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Ver2.05

政十郎視点に戻ります



「ちわ~ガル~メールにあった装備取りに来たぞ~」


 露店の一角のガルムの店を覗き込む。





 昼飯を食ってログインしてみると、新しい機能のメールアイコンが視界のスミに点滅していた。

 未読3通のそれを開くと運営から衣装装備が1部未実装だった為シャッテンウォルフのクエスト単独クリアボーナスが不揃いだったことの詫び状と残りの衣装が送られてきてた。


 とりあえずアイテムは受け取っておく。


 2通目はガルからの注文品や装備類ができたから取りに来いとの催促。


 3通目はガイ達からでガグと森であったことと、ガグからオレ宛にアイテムを預かったから送るとあった。

 補足でよければ今日の未鑑定アイテムの鑑定を願うモノもあったのでウィッシュで了解と待ち会わせ場所を決める。

 付いてきていたアイテムボックスを開けると指輪の装備品だったので取り出して見る。 『ガ族の印』・・・どうやら消耗品で説明にはつけると効果が永続とあった。

 とりあえず着けてみると指輪から淡い光が溢れ魔法文字が広がっていった。

 ガグからの物なので驚きはしたが害は無かろうと思っていると手の甲に文字が集まり紋様が浮かび上がった。 なんかのファンタジーに出てくる勇者の紋章みたいだな・・・と思っているうちに程なく消える。


『ピロン!』


 システム音が鳴り説明ウインドウが現れた。

 どうやら街の噴水が『転移の門』になっているらしく他の街等の噴水に登録・・・接触すれば街から街に一瞬で転移できるとのこと・・・まあ、あるとは思ったが・・・噴水に入るのか・・・すぐに乾くけど。

 そしてさっきの指輪はガグの村に繋がる転移の為のキーアイテムだったようだ。

 これでいつでも向こうに来いと言う意思表示なのだろう・・・用事が終れば行ってみるか。


 そうと決まればまずは装備を受け取りに行くことにすることで冒頭となる。


 ちなみに3人娘は先のクエストでマイナス要素が無くなったので昼からは狩りに出るとのこと。

 無論PTに誘われたがLV差がありすぎるので辞退した。 経験値が上位に行くほど割合が増える為3人の経験が入らなくなる恐れがある。 試したいこともあったので丁度良くもある。


 なにはともあれ・・・


「おう、政さん待ってたよ!」


 ガルが奥から出てきて気持ちの良い元気なあいさつで迎えてくれた。


「すまなかったな。 飯まだだったんだろ?」


「良いって良いって・・・とにかく品物を見ていってくれ! 私の自信作だ! 図面どうりに寸分違わず作ったが・・・中身空っぽのミスリルのランドセルみたいなのと腕の収納ボックスで何するのか気になって仕方なかったぞ・・・」


 愚痴りながらも最初の注文品のミスリル製の武器と防具、追加注文のシャッター式バックパックに中身が空洞部分で繋がった直径5cmほどの上下可動式の筒が1mの長さで肩付けキャノンの様に直立している。

 更にミスリルの手甲にスライド式で取り付ける流線型収納ボックスが両手分、足甲にも同じ方式でコンテナのようなゴツイ幅10cm×縦25cm×奥行き15cmの収納ボックスが並ぶ。


 手のボックスは甲の方にシャッターがあり、足のほうは前方にシャッターが開くようになっている。


 そして武器は中国武器のサイの三叉に刃をつけたような形状のダガー2本。


 その刃の部分を槍の穂先にして両側につけた1m70cmのツインランサー。


 直径50cmのラウンドシールドだが内面にあるスライドを外側にズラすと盾の周りに凶悪なサメの歯のような刃が現れる。 これが手甲、足甲にスライド部で固定できるようにボックスと同一の止め具があり4セット。


 変則的なのは胸部のブレストプレートにまで及び前面は流線型のガンメタルブラックの鎧なのだが、背部の両肩甲骨辺りから下に下がる35cmのフレームは根元が360度の稼動式で3節に展開可能なつくりになっている。 伸ばせば1m以上・・・十分前に持ってこれる作りだな。

 その先端部は留め金式のフックと内部に小さなリールが仕組まれミスリル繊維の糸が巻かれている。 ここにもスライド式のマウントが同規格であるため手足のボックスをそのまま取り付けられるし、フレームのフックにも引っ掛けられる多目的マウントにできる。

 更にブレストプレートの下に着る薄いスケイルメイルのベストもあり腹部まで覆う形で合わせて上半身の防具となる。 今着ているミスリルスーツの上からの3枚重ねになるが・・・果たしてどれだけの防御効果になることやら・・・

 兜になる頭部は額周りを半分輪っか状にミスリルを使った鉢金を基準に両側頭部で可動するガードで目元を隠すようにもできる目視穴は横1文字に切り開かれた穴のみだが目元を隠す場合は副視界か心眼を使えば視界の悪さも払拭できるので問題なし。 この下にミスリル繊維の布で頭部と口の部分を覆うので映画等ででるモロ忍者の統領風の頭巾になる。

 後は二の腕と足の太ももの前部のみを守る鉄甲(ミスリル製)で全装備が揃う。


 それらを眺めて感嘆のため息をつく。 自分が構想した防具が目の前に実物としてあったら感動もひとしお・・・


「・・・訓練所で思いついたんでな・・・急かして悪かったな」


「そう思うんだったら早速装備して見せてくれ」


 言われずとも早速着けさせてもらう。


 最初はオリジナル装備なので直接着けて装備場所の固定を行なう。

 このシステムは最初からある防具類は最初から装備部位が登録されているのでアイコン操作で即装備されるが、オリジナル作成だとそれが最初は無登録状態になる。 つまりはシステムがそのアイテムのカテゴリーを判断できてない状態な訳だ。

 そこで一度装備して登録することで纏めてカテゴライズすることで細かく部位装備にもできるし面倒なら全てをひっくるめて1つの装備品としてアイコン化もできる。

 まさにアイコンワンクリックでその姿に変身することも可能。


 ただし耐久力は各アイテムに分かれるためメンテナンスは別々の料金になる。 まあ、大抵は全装備一括修理をするようで面倒でもないが・・・




 そうこうして登録も終り一部除く全装備をつけてみた・・・



「どこのロボットだ?」


 呆れた声でガルに言われた。


「まあ、全部のボックスをつけたらそうなるな・・・」


 腕の手甲に分厚い収納ボックスが付き太さが二倍に見える。

 足の横にミサイルポッドよろしくコンテナが付き歩くのに重りになっている。

 最後にバックパックに上を向いた主砲のような筒がナニキャノン?って感じでブレストプレートや鉄甲で覆われたオレの姿を重武装型のリアルロボットのコスプレに変えていた。

 流石軽いミスリルに防音性能向上に内側にボス素材を使ってるだけはある。 こんな重装備で『盗賊』技能効果が消えてないしこすれても殆ど音がしない。


「なあ・・・政さん・・・」


「なんだ・・・ガルさんや?」


「あんたはどこに向かおうとしてるのか理解できない・・・」


 頭を抑えながら呻くようにノタマッタ。


「そうだな~この装備の意味が分からなかったらそうなるよな・・・」


 そこで『念動』を発動させる。


 左手を前に何かを狙うように構えて右手で固定するポーズ


『カシャ!』


 左ボックスのシャッターが見た目自動で開いたように見える。


「え!?」


 その姿に不意をつかれ驚くガルを横に他にも試していく。


 片膝を着くと同時にバックパックの筒を『念動』で動かし射撃体勢。


 そのまま立てているほうの足のボックスの前部シャッターが開き中にあるギミックの12個のリールから糸が順番に前方に飛んでいく。 幸い本気で『投擲』をしていないので店の布壁に当たって失速。 『念動』で伸びた糸を巻き取っていく。


「ウン、良いできだ!」


 ぽかんと見てたガルが我に帰る。


「そうか! 『念動』で『投擲』すればワザワザ手に持たずに投げれるんだ・・・」


「おう、正解。 これで跳んだり跳ねたりは慣れないと無理そうだが空を飛ぶ分には支障は無かろうし・・・投擲の連打でそこらのフィールドモンスターなら近づく前に終わりそうだ。 それに普段はホバー移動よろしく低空飛行だけにしとくし・・・大勢の前で披露するのはまだ先だな」


「なんで?」


 疑問に思ったのであろうガルが不思議そうな顔をしている。


「今は一個二個が同時発射で正確に当てることが出来る精一杯でな・・・せめて慣れて全弾発射ができるまでは練習する!」


「本当にアンタはどこに行くつもりなんだ・・・」


 呆れ半分、楽しさ半分な微妙な表情でガルが笑っていた。



~~~~~~~~~~~~



「それじゃあな~」


「おう、またアイデア出たら来てくれ! しばらく私はお昼に行ってくる」


「ごゆっくり~おつかれ」


 そういってガルと別れいつもの廃屋に向かう。


 現在のオレの姿はオプションを外した状態のミスリル装備ガンメタルブラックだと目立ち過ぎると思ったのでツヤ消しの黒にしてもらった。 『潜伏』で光の反射の恐れがあったのも理由としてあげておく。


 それで時間をとっても待ち合わせに少々時間がある。 そこで途中スクロール屋に行き幾つかめぼしいスキルを見てみる。


「あれ!? ディクショさん・・・スクロールの種類増えてない?」


 カタログを見せてもらいながらいつものように雑談していると明らかに見たことの無いスキル等を幾つか発見した。


「ん? ああ、それはおまえさんがLVが上がったのとここの街での信頼を得たからだのう」


 信頼を得た・・・称号『街の英雄』ってのもそれに貢献してるかも?


 ディクショさんの話を纏めると各町や村、各ギルドや国家の信用を得ることができればそこ特有のスキルやアイテムの購入が可能になるらしい。 それは個人での信用度もあればその者が所属するギルド全体の評価もあれば所属ギルドの個人が満たせれば他のギルド員もその恩恵を得られるものもあるらしい・・・


「この先ギルド勧誘とか増えそうな仕様だな・・・活気が出るのはいいことだが・・・」


 それはともかくカタログを見ていく・・・やはりこの前スキル取得欄に増えてたスキルも幾つかここに増えていた。


 訓練所で見かけた時はそのまま取りそうになったが思いとどまってよかった・・・かな?


「おおっ!? これは・・・ こんなものまで? なんだこりゃ? まあ安いしありなのか? これは買いだな・・・ むう・・・ちと高いな・・・買うか?」


 そんな風にとりあえず買えるものは買っておく・・・と、気になる物も買っておく。


 ついでにスクロールの上質紙を買うが、フト思い出すことがあった。


「ディクショさんに聞きたいんだが・・・」


「ん、なんじゃね?」


「マジックリングって1つの魔法が何回も使えるってアイテムを見たんだがそれってスクロールでも同じことができんかな?」


 オレの質問に腕を組み考えるディクショさん。


「やっぱりそんな都合の良い物はできんか・・・」


「スクロールでは無理じゃ・・・込めた魔力に紙がもたず魔炎で燃え尽きる・・・が、燃えない素材に書けば再利用は出来るな。 ただし使ったら再度『魂込め』は必要じゃが下ごしらえは不要になる」


「・・・と言うことは・・・その素材さえあればLVごとのスクロールを作っておけばその場で『魂込め』できれば即座に使えるしLVごとの制限はあるが使い捨てで無くなると?」


 オレの質問に大きくウムと頷くが・・・少し顔を顰める。 何か他にあるのか?


「じゃがな・・・作っても書くことが出来なければ無利なんじゃ・・・」


 残念そうなディクショさんの話を聞くとそういった素材・・・魔物の皮等を使うと魔法文字を書く為のインクが滲んだりはじいたりして上手く書けなくなるとのこと。

 同じ理由で金属に書き込めないので彫りこむことにした結果マジックリングが出来たそうだ。

 何でも魔法文字が彫りこんだ場合、変化せず魔法の詠唱も彫りこめば使用できるが『魂込め』ができず、MPを込めれない。 結果その場でMP消費のデバイスみたいな指輪等ができた・・・でもそれはそれで使えねえか? 今度詩乃に相談してみよう。


「お、そろそろ時間か・・・じゃあ、またきます」


「はいよ、まいど」


 そういって待ち合わせ場所に向かった。



~~~~~~~~~~~~~~~




「ちは~」


 いつもの・・・と言うには二日目だが・・・廃屋に入ると既に5人が待っていた。


「「「「「ちは~」」」」」

「さっきぶり~ガグからの荷物ありがとな~。 んで、鑑定って言ってたが何かオレがやってもいいのか?」

「いえいえ、ガグさん・・・スゴク強かったんですが・・・ソノ話はあとでってことで・・・ 鑑定なんですけど、どうも鑑定する人によって鑑定前の?表記のアイテムってランダムっぽいんですよ・・・」

「そうそう! だから幸運高い人ならどうなるか・・・って思って」


 ブレスと白夜がまくし立てる・・・えらく興奮してるが余程の物を手に入れたか? 何にしてもランダムか・・・昨日の鑑定前アイテムを残しとくべきだったか・・・


「それで依頼料として未鑑定のスクロールでどうです?」


 そう言ってガイがスクロールを取り出した。


「ほう・・・スクロールのドロップってこの近辺でもあるのか・・・もっとLV高い所まで行かんと出ないと思ってた。 ・・・報酬は良いが・・・そうだな、オレが使って複製できる物ならそれをやるよ」


「ありがとう政さん!」


 魔法使う白夜が一番嬉しそうだが・・・スキルスクロールって可能性もなきにしもあらず・・・スキルはスクロール化できねえからな・・・上級になったらできるんだろうか?


「それじゃあこれから鑑定するぞ・・・ほう・・・『ファイヤーボール』古代魔法系の範囲・・・5LVか・・・良いスクロール手に入れたな!」


『ファイヤーボールLV8』古代語魔法LV5

指定した空間に直径6mの火球を生み出す爆発魔法

有効射程 10m+SLV

魔法攻撃力 SLVにより増加


 最初からLV8の魔法習得・・・ある意味レアだな。


「こんなんなったが・・・スマンが作成できるのは6LVまでで習得2LV分落ちるがかまわんか?」


「6LV!? 十分です! 1LVからの習得と思ってたし。 多分それって政さんの補正かかってそうだし?」


「そういうもんか? じゃあ、早速使って・・・『魂込め』・・・っと今は札しかねえからこいつで勘弁してくれ。 効果は変わらん」


「え!? あれ? ファイヤーボール使ったの? 何も起こってないんだけど?」


「あ? 魔法の手加減は知らんのか? システムで威力を最低に落とせば発動成功しても効果が出ないんだが・・・」


 それを聞き白夜とブレスの魔法職の二人がシステムの説明を読み出す。


「・・・ほんとだ・・・ある・・・何の役にも立たないけど・・・」


「役には立つぞ」


「「え!?」」


 オレの説明に二人は驚いた顔をする。


 軽く説明すると魔法を発動させて効果が無い状態でもMPは減る。

 さらに魔法を使ったと言うことは変わらず魔法LVに経験は入るのだ。

 つまり、MPさえあれば魔法の空撃ちでLV上げが可能ってこと。

 利点はそれだけだが不利点は一度魔法威力を下げて忘れてると次に撃った魔法も下げたままになるのでシステム弄った後は戻しましょう・・・ってな。


「あ、これって上げすぎた魔法のLVも下げれるんだ・・・」


「ってことはLVでMPの消費が上がるのも調整できるってこと?」


「そうなるな、オレはスクロール作るときに良くそこらへんを弄るからな」


 そういいながら他のアイテムも鑑定していった。


エリートゴブリンの杖 ☆×7 耐久 99/99

両手杖

攻撃力 +35

魔法攻撃力 +90

必要アビリティ 知力 精神力

樫の木製の杖

エリートゴブリンメイジが使っていた杖

冒険者の遺品かもしれない樹齢100年以上の樫の木から作られた魔杖

『ゴブリンスレイヤー+5』

ゴブリン種に対して+25%のダメージ量増加効果

『魔法威力上昇+3』

装備中は魔法攻撃力+15%増加

『魔法威力上昇+10』

装備中は魔法攻撃力+50%増加

『魔法威力上昇+10』

装備中は魔法攻撃力+50%増加



エリートゴブリンの大剣 ☆×7 耐久 99/99

両手剣

攻撃力 +80

必要アビリティ 筋力 体力

鉄製のバスタードソード

エリートゴブリンが使っていた大剣

冒険者の遺品かもしれない名剣

『ゴブリンスレイヤー+5』

ゴブリン種に対して+25%のダメージ量増加効果

『アタック+7』

装備中は攻撃力+35%増加

『命中アップ+8』

装備中は命中率+40%増加

『麻痺+5』

この武器でダメージが入った者に25%の確率で麻痺付与


クイックリング+5 ☆×5 

指装備品 指輪

特殊スキル

装備中敏捷増加+5


「「「「「はあ!?」」」」」

「凄い杖拾ったもんだな・・・」


 この杖結局攻撃力2.15倍になるわけだ・・・


「ははははは・・・白夜の読みが良い具合に当たったじゃねえか」

「ははは・・・笑うしかない数字だね」

「白夜たんの時代キタ~♪」

「この大剣も何気に凄いと思うんだが・・・」

「どこからどこまで『鑑定』効果か分からんが・・・ま、当たりだったんだから良かったじゃねえか?」


 多少予想外の大物を取りすぎて混乱してるようだが結果オーライとしとこう。



今回のスキル・・・は無いので状態異常のみ


『麻痺』

麻痺にかかった状態

10秒間行動する度に麻痺の+強度確立で行動がキャンセルされる。


今回はガイPTの後処理でした


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