第20話「お宝の追加計画」
色々の新しい試みを行った。
一つ目。
ダンジョン内で使えるお金をアイテムとして設置した。
二つ目。
武器、防具、魔石を合計で20個しか持てないように制限をかけた。
一人の人間が大量のアイテムを占有することを禁止したのだ。
三つ目。
固定ダンジョンを5階、10階に割り込ませた。
このフロアは怪物やお宝を設置せず、休憩スペースにしてある。
そして、お金を使える施設をいくつか作った。
宿屋、アイテム店、娯楽施設、賭博場、などなど。
以上三点の施策を行ったところ、伸び悩みは解決した。
一人あたりの滞在時間が増え、得られる欲望ポイントが増えたのだ。
「やったやったー。わーい」
マモンが喜んでいる。
「さすがジュンイチです」
アヴィに褒められた。
ベルフェゴールのダンジョンをパクっただけなんだが、案外うまくいったようだ。
「すうすう」
ベルフェゴールは俺のベッドで眠っている。
あれからこの悪魔はこの部屋に住み着いてしまった。
一人だと寂しいらしい。
「次はどうするのですか?」
「またお宝を追加していこうか。人数が増えたらまたフロアを追加していけばいい。今の状態なら問題ないはずだ」
そして、もう一つ新しい試みを考えている。
ダンマス組合を利用したレアなお宝の追加だ。
【古強な英雄の為の地蔵】
1.お祈りすると若返る。
2.ただしお金をお供えしなくてはならない。
3.一年につき5千万円が必要(現在価値)。
4.お供えしたお金は消えてしまう。
5.地蔵を毎日掃除しないと、元に戻ってしまう。
【彷徨う英雄の為の地蔵】
1.お祈りすると探しものが見つかる。
2.ただしお金をお供えしなくてはならない。
3.金額により見つかる時間は変化する。1億円(現在価値)で一週間以内。
4.お供えしたお金は消えてしまう。
5.地蔵を毎日掃除しないと、見つけたものをまた見失ってしまう。
【現世への扉】
1.壁に設置して使用する。
2.その扉の先に行くと、自分の夢や目標を見つけることができる。
3.扉は地球上の陸地のどこかに繋がっている。
4.扉を使って戻ることはできない。
5.扉は一度使用すると五分後に壊れる。
【幽世への扉】
1.壁に設置して使用する。
2.亡くなった人の顔を強く思い浮かべながら中へ入ると、その人と会話ができる。
3.五分以上部屋にいると、現実世界へ戻れなくなる。
4.部屋の中で時間を確認できる手段は一切ない。
5.扉は一度使用すると五分後に壊れる。
今までポイントが足りずに断念していたものだ。
当然、簡単に取らせるつもりはない。
作戦はもう考えてあるのだ。
「ダンマス組合に申請しといたよ」
「おう」
フロア追加について、21階以上からまた必要ポイントが増えるらしい。
それまでは、ガンガン人を増やして問題ないだろう。
「よーし。じゃあこのままポイントを増やしていくか!」
「おー」とマモンとアヴィは応えた。
それから二カ月。
十一月になった。
現在の欲望ポイントは4万に到達した。
階層数は17階。
もう中堅ダンジョンを名乗ってもいい頃だろう。
さらにお宝を追加した。
【信仰心の欠片(中)(No26)】
1.当ダンジョンの地蔵シリーズへのお供え金額が2%低くなる。
2.二つ以上を所持した場合、2%、4%……と増加。ただし20%が最大。
※信仰心の欠片(小)との重ね掛けは可能。
【信仰心の数珠(その壱)(No27)】
1.当ダンジョンの地蔵シリーズへの掃除期間が変わる。
2.数珠を身につけて掃除をすると、その後三日間は掃除をしなくてもよい。
それに加え、マモンとアヴィ、それからベルフェゴールと遊びながら作ったアイテムで、気に入ったものもいくつか投入している。
ダンマス組合に申請していたお宝も出資者が集まりつつある。
あと一週間もすれば、解禁できるだろう。
イケメンの襲来があれから何度かあったが、基本的には順調そのものだった。
(全てアヴィが撃墜した。パイルドライバーで)
「あとちょっとで5万ポイントだね」
「だな」
「5万ポイントになったら、ジュンイチにご褒美あげる」
「ご褒美? なんだよ」
「内緒だよ。いひひ」
嬉しそうな顔で変な笑い方をしている。
どうしよう。不安だ。
「別にいいよ。ご褒美なんて」
「遠慮しないでいいんだよ。きっとジュンイチは喜ぶよ。あぁー早く5万ポイントにならないかなぁ」
なんか楽しそうにしているし、まあいいか。
多分くだらんことだろう。
こうして冬が始まるのだった。




