表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/73

入学ーそれとお料理

使用人の学園ライフ


入学式…

学園に来て居た子供達がその使用人と共にホールに並ぶ。


そのホールは恐ろしく広く、

新入生、総勢700人程を収容してもまだ涼しげな風が通り抜ける。


周りに居る青々しい子供達は緊張して居るのか、

傍に立つ使用人達とお喋りに興じている。


新入生くん達の頬が紅潮しているあたりこれからの生活に対する期待や興奮があるんだろうね。


かく言う、僕の主、

バルベリトくんもその内の一人で、

さっきから他愛も無いお喋りを続けている。


「なぁ、学園長ってどんなヒトかな?」


学園長…?

この学園の?


確か、この『バビロン』の下部組織で有る学園の総責任者で、


この学園には王宮で何かをやらかしたせいで、去年から居るって聞くね。


しかし、

その『バビロン』の一員で有るにも関わらず、その人柄は正しく教育者の一言に尽きる。


己を律し、

ヒトを導く、


教会の提唱する 異種族差別 に対して深い嫌悪感を持っているとも聞く。


そう、エルフでも、獣人でも、

【悪魔】でも…


「素晴らしいお方ですよ、きっとバルベリト様も気に入りますよ」


まぁ、バルベリトくんは差別とか嫌いな子だからね、


くだらない道徳心におどらされているんだよね。


現状、差別の対象に成っている獣人などの異種族や、ヒトで有りながら生物として認められない『奴隷』、


ただ、

前者はともかく、

後者…


現在奴隷は社会、及び経済にとっても無くては成らない存在なんだよね。


深く、人間の、そして異種族でさえも その社会構成に大きく貢献している。


「へぇ~、そうか、楽しみだな」


楽しみ…か、

きっとバルベリトくんがこう言うからには僕にとって面白くない出来事が起るんだろうね。


今のうちにゐのって置こうかな、

南無阿弥陀仏。



と、そうこうして居る内に周りのざわめきが小さく成って行く。


時間か…


気がついたらホールの壇上には四十過ぎ位のオジさんが立って居た。


「ぇ~、新入生の皆さん、おはようございます」


あのヒトの顔は…

確かパンフレットにのって居た所をみると、確か教頭先生だね。


「「「おはよーございます!」」」


パワフルだよねぇ…

バルベリトくんもポカンとして居るよ、


でも、

教頭先生は満足気にうんうん、と頷いて居るし…


「では、皆さん…気をつけ!」


反応したのはバルベリトくんだけだね、

僕?

若干身体が動きかけたけど侍女としての職務がソレを抑止してくれたよ。


「む、そうか、皆さんはいきなり言われても困るか?」


でも、一応周りの彼ら、彼女も貴族の子だからね、


教養を受けて居ないだなんてのは有りえない筈なんだけどね。


「では、皆さん、私や、他の先生方が『気をつけ』、と言ったら手足をピッタリとくっ付けて下さいーーでは…気をつけ!」


凄く説明が不足して居ると思うんだけど、そこは貴族の子供達だね、


何故か完璧に行っている、

きっと貴族の子は頭が良すぎるからバカに違いない。



「ふむ、皆さん、よく出来ました、では改めて皆さん、ご入学おめでとうございます。 本校 学園で掲げる目標に『自立』、が有ります。即ち其れは、皆さんが…」


ここまで聞いて僕は疑問を抱いた、


あれ?

学園が掲げる目標って確か『寄り強い精神』じゃなかったけ?


パンフレットにはそう書いて有ったけどなぁ、


うーん、

でも確かあれは一昨年作られたパンフレットだからね、


うん?

去年やって来た学園長に、何故か一昨年と違っている目標?


うん、

嫌な予感がビンビンするね。


「即ちー、其れは今も皆さんのお側に居る、使用人!彼らだって同じです。君たちは彼らが居ないでも着替えれますか?彼らが居ないで夜が眠れますか?」


ふーん…

つまりこれはアレだね。


国の考え方を真っ向から反対する目標…


これは、めんどくさいことになりそうだね。



嫌な予感は見事に的中、

いや?

外れた…のかもしれないね。


まぁ、

バルベリトくんのそばから離れると言う点では外れたね。


だけど…


「ねぇねぇ、デカラビアさん!デカラビアさんはあの伯爵家の嫡子の方の第一侍女をやってるんですよね!」


目の前で興奮気味にして居るメイドさん、

そう…従者は従者で固められてしまう。


其れも中々の人数で…


一人や二人ならまだわから無いことはなかったね。


だけれどね…?

流石に七人は無いと思うんだ。


其れも全員目がチカチカしそうな髪の毛の色してるし。


部屋が足りないとか?

こんなに広いくせに。


「え⁈あの伯爵家って、もしかしなくてもイスカリオテ伯爵?」


「えっ?うっそー!すごーい、じゃあやっぱり 家事とか、全部できるの?」


「確かイスカリオテ伯爵家の嫡子様って、あの子よね、神獣と契約したって言う」


うん、

一度に何度も言われてもとても困るんだ。


だけど、そこを卒無くこなすのがパーフェクト侍女の役目!


先ずは第一の質問!


「はい、(わたくし)の主は現在はバルベリト様ですが、お仕えするのはイスカリオテ伯爵様、そのヒトです」


次、第二の質問!


「はい、一通りは水準以上にはと自負しております、尚、お食事と至ってはお口に合う方、合わ無い方が分かれるでしょう」


そりゃあ、バルベリトくんに合わせて居るからね。


そして、次!

最後の質問、答えにくいなぁ。


「確かに、バルベリト様は雷の神獣様と契約しております」


はぁ、はぁ、はぁ、

ぜぃ、ぜぃ、ぜぃ、


どうだ!

見たか、僕の実力を!


「わぁ!すごーい!やっぱりイスカリオテ伯爵様の侍女は違うんだね!なんか私自身喪失かも」


みんなが凄い、凄いと言う、

この中にお世辞の様な物が全く混ざって居ない奇跡に脱帽するね。


侍女ってのはとても素直なのかな?


だけど…ここはあくまで使用人(・・・)の部屋であって、侍女の部屋じゃあ無い。


つまり…

「ねぇねぇ、じゃあ美味しい物何か作ってよ!」


何時の間にか話に入って居た男子の使用人が話しかけて来る。


みたところ、僕と歳はそう変わらない見たいだね。


まぁ、どうでもいい事だけだどね。


「ですが、先ほども言ったとおり私の料理は食べるヒトをえらびますよ?」


と、建前を言って置いてただめんどくさいだけだね。


いや、だってあれだよ?

そんな暇つぶしにも成ら無い様な事…ねぇ?


ごくごく面倒臭い徒労に終わるじゃあ無いか、やってられないよ。


「良いって、それに、あんたみたいな完璧侍女の『ヒトを選ぶ』料理、っとのを食って見たいしさ!」


すると別の子がその子の援護をしだす、やめんか。


それに今思うと、この子たち、

貴族に仕える者としては余にもお粗末な教育しか受けて居無いんじゃ無いかな?


それともあの口調はあえてのわざとなのかな?


そんな 事考えられる頭がある様には断じて見え無いんだけどね?


「あー、私も食べたい、デカラビアさんの料理!」


ちょっと待とう、侍女、

君もそんな事言うのかい⁈


「あ、私も食べて見たいかも」

「私も、わたしもー!」


おぉ、ブルータス、お前もか。


南無阿弥陀仏、カエサルの気持ちが少しわかったような気がするよ。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ