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4話 同じ轍

薄暗く散らかっていた部屋は、

日差しが差し込み、綺麗なっていた。


「由美子さん、もう依頼は済んだだろう?

なぜ掃除していく……

用事がないなら帰ってくれないか?」


「別に良いじゃない、キレイになるんだし、

家政婦がいるとでも思えばさ。」


「はぁ、もういい……勝手にしてくれ、

俺もやることがあるんだ。

その代わり、終わったら出ていってくれ」


「はい、はーい。」


鬱陶しい……俺にかまってどうする……


まぁいい、それよりも、この前のことだ……


"影"は、近くで観測して時に寄ってくるのか……

"影"には習性みたいなものがあるのか……

それと、生前の思いが影響する"影"……

ダメだ……情報が足りない……


「修二くん、じゃあ私帰るからね。」


「はい、」


由美子が事務所出て、足音が遠ざかっていった。


「……」


「はぁ、やっと帰ったか……

これでゆっくり調べることができる。」


ブーブー


スマホに一件の通知があった。


(最恐心霊スポット10選‼︎)


「心霊スポットねぇ」

何気なく記事を見ていると、気になる場所を見つけた。


ここは〇〇ダム

カップルのデートスポットとしても有名だが、

心霊スポットでも有名な場所だ!


深夜に啜り泣く女の声がする、ダムを飛び降りる影が見える……

などの噂話が後を経たないそうだ……



「ネット掲示板の影響で影が現れたのなら、ここも現れる可能性が高いな……

行ってみるか……」


ーその日の夜


ダムの入り口付近の立て看板大きく

(1人で悩まないで)

相談窓口は080……

以降は擦れていて、見えない


だか、立て看板がされるほど自殺者が、多いのだろう……



ヒュー


ザァ、ザァ、ザァ、


吹く風の音や、歩く足音がよく響く……


ダムに入り、しばらく歩いていると奥から人影が見えた。


「おーい!おーい!」


やたらと元気な小太りな男性がこちらへと駆け寄ってきた。


「俺は敏明、お兄ちゃんも肝試しかい?」


「いや、俺はこういうもので、

今回は調査で来たんですよ。」


「ほぉー心霊研究家!

1人できたはいいものの、怖くて動けなくなってたんだよ!

俺は敏明!何かあったらよろしくな!」


「は、はぁ……

俺にできる範囲で良ければ……」

距離の詰め方がすごいなこいつ……


俺は敏明の勢いに押されつつ、一緒に散策することになった。


「普段はどんなことを、してるんだ?

やっぱり急急如律令ー!とかで幽霊撃退したりするのか?」


「いや、普段は心霊写真の分析をしたり、

依頼で曰く付き物件に泊まってみたりとかかな。」


「なるほどなぁ

結構地味なのな、じゃあじゃあ!」


「……」


「なぁ、あれなんだろうな

人かな?声かけてみるか!」


「え、敏明さん……」


「おーい!あんた1人か!

俺らと一緒に探索しろうぜー!!」


あれは……"影"だ


「敏明さん待って!

それ以上そいつに近づくな!」


「え?」


その瞬間”影”が敏明の体を覆った瞬間……


バタ……


「おいしっかりしろ!敏明さん!

おい!……頼む……目を開けてくれよ……」


「またなのか……今回は知っていたのに、

また……俺は……」


誰も近づけるべきじゃなかった!

敏明と一緒にいると何故か、心がスッと軽くなったから…


……くそ…


「くそ!」


「…はぁはぁ、すみません……警察ですか」


ー翌日の朝


「くそ!こんなの!

いくらあっても意味ないじゃないか!

なにが……心霊研究家だよ……なにが…」


椅子に腰掛け、昨日の出来事を分析しようとするが、考えが……まとまらなかった……


コン!コン!


「修二くん、ってあれ?

開いてる……

なにこの部屋!なにがあったの!?」


「……」


「修二くん……本当になにがあったの?」


「……今は放っておいてくれ……」


「でも、この部屋……」


「別にあんたには関係ないだろ!

早く帰れよ!」


「修二くん、椅子……座ってもいいかな?」


「はぁ、もう勝手にしてくれ……」


「修二くん、私ね

昭弘が居なくなって、すごく悲しかったの……

受け入れられなくて……

何処かで生きていているって、そう思いたかったの……


でも、あなたのおかげで、私は前に進めたと思うの……


きっと修二くんは、私には見えないものが見えているんだろうね……

あのときは、すごく不思議な体験だったもん……


だから次は私の番、ここにいても良い?」


「……勝手にしてくれ」


どれくらい座っていただろうか、気づけば、昼を過ぎ、夜になっていた。


スゥ……スゥ……


「由美子さん……寝てるのか?」


俺は由美子さんに毛布を掛けた。


なぜか、気持ちが楽になり、だんだん思考の整理がついてきた……


「よし、ひとまず書こう……」


ノートに記載をする。


今回の調査では唯一分かったことは

”影”は救われたいんじゃない……

ただ……意味を与えられるのを待っている……


少なくとも今はそう思う……


そして、取り憑かれた人間は目覚めない……


ノートを閉じた。


もう犠牲者は出したくない……

そう思わずには……いられない……







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