黄色い黒色
ニ十階でシューノ達を待ちかまえていた蒼白の肌を持った巨人を倒すと、ニ十一階へと続く階段の前にたちはだかっていた、炎の壁が消え去った。どうやら各階に配置されたキーモンスターを倒すことで、行く手を塞ぐ紫色の炎が消える仕掛けらしい。次のニ十一階はこのビルの最上階、そこで待っているであろう大ボスを倒すことでビル入口の炎も消えるのだろう。
階段を上がって見えたのは、いかにも、という大扉だ。どうやら最上階は講堂になっているらしい。警戒しながら両開きのドアを押し開くと、そこに待っていたのは意外にも、醜悪なモンスターではなく一組の男女だった。
女性の方は背が高い。そのまま美術品として通用しそうなプロポーションに、輝くブロンドの長髪。瞳の色は、炎の色と同じく深い紫色だ。
シューノには見覚えがあった。忘れることなどできないほど強く記憶に焼き付いているのに、名前の呼べない“彼女”
その彼女が全身黒尽くめの少年と、複雑なダンスでも踊っているかのように体を絡め合わせ、口づけを交わしていた。
男の方、あれは、まさか――。
彼女の顔だけが、こちらを向く。
「出会った時のことを思い出さない?」
涼しい、飄々とした口調。しかしその奥にたぎるような憎悪の色を感じてしまうのは、思い込みだろうか。
「そうだ。あの時も君は、そんな顔をしていたっけ。まるで化物にでも出会ったみたいな、引き攣った表情――」
彼女は口角を吊り上げ、悪魔のように笑って、こう言った。
「やっと、捕まえた」
少年が襲いかかってくる。両手に大剣を持って――。
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