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30代からの婚活デビュー  作者: あまやま 想
第14章 家仕舞い
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家仕舞い⑦

「それにしても不思議ですね…。春樹さんが亡くなって、みんな悲しいはずなのに…。お義父さんも、うちの父も、今まで見たことないぐらいに仲が深まって…」


「悲しいから、仲が深まるのよ。私達、みんな同士なの。春樹を失って悲しみにくれる…。華ちゃんも、その仲間よ…」


 華ちゃん? 華の記憶が正しければ、義母から華ちゃんと呼ばれたのは初めてだ。これまでどこかよそよそしくて、義父母は常に華さんと読んでいたのに…。


 皿洗いしながら、悲しみは傷を舐め合うことでしか乗り越えられないものなのか?…と何度も自問した。しかし、答えは出なかった。そもそも、今はまだ答えが出るはずもないのだ。だって、まだ始まって間もないのだから…。


 皿洗いが終わり、ようやく一段落する。遥斗が昼寝したので、女性三人で少しゆっくりしようと台所で話していた時のこと。急にドアベルが鳴り、誰だろうかと義母が玄関へと出て行く。まさか、またあの方が来たのだろうか? 加害者の母親も大変だろうけど、できれば金輪際会いたくないものである。


「ちょっと、富子さん、華さん。保険会社の方がいらっしゃったよ。大切な話だから、俊夫さんと父さんにも同席してもらいましょう」


「あ、私、二人を呼んできます」


 保険会社っ…。やはり、春樹の死亡保険だろうか…。それとも、交通事故の損害賠償だろうか…。これからは保険金の話も進めていかないといけないな…。遥斗には父がいないからと言って、不自由な思いだけはさせたくない。


「お父様方、作業中に申し訳ないんですけど、保険会社の方が来られたので、同席してもらえますか?」


 義父も父も

「よし、わかった」


と言って、一緒に下へと降りて来た。全員がそろったところで、保険会社の方が説明を始める。話によれば、交通事故の損害賠償であり、加害者の自賠責と任意保険から支払われるとのこと。


 今回は加害者が飲酒運転をしているため、加害者の過失が大きい。しかし、一方で春樹が子どもを助けるために車へ飛び込んでいるため、過失割合は八対二となるそうだ。


「子どもを助けるために、春樹は飛び込んだのに…。法律の世界は無情ですな…」


 義父が思わずつぶやく。もちろん、外交員はそのことに関しても、丁寧に説明する。損害賠償はそれぞれの事実を客観的に整理する必要があるため、どうしても実生活ではしない表現も出るとのことだった。

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