ver2.06rp

今回はライズ達

犯罪者プレイヤーに関してはとりあえずクローズドでは最後・・・かな?




『じゃあ、残念だけどそういうことならこっちはこっちで頑張るわ♪ すぐに追いつくから待ってなさい』


『師匠~行ってきま~す♪ お土産楽しみにね!』


『それでは政様、御武運を・・・ご教授頂いた技・・・存分に振るってきます!』


『・・・3人とも・・・気をつけて・・・ほどほどにな・・・?』


『『『はい♪』』』


 ライズである私と桜花とエイシャはウィッシュを切ってお互い頷きあった。


「とにかく私たちの目的は明日までにできるだけ政さんに追いつくこと!」


 思いもかけず気合を込めて言ってしまったが二人はウンウンと頷いてくれた。


「その思いは同じです! 政様は先を行かれてます・・・しかし並び立つ様にならねばお役に立てません!」


 おおっと!? 桜花が何気に何時もと違ってやる気に満ちている? 今から狩りだから殺るやるきがいる・・・シャレじゃなく・・・


「私だって負けないよ~師匠に認めてもらうにはまだまだ修行が足りないみたいだし!」


 フンッと鼻息荒くエイシャが拳を握る。

 この子は外見は一番良い素材なのに内面がまだ子供っぽいのよね・・・ザンネンな娘・・・ まあ、おかげでリードされずに済んでるのは助かってるけど。


「じゃあまずは新しいインスタンスフィールドに行こうか。 確かここより倍速が速くなって、モンスターもPTパーティー用に経験値が高いらしいし、ドロップ率も上がるみたいだしね」


 公式の発表を見るにテスター第二陣の参加の前に混みそうな狩場対策もあったのだろう。 PTや個人用の戦闘エリアでのクエストが実装されている。

 もともと実装されたのはそのマップエリアにいるNPCノンプレーヤーキャラからクエストを受けて、そのエリアで収集なり討伐して解決することでクリアされる短時間クエストが多いのが特徴。

 もう一つはメインクエストが明日から実装されるらしいけど、そのクエストのIFイフシナリオ・・・もしこうなってたら・・・というのもあるらしい。


 そんな風に予定等を考えてると前方から何か騒いでる声が聞こえてきた。


「ちっくしょ~~~! 死に戻ったと思ったら何で衛兵に追いかけられんだよ!? マジ訳わかんねえ!!」

「まったくだ! MOBには身包み剥がされるわ、ギルドじゃ指名手配されてるわ! ふざけてんのか!? このクソゲー!!」


 そんな風に喚きながら男二人が通行人を押しのけながらこちらに向かってくる。


「まて~お前ら! 逃げても罪が増えるだけだぞ!」

「『ぴゅい~~~! ぴゅい~~~!!』犯罪者が逃走中! 一般人は避難しろ!」


 その警笛に大通りの人だかりが割れていく・・・「ピロン!」


「ねえ、二人にも緊急クエストの通知来た?」

「ええ、『バウンティーハント』凶悪犯を捕らえよ・・・生死問わず・・・ですね?」

「あ、私はもう受けちゃったよ~♪」

「はや!? ・・・何にしても見過ごすのもなんだよね・・・」


 私の意見に二人は頷き


「政様なら黙ってないでしょうね」

「いいことして師匠に褒めてもらおう♪」

「じゃ、きまりっと!」


 そういって受諾のアイコンを軽い調子でタップした。


 しかし、それからすぐに事態は急変する。


「いたぞ! 賞金首だ!!」

「あいつらか・・・ああ?! 俺、あいつらにMPK食らったぞ!」

「何? あんたも!? 私もされた! しかも死んで蘇生待ちしてる内にばら撒かれたアイテム盗って行かれた」

「常習者だよ! しかも狙ってやってやがった。 へたな演技で追われてる振りしてMPK・・・死んだプレイヤーが幽霊してる間も周りを見えるって知らなかったんだろうな。 俺の目の前で『儲け儲け♪』って言いながらレアドロップ持って行きやがったんだぞ!」


 周りのプレイヤー達の言葉にドンドン被害者が出てくる・・・うわあ・・・市場のPCプレイヤーキャラの大半が睨んでる・・・


「な、なんだお前ら!?」

「おい、ヤベえって・・・こいつら俺達がカモッた奴らみたいだ・・・」

「ああ!? でも俺達は文無しだぜ。 ここで殺されても死に戻るだけだろ? それに街じゃ攻撃できねえはずだ」


 ボソボソとやり取りする男達の声はしっかり強化された聴覚に聞こえてきた。

 確かに街のセーフティエリアだとプレイヤー同士の戦闘はできない・・・というか攻撃は当たらない仕様になってる。 でも、NPCノンプレイヤーキャラクターにはプレイヤーの攻撃? と、言うか被害にはあっていた・・・


 そして目の前の男達には『Guilty』とオレンジ色のアイコンが頭の上に浮んでいる。


「なんだ? 被害者報告?」

「『この者達の被害にあった者は罪のポイントを加算することができます』・・・だって・・・じゃあ、加算で」

「俺も加算w」

「私も~」

「僕も!」

「なんだよ、一回しかできないのかよ・・・」

「おいおい・・・」


 周りからの声と共にドンドンそのアイコンは赤く染まっていく。


「え!?」

「どうした、不思議な顔して?」

「今・・・『司法』の神から『神託』が届いた・・・ウッソ!? でも、これってありなのかな・・・?」


 回復職らしきプレイヤーがスゴク驚いた顔をした後犯罪者プレイヤーの前に進み出した。


「ごめんね~信仰神『司法』からクエストきちゃったから~『ペナルティ』」


 聞いたことの無い呪文名・・・祈りも無かったようだけど直後、男達に光が纏わりつき更に目立つようになる。


「な!? てめえ何しやがった!」

「おいおい、シャレに何ねえよ・・・」


 怒りを露にする男達に


「今、彼らに『司法』神のクエスト魔法『ペナルティ』がかけられました! 今から30分間、どこであろうと彼らに攻撃が当たります! なお、ダメージ量によってダメージを与えたものに相応の経験値が入るようになったようです! HPは彼らの全経験値分、ダメージ蓄積によってLVダウンと同等のペナルティが罪を償うまで課せられます! 『司法』の神の名の下に罪の裁きを! ・・・やった、クエストクリア! ウマ~♪」

「つまり・・・あいつらを殴って経験値ボーナスを貰えるってことか?」


「おい! おまえっフザケンナヨ!? ぐお!?」


 犯罪者プレイヤーの片割れが回復職に掴みかかろうとして、横合いから攻撃を受けた。


「お、ほんとに当たった! ・・・ええ!? 1発で100以上の経験点!」

「何!?」

「おお~本当のボーナスか・・・神様太っ腹~」

「おい、何ゲームでむきになってんだよ・・・かっこわり」

「ば~か、ゲームだからこんな風にポイント稼げる時に稼ぐんだろ?」

「こんな・・・よってたかって個人を狙うなんて・・・運営に通報するぞ!」

「システムであるって事は運営が認めてるってこったろ? あんたらがやったMPKとおんなじじゃねえの♪」

「プレイのツケをプレイで返させるってのは中々新鮮なシステムだな・・・同情はするが・・・容赦はしないから。 一応被害者なんでね」


 武器を抜きにじり寄るプレイヤー達に二人は顔を青くして後ずさる。


 既に手を出すまでも無い・・・か


「行きましょうか・・・クエストにしてもあまり興が乗らないわ」

「そうですね。 身から出たサビでしょうが・・・なんだが哀れです」


 桜花も同意してこの場を去ろうと思った。


のだけど・・・


「天が知る! 地が知る! ひっとがっしる~♪ お前ノ罪を知っている! ご存知! 政十郎の一番弟子! 『拳王』エイシャ!」


 民家の屋根の上から名乗りを上げるおバカ娘に足を止めざるを得なかった。


「何をしてるの・・・あのこは・・・ワザワザ称号も『拳王』にして」

「エイシャ!」


 エイシャの奇行に桜花が声を上げる。


「そうそう・・・怒ってやって・・・もう・・・」

「政様の一番弟子は私です!」

「注意するとこそっち!?」


 突然始まったマンザイに止まったプレイヤー達を押しのけて犯罪者プレイヤーが逃げ出した。


「あっ! 逃げるな~! とりあえず・・・るわいだ~~~電光キーック!!」


 そういって屋根から飛び出したエイシャがどこかのヒーローよろしく男達に向かってとび蹴りを行なう。 なんで『サンダーウェポン』が全身にかかってるの!?


「へっ! そんな遠くから跳んだところで届くかよ!」

「余所見してないで走れ! ぐえ!?」


『ドゴン!! バチイ!バチバチバチ!!』


 そんな音と共に、一人が飛んでいったエイシャの『念動』による飛び蹴りで沈む・・・言葉の比喩でなく、地面が陥没して体が沈んでいた・・・


「ぴきーん!」


 ソノ上でポーズをとって、口で効果音を再現してるエイシャは、スゴクイタイ子に見える・・・


「やってられっかよ!?」


 まだ逃走するもう一人を影が襲う。


『ドオン!!』


 いつの間にか移動した桜花が両手剣を打ち下ろして、新たなクレーターを作っていた。


 あんた・・・哀れとか言ってなかったっけ!?


「エイシャだけに功を取らせる訳にはいきませんから」


 ああ、張り合ってるのね・・・私はそんなパワフルな事には参加しないからね・・・


 そんな風に思ってると追いついた集団が動けない犯罪者プレイヤーを飲み込んでいった。


「じょおぶつしてね・・・」

「あんたが言うか・・・エイシャ・・・」

「あ、クエストクリアしましたよ・・・経験値もさっきので2LV上がってます。 これで政様に近づきました♪」

「桜花は政さんが絡むと性格変わってない!?」


 PTを組んでた為、経験値が分配されて入ってるのを確認して、呆れのため息をつきつつ今だ電光を放ってるエイシャを見る。


「ところでエイシャ・・・その魔法どうしたの?」

「マスクドルワイダーの必殺キックをしたいって言ったら、師匠に幾つかこれを貰った♪」


 そういって政さんが持ってた魔法の札を数枚取り出した。


「いつのまに・・・」

「エイシャばっかり・・・いいな~」

「へへん~可愛がられてるのだよ♪」


 得意がるエイシャ


「うん・・・バカな子ほどカワイイっていうし」

「桜花ちゃんヒド!?」

「あ、なら私も負けちゃうか・・・」

「ライズちゃんも!?」


 そんな風にじゃれあいながらインスタンスダンジョンに向かう私達だった。


今回は短めです

次回はソノ分早く出したいところです

ちなみに犯罪者プレイヤーのペナルティは、LVが下がったわけではありません

現在のLV20以上の状態で、アビリティがLV1ぐらいまでマイナスされた状態です

つまり罪を清算するまでLVの低い敵を倒しても経験値がほとんど入らない・・・もっとひどい状態ともいえるでしょう。

運営側から見たらソコまでいったらキャラクターを作り直す方がましなので普通はゲーム自体やめるかの二択だろう的な考えでしょう。

逆に悪役プレイをするなら、町等に行かなければそれに徹することも可能なシステムでもあります。

今回はNPCのマイナス好感度と被害をうけたプレイヤーに囲まれて『司法』神にジャッジされた・・・そんなプレイヤー的な不運が重なった

そんなお話の回でした

では

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