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俺を殺した宝箱に俺が転生してどうすんだよ! ~中に入れたものが全部強くなる収納チート~  作者: ぶらっくそーど
第三部 七つの蓋編

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第64話「砂漠に、新しい村」



 螺旋階段を下りる。


 ……長い。本当に長い。塔は七階建てだけど、円形の螺旋階段だから実際の歩く距離は普通の階段の三倍くらいある。


 俺はズズズで段差をがたんがたん下りてる。


 ガルドが両腕の亀裂を抱えながら下りてる。


 ガウルがふらつきながら下りてる。


 ナギが下半身の蛇でぬるっと滑り下りてる。


 レグナが大股で下りてる。骸骨だから疲れない。


 リーリアはガルドに支えられて下りてる。アイがリーリアの肩に乗ってる。


 ……全員、ボロボロだ。


 戦の王、本当にやばかったな。あいつ、死んでも俺たちの体力ゴリゴリ削ってくる。


 ガルドが階段の途中で言った。



「タカラ。新スキルの〝闘気纏(とうきてん)〟、試してみろよ」


〝今か?〟


「降りる前に試しとけ。下にドレイクいるんだろ。ドヤるネタ作っとけ」


 ドヤるって……まあ、いいか。


 俺は蓋の外殻に意識を向けた。戦の王から流れ込んできた闘気。


 ぐっと意識を集中する。


 俺の蓋の表面に——薄い金色の闘気が、膜のように張った。


 パンドラボックスの本来の琥珀色の表面に、金色の闘気の層がコーティングされてる。


 ガルドが目を見張った。


「お、すげえ。なんか光ってる」


〝光ってるか〟


「光ってる。でもあれだな……宝箱に闘気って、なんか変だな」


〝変じゃないだろ〟


「いや、変だ。武人と宝箱がイメージで結びつかねえんだよ」


 ……失礼な。


 でも、確かに。武人の闘気を纏った宝箱、という見た目は——うん、俺も分からない。


 ナギが蛇の体を巻きながら、笑った。


「武人みたいな宝箱だな。新しい敬称が必要だぜ。〝武宝箱〟とか」


〝呼び方は蓋を開ける者(オープナー)のままでいいよ〟


「えー。武宝箱の方がかっこよくね?」


〝悪意あるだろそれ、ダサすぎるぞ〟


「ちっ、バレたか」


 ナギ、容赦ないな。チョンよりよっぽど辛辣だ。



 ◇



 塔の入り口の扉が開いた。


 外の砂漠の光が、目に刺さる。塔の中の暗さに慣れてたから、まぶしい。


 扉の向こうでドレイクが立ってた。


 白い鎧の聖騎士。腕を組んで、待ってた様子。


 俺たちが出てきた瞬間、ドレイクが目を見開いた。


「……生きて戻ったか」


〝戻った〟


「全員無事か?」


 ガルドが両腕を見せた。裂傷が見える。


「無事じゃねえ。けっこう派手にやられた」


 ドレイクが眉を寄せた。


「戦の王と——どうなったんだ」


〝浄化した。武で語って、本人が満足して、消えた〟


 ドレイクがしばらく沈黙した。


「武で語って、消えた、か」


〝そうだ〟


「……信じられんが、おまえが言うなら本当なんだろうな」


 ドレイクが、深く息を吐いた。


「俺の三年の任務が、ようやく終わるな。戦の王の封印を守ること——それが俺の任務だった。封印が解けたなら、もう、ここに駐留する必要はない」


〝駐留部隊、撤収するのか〟


「いや」


 ドレイクが俺を見た。


「俺は、ここに残る」


〝え〟


「セルディス団長に上申する。第二の塔は封印が解けた。だが——封印が解けたことで、砂漠の魔物が本来の力を取り戻した。新しい問題が起きるはずだ。それを管理する者が必要だ」


 ドレイクが、少しだけ笑った。


「俺がやる。元第三駐留部隊指揮官として、砂漠の管理を引き受ける」


〝聖騎士団からは離れるのか〟


「離れない。立場は聖騎士のまま、砂漠に残る。聖騎士団と、パカラ村と、砂蛇族の橋渡し役だ」


 ……ドレイクが、レイスみたいな立ち位置になるってことか。


 堅物の聖騎士が、魔物との橋渡し役。一年前のドレイクが聞いたら殴りかかってきそうだな。



 ◇



 ドレイクが地図を取り出した。


 砂漠の地図。塔を中心に、周辺の地形が描いてある。


「砂漠の管理について、相談したい」


 俺たちは、塔の入り口の前で、地図を囲んだ。


 ドレイクが指差した。


「ここに、砂蛇族の集落がある」


 ナギの故郷だ。


「ここに、砂帝蠍の縄張り。ここに、戦王軍(せんおうぐん)の旧本拠地」


 戦王軍(せんおうぐん)の本拠地は、首領を失って今は誰もいない。


「俺の提案だ。これらを統合して、砂漠の自治集落を作る」


〝集落?〟


「ああ。砂蛇族を中核に、砂漠の魔物たちが共存する集落。パカラ村のような」


 パカラ村のような。


 砂漠版パカラ村だ。


 ナギが目を瞬いた。


「俺の故郷を、もっとデカくするってことか?」


「そうだ」


「リーダーは?」


 ドレイクがナギを見た。


「おまえが適任だろう、ナギ。砂蛇族の砂嵐の踊り子(サンドダンサー)蓋を開ける者(オープナー)の信頼を得ている、砂漠の地理に精通している。リーダーの条件は揃っている」


 ナギが目を丸くした。


「俺が? リーダー?」


「不満か?」


「いや、不満じゃないけど……俺、性格、こんなだぞ? 軽いっていうか、ふざけてるっていうか」


 ガルドが横で頷いた。


「ふざけてる、確かに」


「ガルドも軽いのに、リーダーやってるじゃねえか!」


「俺は元々ホブゴブリンの長だぞ。ふざけてないぞ」


「いや、軽いって!」


 二人が漫才始めてる。やめろ、ドレイクが困った顔してる。


 ドレイクが咳払いした。


「リーダーの素質は、性格の軽重ではない。配下を統率できるかどうかだ。ナギ、おまえは砂蛇族長老の信頼を得ているのだろう?」


「うちの長老はうるさいけど、まあ、信頼してくれてはいるな」


「ならば、十分だ」


 ナギが下半身の蛇を巻いた。考えてる時の癖だ。


「……リーダーか。やったことねえな」


〝ナギ、俺はおまえならできると思う〟


「タカラ……」


〝砂漠を案内してくれた時のおまえ、頼もしかった 砂漠のことを誰よりよく知ってる〟


〝それに——おまえはちゃんと、配下のことを考える奴だ〟


 俺が砂蛇族の集落を解封した時、ナギが一番嬉しそうにしてた。自分の故郷の仲間が力を取り戻すのを、心から喜んでた。


 配下のために動ける奴は、リーダーになれる。


 ナギが、ふっと笑った。


「タカラに言われたら、断れねえな」


「やるか?」


「やるよ。砂漠の自治集落、ナギが受け持つ」


 ドレイクが頷いた。


「決まりだな」



 ◇



 次の問題は——砂鬼将(さきしょう)蠍道士(さそりどうし)だ。


 ドレイクの陣地で拘束されてる、戦王軍(せんおうぐん)の元将軍二人。


 ドレイクが、二人をホールに連れてきた。


 砂鬼将(さきしょう)は、両腕を縛られたまま、堂々と立ってる。鬼人族の戦士の誇り、まだ折れてない。


 蠍道士(さそりどうし)は、杖を奪われて、下半身の蠍だけは縛られてないけど、おとなしく座ってる。


 俺が、二人の前に進み出た。


〝戦の王は浄化した〟


 砂鬼将(さきしょう)が——目を閉じた。


「……あの方は、満足されたか?」


〝満足してた 最後はずっと笑ってた〟


〝あんたの伝言も伝えた 〝力で負かしてやれ〟って〟


 砂鬼将(さきしょう)の目が、潤んだ。


「……あの方が、聞いてくださったのか」


〝聞いてくれた あいつはあんたの願いを察してたよ〟


〝〝あいつめ。八百年生き残ったか〟って笑ってた〟


 砂鬼将(さきしょう)が、深く頭を下げた。縛られたまま。


「……ありがとう、蓋を開ける者(オープナー)。あの方を、ようやく解放してくれた」


 蠍道士(さそりどうし)も頭を下げた。


「我もまた、感謝する。もはや忠誠を捧げるべき主はおらぬ。我らは——どうすればよい?」


 俺はドレイクを見た。ドレイクが頷いた。


〝二人とも、自由にする〟


 砂鬼将(さきしょう)が顔を上げた。


「自由……?」


〝忠誠の主が消えたなら、おまえらに罰を与える理由がない〟


〝戦の王の意志で動いてただけだろ〟


「だが、我らは砂漠を荒らした。聖騎士団と戦った」


〝それは戦の王の暴走の結果だ あの王が浄化されたなら、もうない〟


〝もちろん、自由になった後で、また悪さをするなら別だ その時は俺たちが止めに来る〟


 砂鬼将(さきしょう)が、ふっと笑った。


「もう、戦う相手はおらぬ。我は——あの方が消えた今、戦士として続ける気もない」


 蠍道士(さそりどうし)が頷いた。


「我も同じだ。研究を続けたいが、戦の王の復活のための研究はもう要らぬ」


 研究、ね。


 ドレイクが提案した。


「ならば——どうだろう。砂漠の自治集落で、二人とも住んではどうだ」


〝それいいな〟


 ナギが下半身を巻いた。


「俺がリーダーやる集落な。元戦王軍(せんおうぐん)の将軍が二人入るなら、戦力的にも安心だな」


 砂鬼将(さきしょう)が眉を寄せた。


「我が、砂蛇族の集落に住むのか?」


「住め住め。鬼人族の戦士が、砂漠の集落に一人いるだけで、近隣の魔物が手を出さなくなる。広告塔だ」


 砂鬼将(さきしょう)が、苦笑した。


「広告塔、か。武人を広告塔扱いとは、初めてだ」


 蠍道士(さそりどうし)が、ふっと笑った。


「我は研究を続けても良いか。砂漠の魔法生態系について興味がある」


 ナギが頷いた。


「もちろん。研究、自由にやってくれ。集落の中で部屋を用意するよ」


 二人が、視線を交わした。


 砂鬼将(さきしょう)が、ドレイクを見た。


「聖騎士よ。本当に、我らを解放するのか」


 ドレイクが頷いた。


「ああ、条件付きだが——〝砂漠の平和に協力すること〟」


 砂鬼将(さきしょう)が、深く息を吐いた。


「……ならば、引き受けよう」


 蠍道士(さそりどうし)も頷いた。


「我もだ」


 縄が外された。


 砂鬼将(さきしょう)が、両手を回して肩をほぐした。


「久々に、自由だな」


 大剣を取りに行こうとして、ドレイクに止められた。


「武器は預かる。集落で平和に暮らすつもりなら、武器は要らんだろう」


「……まあ、そうだな」


 砂鬼将(さきしょう)が、苦笑して武器を諦めた。


 めずらしい光景だ。元魔王軍の将軍が、聖騎士に武器を預けてる。



 ◇



 その夜。


 ドレイクの陣地で、宴会になった。


 ガルドの提案だ。「戦の王倒したんだから、宴会だろ!」って。


 砂漠の食材を持ち寄って、焚き火を囲んで、肉を焼いて、酒を飲んだ。


 砂蛇族の三十人が集まって、砂鬼将(さきしょう)蠍道士(さそりどうし)もいて、聖騎士団二十人もいて、砂帝蠍(サンドエンペラー)も陣地の外でずしんと座って、肉の塊を時々受け取ってバリバリ食ってる。


 パカラ村と、砂漠の魔物と、聖騎士団が、一緒に宴会してる。


 ……一年前なら、この光景はありえなかったな。


 ガルドが酒を飲みながら笑った。


「タカラ。おまえ、また仲間増やしたな」


〝そうだな〟


「最初は俺たちゴブリン三百だけだったのに、今は——」


 ガルドが指を折って数え始めた。


「ホブゴブリン三百。ウォーウルフ、コボルト、トレント、グラドル、レイス。それからレグナ、リーリア、アイ、ドルトン、レイス、セルディス、マリウス——」


 ナギが横で言った。


「砂蛇族三十、砂帝蠍(サンドエンペラー)砂鬼将(さきしょう)蠍道士(さそりどうし)、ドレイクと聖騎士団二十」


 ガルドが頷いた。


「めちゃくちゃ仲間増えたな、おまえ」


〝俺は宝箱だ 中にいっぱい入る〟


 ガルドが酒を吹いた。


「ぶっ……はははっ、その例え、お前らしいな!」


 ナギも笑ってる。


「中にいっぱい入る宝箱、最高だな」


 パカパカパカパカ。


 俺は全力でパカパカ。武人の闘気を纏った宝箱が、宴会で全力パカパカ。


 ……うん、武人らしくない。完全に。


 でも、これでいい。俺は宝箱だから。



 ◇



 宴会の翌朝。


 俺たちは、出発の準備を始めた。


 パカラ村に帰る。


 ナギは——残る。


「俺、砂漠の自治集落のリーダーやるからな」


〝ああ、頼んだ〟


「タカラ、また会おうな」


〝もちろん〟


 ナギが下半身を巻いて、軽く頭を下げた。


 砂鬼将(さきしょう)が頭を下げた。


蓋を開ける者(オープナー)よ。我らの主君を、楽にしてくれた礼を、もう一度言わせてくれ」


〝言わなくていいよ。武人の作法だろ?〟


 砂鬼将(さきしょう)が、ふっと笑った。


「武人の作法は、何度言っても良いものだ」


 蠍道士(さそりどうし)も会釈した。


「研究の成果が出たら、書状で送る。砂漠の魔法生態系について、興味深い知見が得られそうだ」


 学者気質の元将軍。研究室にこもる方が幸せそうだな。


 ドレイクが——最後に、俺の前に立った。


「タカラ」


〝なんだ〟


「セルディス団長に、報告書を送る。第二の塔の浄化と、砂漠の自治集落について」


〝頼む〟


「ああ。それと——」


 ドレイクが、剣の柄に手を置いた。


「ガルドとの再戦は、また今度だな」


 ガルドが横で頷いた。


「次は——もうちょっと、お互い強くなってからな」


 ドレイクが、口元だけで笑った。


「楽しみにしている」


 二人が、握手した。


 ホブゴブリンと聖騎士が、握手してる。


 ……パカラ村に来た当初のドレイクからは、想像もできない光景だ。


 パカッ。



 ◇



 砂漠を出る。


 砂帝蠍(サンドエンペラー)が陣地の外で、ハサミを持ち上げて見送ってくれた。


「ギュウ」


〝元気でな 砂漠を頼んだ〟


「ギュ」


 Sランクのサソリが、砂漠の守護者に戻る。


 砂蛇族の長老が、深々と頭を下げた。


蓋を開ける者(オープナー)よ……。我らの恩は、生涯忘れぬ」


〝堅苦しいよ、長老〟


〝俺は通りすがりに蓋を開けただけだ〟


 長老が苦笑した。


「通りすがり、か。我らにとっては、八百年待った通りすがりだがな」


 ……うん、まあ、そうかも。



 ◇



 砂漠を、来た道とは別ルートで戻る。


 ドレイクが教えてくれた近道だ。


 ガルドが俺の横を歩きながら言った。


「タカラ。次の塔、どこだったっけ」


〝塔を一つ解いたら、蓋裏に新しい情報が出てきた〟



 俺は蓋裏を見せた。




 ──────────────────

   解放済みの塔:2基

   第1の塔:森(解放済)

   第2の塔:砂漠(解放済)


  * 第二の塔の解放により

   第3の塔の位置情報が

   解放されました


   残り:5基

   第3の塔:北の山脈

  氷壁の頂(ひょうへきのいただき)

   第4〜第7:情報未取得

 ──────────────────



 氷壁の頂(ひょうへきのいただき)


 ガルドが感心したように鼻をならした。


「塔を解くと、次の塔の場所がわかるのか」



〝そういう仕組みらしい 大賢者の設計だな〟


〝七基の塔は連動してる 一つ解くと、次が浮かび上がる〟



 砂漠の次は、氷の山。


 ……場所変わりすぎだろ。極端だな、塔の配置。


 ガルドが頷いた。



「砂漠の後は、雪山か。ホブゴブリン、寒いの苦手なんだよな」


〝俺は宝箱だから関係ない〟


「いいなおまえ、温度感じなくて」


 ガウルが尻尾を振った。


「ガウ。雪山は俺の鼻が効くぞ。砂漠みたいに匂いが消えない」


 ガウル、嬉しそう。砂漠で鼻が使えなかった鬱憤を晴らせるかも。


 レグナが言った。


「氷の山か。蒼い炎は、氷とは相性が良くない」


〝相性悪いのか?〟


「氷を溶かすのは得意だが、溶かした水に濡れると蒼い炎が小さくなる。湿度に弱いのは、砂漠で言ったとおりだ」


 ……魔王軍の将軍にも弱点があるんだな。


 まあ、覚えておこう。氷山では、レグナの蒼い炎は出力低下する。



 ◇



 パカラ村に向かう途中、街道沿いの宿場で——一通の手紙を受け取った。


 マリウスからだ。



 ドレイクが「セルディス団長宛ての報告書を送る時に、合わせて受け取った」と言ってた。マリウスが俺たちに送る手紙を、ドレイク経由で渡してきたらしい。



 封蝋を開けて、ガルドに読んでもらう。



 タカラ様へ


 第二の塔の浄化、おめでとうございます。報告書を読みました。

 戦の王を「武で語る」ことで浄化したとは、見事です。

 ところで——一つ、お知らせしたいことがあります。


 王宮内で、新しい派閥が動き始めています。


〝解封の力を、王国の武器として使うべきだ〟と主張する派閥です。


 ベルモント侯爵の処罰で反魔物派は一時鎮静化しましたが、

 今度は別の方向から——〝魔物を味方として使う〟という思想が、

 貴族の若手を中心に広がっています。


 彼らはタカラ様の力を「兵器」と見ています。


 ご注意ください。



 追伸:第三の塔について、興味深い情報を得ました。

「知の王」と呼ばれる魔王が封じられているそうです。

 戦闘では倒せない相手とのこと。


 お会いしたとき、詳しくお話しします。



 マリウス』





 ……ふむ。


〝魔物を味方として使う〟。


 反魔物派が消えても、別の方向から問題が来るな。今度は俺たちを「武器」として使いたい派閥か。


 ガルドが眉を寄せた。


「これ……敵か? 味方か?」


〝どっちでもない パカラ村を利用したいだけだ〟


「面倒だな」


〝面倒だ〟


 でも——マリウス自身も、その派閥の一員かもしれない。にこにこしてるあの男が、どっち側にいるかは、まだ分からない。


 追伸の「知の王」も気になる。「戦闘では倒せない相手」。


 戦の王の浄化は「武で語る」だった。次の知の王は——「知で語る」のか?


 ……俺、知略はあるけど、頭脳戦の魔王相手は、また違う準備が要りそうだな。


 パカッ。


 まあ、それは——次の話だ。


 今は、パカラ村に帰る。



 ◇



【次回】パカラ村に帰る。チョンが走ってきた。「おかえりー!!」——でも、何かがちょっと違って見える。チョンが、少しだけ、強くなってる気配。



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