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第18話「怠惰の化身」

マモンがパソコンを操作し、色々と検索をした結果、ダンマス組合内で参加者を募っている施策があった。


怪物の相互利用。

お宝の共同出費。


目についたのは以上二つだろうか。


他にもお宝をパーツに分解してそれぞれのダンジョンに設置するとか、お宝を交換するとかというものあった。


他のダンジョンのお宝と同じものを自分たちで作れば、交換する必要がないんじゃないか、とマモンに訊いてみた。


「そんなのズルじゃん」


と言っていた。

偶然似てしまうのはいいが、明らかにパクるということを悪魔はしないようだ。


真面目である。悪魔なのに。


作ったはいいが誰にもゲットされないお宝を別のものに交換したいとか、そういう目的もあるらしいので、お宝交換は割とメジャーな取引らしい。


「ジュンイチ、どうするの?」

「どうしようかなぁ」


怪物の相互利用について考える。

これは怪物の手が空いている時に、忙しいダンジョンへ貸出しするというものだ。


怪物数はピーク時に合わせて揃えている。


この連携を利用すれば、常備する数をもう少し減らせるだろうけど、代わりにこっちの怪物も手が空いている時は貸し出さなきゃいけない。


多分ポイント的には得にはならないだろう。


が、大人数が押し寄せてきたりとか、そんなことがあった時には有効かもしれない。待機部屋にはそこまで怪物を用意していないし。


次、お宝の共同出費。


規模の大きいダンジョンにしか作れないお宝を共同で作り、どこかのダンジョンに置く。

そこへ入って来たポイントは、自動的に計算が行われ、出資者にそれぞれ還元される。


アイテムを置くダンジョンは、そのお宝を守る義務が発生するが、代わりにポイントも多めに貰えるし、知名度も上がる。


お宝をゲットされたとしても、責任を負うことはないようだ。ただポイントの還元が終わるだけ。

リスクは少なそうなので、別にやってもいいかもしれない。


「ジュンイチ、悩んでるなら他のダンジョンマスターと話してみる?」

「そうだな」

「じゃあちょっと待ってて。友達がいたから」


マモンは広間の扉を開け、そこへ入っていった。

つい最近まで、そこに扉はなかったはずだ。


「どこに繋がってるんだ?」

「あそこから行きたいダンジョンに行くことができますよ。そのダンジョンマスターの承認が必要ですけど」

「ふうん」


まあ今さら別に驚かない。

海ができていたくらいだし。

ちなみにあのビーチは閉鎖されたらしく、今は普通の広間に戻っている。


アヴィとそのまま待っていると、マモンが戻って来た。

その後ろに誰かがいる。


「あ、あれは?」

「連れてきたよぉー」


マモンより――というか俺よりも背が高い女の子だ。

180cmくらいあるんじゃないだろうか。

銀髪のショートカットで、花柄のパジャマみたいなのを着ている。


「学校で隣の席だったの」


とマモンが言った。

悪魔にも学校があるのか。


その後ろにいる子はやけにだるそうな顔で俺を見下ろしていた。


本当に悪魔なのだろうか。

ダウナー系美少女にしか見えん。


「どうも、人間のジュンイチです」

「…………くぅ」


くぅ?


その子は目を閉じてしまった。


「こらこらぁ、寝ちゃだめだよベルフェゴール。お話ししてくれるって言ったでしょ」

「んにゃ。あう、ごめん」


寝てたのかよ。嘘だろ。


「ボク、ベルフェゴールです」


そしてボクっ娘らしい。


「よろしく、ベルフェゴール」

「………………すぅすぅ」


寝た。

何なんだ、こいつ。


「あっちで話しましょう」


アヴィが後ろからベルフェゴールをがしっと掴み、そのままテーブル席へ持っていった。ベルフェゴールは机に伏して眠っているようだ。


とりあえずテーブルに座る。


「寝てるんだけど?」

「起きて、ベルフェゴール」

「うーん」


眠そうな顔でこっちを見た。


「ベルフェゴールのダンジョンはどれくらいの大きさなんだ?」

「…………」

「最近伸び悩んでるんだ。ちょっとヒントをくれ」

「…………むにゃ」

「おい! 寝るなよ」


びくっとベルフェゴールの肩が震えた。

が、彼女は顔を上げなかった。そのまま机に顔を埋めている。


「悪魔ってのは、みんなこうなのか?」

「ちょっと寝るのが好きなだけだよ」

「はぁ、もういいや。起きたら色々話してみよう。他のダンジョンマスターと話せば、何か見えてくるかもしれないし」


ベルフェゴールの寝息を聞きながら、多分こいつと喋っても何も得られんだろうとそんな予感がしていたのだった。

唐突にお色気シーンを書きたくなったので、次回はそうするかもしれません。


あと今気がついたのですが、タイトルが他の作者様とめちゃくちゃ被っていました。

申し訳ありません。

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