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ゴースト・ガード!~超人気配信グループを男装女子がお守りします~  作者: 天咲リンネ


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26/26

26:これからも一緒に

「じゃあ、良かったら今度、うちの神社に来てよ。シロにも紹介したいし」

「シロ?」

「うちの神社には『クロ』の他にも『シロ』っていう神使がいるの。クロは体毛が真っ黒だからクロで、シロは真っ白だからシロ。シロはクロよりも優しくて――」

「ねえあげは、ちょっと待って」

 ルネちゃんがわたしの台詞をさえぎった。


「クロとかシロとか、何のこと? シンシって何?」


「あ」

 そういえば、ルネちゃんにはクロのことを話してなかった。

 ルネちゃんはSEASONの配信を見てるから、わたしが霊能力者だってことは知ってるはずだけど……自分の目には見えないものを信じてくれるかな。


 ――ううん、きっと。

 たとえ、自分の目には見えなくても……ルネちゃんなら、きっと信じてくれるはずだ。

 SEASONのみんなが信じてくれたように、ルネちゃんも信じてくれるって、わたしは信じたい。


「あのね」

 わたしは正直に話した。

 これまでのことや、立切神社に仕える二匹の神使のことを、全部、包み隠さず。


「ふうん。神様の使い、ねえ……なんか、ファンタジーだわ」

 わたしの話を聞き終えて、ルネちゃんは口をへの字に曲げた。


「……やっぱり、信じられない?」

「まあね。でも、あたしは実際に、キリヤがトンネルで悪霊と戦う配信を見た。あたしの目に悪霊は見えないから、ただ手足を振り回しているようにしか見えなかったけど。霊感があるらしい人たちはコメントで『キリヤが霊をぶっ飛ばしてる』って言ってたわ。今日のライブで妙なアレンジを入れてたのも、念とやらを祓ってたからなんでしょ?」

「うん」

「じゃあ、今日のダンスは文句なしに120点ね。踊りながらSEASONを守るなんて、やるじゃない。さすがあたしの友達ね」

「えっ!?」

 ルネちゃんが、わたしのこと、友達って言った!!


「何よ。いまさらでしょ」

 ルネちゃんは赤くなった頬を掻いた。


「あとさ。クロのことも、念や霊のことも、丸ごと全部信じるから。見えなくても、友達が言うなら……信じるしかないでしょ」

「うんっ!! ルネちゃん、大好きっ!!」

 たまらず立ち上がり、わたしはルネちゃんに抱きついた。


「ちょっと、抱きつくなっ!!」

「あはは。ルネちゃん、顔真っ赤~」

「可愛いですね」

 司先輩と春宮くんが笑っている。


「ところでさ。来週の日曜日、ライブの打ち上げパーティーしない?」

 わたしたちが落ち着いたところで、玲央先輩が切り出した。


「いいよ~。参加する~」

「おれも参加します」

「ぼくも」

「よし。あげはちゃんとルネちゃんはどう? 参加してくれる?」

「「もちろんです!」」

 わたしとルネちゃんの声は綺麗に重なった。

 スマホのカレンダーアプリに赤文字でスケジュールを書き込む。

 それから、わたしはスマホを机に置き、思い切って口を開いた。


「……あの。皆さん。頼みがあるんですけど、聞いてもらえますか?」

「どうしたの? 改まって」

 飲みかけのペットボトルを机に置いて、玲央先輩がわたしを見つめた。

 他のメンバーたちも、おしゃべりを止めて、わたしを見ている。


「先週から、レジェハンの実況配信を始めたじゃないですか。わたし、ゲームは本当に下手なんですけど……それでも良かったら……やっぱり、わたしも混ぜてもらえませんか!?」

 爪が食い込むほど拳を握って、言う。


「心霊スポット巡りも、ライブも終わっちゃいましたけど。わたしはこれからも、皆さんと一緒にいたいんです!」

 わたしの言葉に、SEASONのみんなは顔を見合わせて、なぜかニヤリと笑って。


「「「「もちろん、大歓迎!」」」」

 わたしを見つめて、全員が同じ言葉を言った。


「……!!」

 それは以前、白銀くんに「友達になりたい」って言われたときに、わたしが言った言葉だ。

 気づいた瞬間に、胸の奥がキュッとなって、目頭が熱くなった。


「配信とか抜きにしてさ。今度、みんなで遊びに行こうよ~」

「いいですね。たまにはプライベートで集まって遊びましょう」

「どこに行きたい? 映画でも見る?」

「あたしは遊園地に行きたいです!」

「ぼくは水族館かな」

「……カラオケだけは無しで。立切さんの歌は夢に出たから」

 みんなで行きたい場所を言い合っていると、白銀くんがボソッと呟いた。


「そ、それは言わない約束でしょ!」

「そんな約束、いつしたっけ?」

 わたしが顔を真っ赤にして言うと、白銀くんは小さく笑った。


「~~もうっ。白銀くんの意地悪!」

「あははははっ」

 みんなの笑い声が弾け、わたしもつられて笑った。


「ふふっ」

 友達と一緒に笑う自分がいることが、なんだか少しくすぐったくて、嬉しかった。



〈了〉

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