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30代からの婚活デビュー  作者: あまやま 想
第12章 田吉のセッティング
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田吉のセッティング⑤

 女性の最後は例の遅刻女性であった。この十人の中では最年少のようだ。まあ、男性だけなら田井島が最年少なので、この席でついていると思った。


 それにしても、合コンでは年齢も正直に答えないといけないのか? この前の合コンボーリングとはえらい違いである。ようやく、自己紹介が終わり、しばし歓談…。


 田井島はすぐに中江に話をかける。すでに他のテーブルでも正面の男女が話を始めていた。さすが、みんな慣れている。慣れていないのは、中江と田井島だけのようだ。


「えっと…。田井島さんでしたよね?」


「はい、そうですよ。中江さん、お仕事は何をされているんですか?」


 お互いに慣れていないとは言え、あまりにもぎこちない。これなら、就職面接の方がまだうまく話せたかもしれないな…。


「私ですか? 私は病院で看護助手のアルバイトを週に三回しております。あとは実家で家事手伝いのようなことをやっております。田井島さんは?」


「私は、しがない公務員ですよ…」


 とりあえず、お互いの仕事の話から始める。役所勤めと言うと、なぜ気楽とか楽とか決めつけてかかってくるのだろうか…。田井島が市役所で勤めていると話したら、中江は


「このご時世に、公務員なんてうらやましい限りですね…」


と言う始末である。確かに失業や倒産の心配はないが、公務員になら何を言っても構わないと考えている人が多いので、そのような人を役所で相手するのは本当に大変だ。ただ、その大変さは他業種の方々には全く伝わらないのが残念である。


「中江さん、好みのタイプは?」


「そうですね…。阿部寛みたいに背が高くて、顔の彫りが深い人ですね…。あとは堺雅人みたいにコツコツ努力する人が好きです」


 マジか…。身長が一六二・五センチの田井島にとっては、背が高い人が好きと言われても…どうすることもできない。


 中江奈美は矢口に似て一四五センチほどしかないとは言え、一六〇ぐらいでは物足りないのだろう。そうでなかったら、阿部寛とか面と向かって言わないに違いない。せめてもの救いは、堺雅人みたいにコツコツ努力する人が好きと言ったことだろうか…。

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