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30代からの婚活デビュー  作者: あまやま 想
第16章 婚活は所詮、手段に過ぎない?
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婚活は所詮、手段に過ぎない?①

 花上春樹が亡くなってから、まだ一ヶ月しか経っていないのに、ずいぶんいろんなことが変わったな…。田井島正行は十月の三連休の初日に朝食を買いにコンビニまで歩いて向かっている。


 鳥飼は妊娠二ヶ月で来年五月には二人目が生まれるらしい。しかも、場合によっては双子かもしれないと言うおまけつきだ。来月には双子かどうか、はっきり分かるとのこと。


 田吉のおっさんは、ただの女好きのどうしようもない軟派野郎と思っていた。しかし、実はバツイチ子持ちで、先妻が再婚するために息子の大濠大蔵と今生の別れをさせられていた。多分、おっさんは女遊びに高じる病さえなければ、きっと今も家族三人で仲良くやっていたのではないか。


 大蔵といる時の田吉は、まさにお父さんだった。先妻は再婚相手と一緒になるために、年明けには東京へ行くらしい。大蔵を連れて…。しかも、これからは養育費もいらないから、大蔵と会わせることもできないとのこと。


 大蔵に必要なのは、しっかりとした父親なんだとダメ出しされたらしい。それでも、おっさんなりにどうにかしようとはしていた。まあ、既に手遅れだったが…。


 コンビニでのり弁当を買って外に出ると、携帯が鳴った。誰だろうか…。休みの日に田井島に電話してくるのは、田吉か鳥飼のどちらかしかいない。おっ、田吉のおっさんからだ。


『おう、田井島。お前、暇にしているだろう? 昼から会わないか?』


 それにしても、どうして田吉も鳥飼も暇だと決めてかかってくるのか? まあ、確かに休みの日は特に予定もなく、いつも暇にしているけど…。それにしても、あんまりではないか…。


「いや、今日は昼から、ちょっと予定がありまして…」


『ああ、そうか。それは残念だな…。実はお前が学生時代にフィリピンでボランティアしていたと言っていただろう。だから、たまには英会話交流にでも顔を出してみようかな…と思った訳よ。まあ、いいや。じゃあ、俺一人で行くから…』


 ああ、ちょっと待った! 何で、そんなおいしい話を唐突に出すかな…。そう言えば、おっさんが


「お前は合コンよりも、オフ会の方が向いているかもしれんな…」


と言っていたような…。なんか、同じ興味や趣味を持った人同士で仲良くなって、友情の延長で恋愛とか結婚した方がよいらしいとか…。それにしても、おっさんの情報網、どんだけ広いんだよ…。

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