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30代からの婚活デビュー  作者: あまやま 想
第12章 田吉のセッティング
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田吉のセッティング⑥

「で、田井島さんは?」


「私ですか? そうですね。何事にも一途で一生懸命に取り組める人に憧れますね」


「さし子とか好きでしょう?」


「まあ、そうですね…。売れるためなら、ヘタレも汚れも進んで引き受け、スキャンダルすらもチャンスにしてしまうしたたかさ…。やっぱり、自分が持っていないものに憧れますよね…」


「なるほどですね…。すみません。ちょっと、お手洗いに行って来ます」


 そう言って、中江は田井島の前からい無くなってしまった。このタイミングで田井島は目の前にある料理を一気に食べる。


 この調子だと、今日も栄養をつけて終わりになりそうだな…と思っていたら、目の前に四位しずえがやって来た。座ってもいいかと、目で訴えて来たので、田井島は無言で頷く。四位は当然のように目の前へと座る。


 このように、誰かがトイレに動いたのを機に、なし崩し的な席替えタイムへと入ることはよくあると、田吉のおっさんが言っていたな…。田井島は飲み会でこまめに動き回るのが苦手だ。


 どちらかと言うと、すみっこで動かずにしっぽりやるのが好きである。誰かが来れば、それなりに合わせるが、こちらからわざわざ出向くことはない。つくづく、あまり合コン向きではない…と痛感させられる。


「田井島さんって、役所勤めなんでしょう? このご時世にうらやましいですね」


「そうですか? 私は四位さんみたいに、大学に残って好きなことをやり続けることの方がうらやましいと思いますけどね…。描きたい絵を描いて、学生に絵の指導をして…。ああ、私にも芸術の才能があればな…」


 役所勤めのことで、あまりにもあれこれと言われるものだから、思わずふてくされたくなる。どいつもこいつも都合のいい部分しかみてないじゃないか…。


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