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第1話 勇者パーティーの記録係

まえがき

この作品は2026年2月12日より「カクヨム」に投稿しているものを10月15日よりなろうにも投稿し始めたものです。

こちらにリアルタイムで投稿し始めたのは第六十二話からとなります。

それまでの作者の(まえがきやあとがきにおける)独り言は過去のものです。よろしくお願いします。







全てを記録する、それだけのはずだった————。









DUT(ダンジョン標準時)342.10.23 22:36:46.23

ホノカの【轟炎槍】(グレイトフレムランス)により第95層フロアボスHP3046に。

DUT 342.10.23 22:36:51.50

ユリウスの【光刃】(ライトカッター)により第95層フロアボスHP2153に。

DUT 342.10.23 22:36:59.41

敵攻撃をタケルがガード。

DUT 342.10.23 22:37:03.89

ユリウスの【光線】(ビーム)がクリティカルヒット。第95層フロアボスHP130に。

DUT 342.10.23 22:37:06.11

ホノカの【炎弾】(フレイムバレット)により第95層フロアボス撃破。

DUT 342.10.23 22:41:19.03

アイテム回収、ボス部屋探索を終了。第95層転移魔法陣より地上に帰還。


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



 うっ……、転移後の重力が急に戻っってくる感じ、いつになっても慣れないんだよな……。

階層が深くなればなるほどこの感覚も強くなる気がする。隣の商業国にあるって噂の……エ、エレベーター? みたいなやつとおんなじ感じなんだろうか。あれも高いと重力を感じるって話だしな。



 ……はっ。そんなことよりもギルドに行って帰還の報告と記録の引き渡しをしなければ。

「みんなは疲れてるだろうから先にパーティーハウスに戻ってて。俺はギルドに寄って帰るよ。」


「えー?レオ、あんたも疲れてるでしょ?みんなで行くよー?」

俺の幼馴染で魔法使いのホノカが言う。

「そうだな。みんなで行こう」

リーダーで勇者のユリウスだ。

「私はポーションを調達しないといけないからまたあとでですね」

シズネはついてくる気はないらしい。支援術師(サポーター)って自由でいいよな。

「タケルは行くよね?」

「あぁ、もちろんだ」

……タケル、味方じゃなかったのか。

「レオ、それでいいでしょ?」



 せっかく先に帰らせてカフェで本を読もうと、優雅なひと時を過ごそうと思っていたのに。どうやらシズネ以外連れていくしかなさそうだ。


「はいはい」


「返事はいっかいでしょ?今日の夜ご飯なしにするよ?」

「……は〜い」

さすがにご飯抜きはまずい。ホノカのご飯地味に美味しいしな。……にしてもなんでこいつはこんなお母さんみたいなんだろうか。


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


 ここはルメア王国、王都ルミナ。光の都として名高い街だ。なんでも、神様が人間に分け与えた土地だとかなんとか。確かに街並みを照らす光は非常に美しく、世界屈指の観光都市にもなっている。おかげでカフェが多いのでありがたい。


 だが、街中に冒険者が多いのには別の理由がある。

何を隠そう、この街には《大迷宮》があるのだ。


 世界にダンジョンはたくさんあるが、このダンジョンの特筆すべき点は何といってもその広さ。他のダンジョンは上層では一階層が町一つほど、深層でも都市が一つ入るか入らないかという広さなところ、このダンジョンは上層でも都市一つがすっぽり入ってしまうほどの広さがある。そのため探索も時間がかかり、大迷宮発見から三五〇年ほどが経とうとしているが、いまだに第95層までしか攻略されていない。他のダンジョンの広さと深さから、二〇〇層まであるのではないかと言われている。


 そして、現在この大迷宮でトップにいるのが、俺が所属している勇者パーティーだ。




 ……所属しているといっても、「記録係」という普通のパーティーにはいない役職だ。記録係は基本的に戦闘をしない。とにかく起きたことを漏れなく・正確に・素早く記録することが使命だ。


 普通は起きたことを戦闘に参加した人間が覚えておくものだが、このパーティーは前人未到の階層を攻略中であり、正確に情報を伝えないと後を追うパーティーが危険にさらされる。攻略本なども作成されるので、とにかく詳しく書かなければならないのだ。


 それなら、近年開発された映像記録の魔道具でもいい、そう思うだろう?

だが、このパーティーのメンバーはあまりにも動きが速く、それでは追うことができないのだ。だから、人が実際に見て記録していくことをする必要がある。そこで、記録係をパーティーに入れることが決定したのだ。


 そこでたまたま目をつけられたのが、この俺、アレオ(呼びづらいのでみんなはレオって呼ぶ)だ。なぜか、生まれつき他の人よりも遥かに良い動体視力と思考速度を持っているのである。


…………そして、知らないうちにホノカが登録していた。




 俺の役割は、探索のたびについていって、専用に開発してもらった魔道具にとにかく記録していくこと。あとは経費の管理だ。


……どうやらギルドについたようだ。


勇者パーティーは今日も注目を浴びている。なんで俺がこの注目の中にいるのか……。






「⬛︎⬛︎⬛︎…、⬛︎⬛︎⬛︎上は⬛︎⬛︎よ⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎」



ん……? なにかが聞こえた気が…………? 疲れてるのかもな。

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