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30代からの婚活デビュー  作者: あまやま 想
第14章 家仕舞い
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家仕舞い⑥

 義父母と、父母と、息子のいる食卓はやはり違和感がある。華は他の五人が仲良くごはんを食べていることが不思議でならない。


 別に義父母には春樹しか子どもがいない訳ではない。春樹には三歳年上の姉・葉月がいる。しかし、葉月は地元で教員になれずに東京で教員をしている。


 葉月とは葬儀で久々に会ったが、受け持ちの児童が待っているからと、葬儀が終わってからすぐに東京へ帰ってしまった。もともと、春樹とはあまり仲良くなく、両親にもそんなに愛されていないようだ。


 華も姉・花菜とはあまり仲良くない。お互いに女の子同士でベタベタするのが好きじゃなかったし、お互いに歳が離れているので何かと近寄り難かった。


 さらに、結婚して遠方に嫁いだし、姉の夫が父母とあわないことがさらに距離を遠くしている。そうか…。どちらも似たような背景を抱えている訳か…。


 それなら、春樹はきっかけに過ぎないし、いずれにしてもこの四人は仲良くなる運命だったのか? 華は遥斗にごはんを食べさせながら、そんなことを考えた。


 田井島、血のつながった親子でも、親が子どもを分け隔てなく愛するのは難しいんだよ…。田井島はたまたま偏った愛し方しかできない養父と母に冷遇されたけど…。


 でも、世の中には誰だろうと自分の子どもとして、分け隔てなく愛し、育てることのできる親もいるんだよ。血のつながりとか、そんなの関係なく…。どうして、言えなかったんだろうか? 二日前、田井島がピザを食べながら、何気なく聞いてきた質問に…。


『なあ、鳥飼…。どうしたら、連れ子と実の子どもを分け隔てなく愛せるかな…。そうしないと、子どもって、簡単に家庭での居場所を失ってしまうからな…。僕は、自分の子どもにあんなつらい思いはさせたくない…』


 それを聞いて、華は田井島が未だに居場所を見つけられずにいることを知った。そして、これまで仮の居場所にしていたマンションが無くなることを嘆いていると感じた。きっと、そうだ…。


 だからこそ、田井島は春樹と華が結婚した後も、ずっと一緒にいることを選んだのだろう。それなのに、私と来たら…。


 田井島は未だに想いを諦めずにいると都合良く解釈して、本当に馬鹿だ…。所詮、その程度だから、田井島の質問に答えられなくて当然だ。むしろ、あの時、下手に答えなくて良かったかも…と華は一人ごちる。


 昼を食べ終わると、華は皿洗いを申し出た。すると、


「ここは私の家だから一緒にやりましょう」


と義母が言うので、遥斗は母が見ることになる。義父と父は再び二階の物置部屋へと行ってしまった。まるで秘密基地で喜んで遊ぶ少年のようだ。遊びの舞台が先立たれた息子の遺品でなければよかったのに…。

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