勉強ー世間話
弟は転生者(2)
はろはろ、
今気づいたけれど名前が無いよね?僕。
まぁ、
そんな事はどうでもいいや、
今は取り合えずカラスさん事『リゼ』から色々な説明を受けている。
“う~ん…ほんと、なんにも知ら無いのね、あんた”
そりゃあ産まれたてほかほかの赤ん坊だからね!
“取り合えず…魔法ってわかるかしら?”
わあお、
これはイッたね!
“ううん、知らない”
すると翼で頭を抑えてため息を着く様な仕草をする『リゼ』、
表情豊かだね。
“先ず主に魔法は四大元素からなるは、それは…”
“『火』『水』『土』『空気』かい?”
四大元素ってこれだよね?
漫画からの流用だけどね!
“何で魔法を知ら無いのに四大元素を知ってるのよ…まぁいいは、主にその四つか魔法は成るの”
主に…
って言うあたりまだありそうだね。
“それが『主属性』全ての魔法の原型よ、そして魔法の属性はこれらを含めて12個在るわ”
へぇ~
多いんだね、
四つで勘弁して欲しいよ。
僕暗記科目は苦手だったからね。
“因みに私は『空気』の属性よ!四大元素持ちなのよ!”
う~ん、
『リゼ』が胸張って言うあたりすごい事なんだね~、
じゃあ僕は何だろうなー?
“ねぇ、僕のはわかる?”
ダメ元で聞いてみた、
結果は…
“ん?口を動かさないで意思疎通出来る辺り『夢』の属性じゃない?”
何であの四つから『夢』が出るのか果てしなく疑問だけれどもまぁ良いか。
『夢』ねぇ~?
“それってどんなのが出来るの?”
『リゼ』は意外にも物知りだし頼りに成るみたい。
“今やってるじゃ無い”
今…?
あぁ、
このテレパシーみたいなのね?
“他には?何かでき無いの?”
せっかくの魔法がテレパシーだけとか僕泣けるよ?
“そうねー、『夢』の属性はかなり汎用性が高いんじゃ無いかしら?物理的干渉まったくでき無いけど”
それを聞いて安心した。
僕だって男の子だしね、
やっぱり憧れるじゃ無い?
魔法とかファンタジーって。
まぁ、
一番は生き伸びる事だけどね!
“確かヒトの夢を覗く…なんて事も出来たわね、あと使い魔との視覚の共有とか”
へぇ~
確かに汎用性は高そうだね、
主にスパイとして!
“因みに魔法は12個って言ったわよね?そのうちの半分が物理系でもう半分が精神的に関与する物、『夢』はその最たる物ね”
ふんふん、
ならば僕は魔法でドカーンとかやったりするのは無理と、
悲しくなんか無いんだからね!
それはともかくねぇ…
『夢』の事は分かった事にして置いて、
『リゼ』の事だ、
彼女?は何が出来るのかな?
“『リゼ』は一体何が出来るんだい?”
“私?ふふん、私はね…”
僕が質問するとまた胸を張って得意そうに言う、
心無しか笑ってる?
“先ず私の種族『クロウ』ね、分身が出来るわ、私は108体”
いきなり飛んでも無いね、
それよか108って除夜の鐘とおんなじだよね?
輪廻転生と言い、ことごとく僕は仏教を勉強しておれば良かったよ。
“あと私の属性『空気』ね、在る程度風を操れるわ、私は魔力が少ないから無理だけど凄いヒトだと竜巻が出せるらしいわ”
うん、
いま聞き捨てならない言葉が聞こえたね。
“魔力だって?”
“なぁに貴方?魔力も知ら無いの⁉”
そんなにびっくりする様なことかい?
だって魔力ってあれなんだろ?
切れたら魔法使えない見たいなさ?
それってかなり重大だよ?
だって今僕らがこうやって対話出来るのも僕の魔法が在るからなんだろ?
“まあね、でも普通使い魔とだったら念話出来るわよ?”
おぅけー
それを速くいってほしかったなぁ~
“まぁ、普通わね?”
なんだろ…
すっごく嫌な予感しかしないような?
“あんた精神干渉系なのよねぇ…しかも『夢』…”
あぁ、うん、
これはフラグだね。
“念話しにくいのよねぇ、私の属性が物理的干渉系の、てのも在るかもしれ無いけど”
うん、
わかってた事さ…
だから悔しくなんか無いよ!
“まぁ、あんたは魔力は多い方だからいいんじゃ無い?”
う~ん…
それでも不安かな、
僕がこの世界の言葉を覚えてなおかつ喋れる様に成ればいいんだけどねぇ…?
“魔力の量は増やせないのかな?”
増やせる方法があれば幾らでも行うけどね!
“さぁ?使いまくってら増えるんじゃない?”
え?
なに、そのしーらない、なリアクション⁈
“だって増やそう何て思った事無いしね、魔法なんて使わないヒトは殆ど使わないしね”
知ら無いと言われればどうしようも無いかな、
まぁ、
何とかしてやれるだけ何とかするかな?
まぁ、
取り合えず色々わかった事だし、
根本的な事を聞いて見ますか。
“ねぇ、『リゼ』”
“ん?なに?”
カラスが首をかしげる姿ってあんまり見ないよね。
“ここって、どこ?”
一瞬、
時が止まった。
あれ?
僕ちゃんと質問したよね?
なんでこんなに凍りついたようになってるかなぁ?
“あんた…それ本気で言ってるの?”
本気じゃ無かったらなんなんだい?
“いえ…寧ろ赤ん坊が意思疎通を行う事こそが異常なのね…”
ははは!
ようやくそこに気づいたかい?
しかし、
次に聞こえてたのはより僕を驚愕される物だった。
“ここはイスカリオテ伯爵の館、よ”
⁈
な、イスカリオテだって?
それは…
地名じゃ無かった?
確かイエス・キリストを裏切った弟子の一人の名前もイスカリオテのユダだったはずだよね?
“で、なんで僕がそのイスカリオテ伯爵の館にいるんだい?”
まさかとはおもうけど…
まさかねぇ…?
『リゼ』はさも言いにくそうに目を閉じて、
また開いた。
“それは…あんたがイスカリオテ伯爵の妾の子だからよ…”
や っ ぱ り か い!
なぁに?
つまりあの時入ってきたおじさんが僕のお父さんって訳?
お父さん…父親、
僕が最も嫌いな人種だね、
しかも僕は流れだと疎まれてるみたいだしね、
かってな事だよ…
唾棄すべきクズだ。
ん?
それにしてもその妾…
僕の母親はどこにいるんだろう?
“『リゼ』…僕のお母さんは?”
“死んだ…らしいわ…”
僕を産んだ時に耐えきれず死んじゃったてさ。
おうまいがー!
なんてことだろうね!
“そ、それに…あんた、産まれた時には産声をあげなかったらしいわ…だから、呪われた子だって言われて…”
うん、
もしかしなくてもあれだね、
僕やばかったね、
そして現在進行形でやばいね、
平穏はどこいった。
で、
僕はこのイスカリオテ伯爵の長子らしい。
このまま正妻に子供ができなければ僕が跡継ぎに成る感じみたい。
ハンパないね!
退屈はしないだろうけど安らぎがないよ。
正直そんなことは嫌だなぁ…
僕としては永遠に平穏で居たいしなぁ…
“『リゼ』何とかならない?”
“何とかって言われても…”
それにしてもなぁ…
僕はだいぶ父親に嫌われてるみたいだしねぇ…?
まぁ、
いいや、別に、
もはや今の僕にとって親なんてそんなに重要じゃないからね。
僕が普通の赤ん坊だったらきっと歪んだ性格になっちゃうよね。
まぁ、産まれた時からそのアンチテーゼを刻んだ僕に言わせりゃどうでも良いや。
それにしても日が暮れてきたみたいだね、
この明らかに僕の居た世界では無い世界は日が沈むのが早いのかな?
すっごく僕が話こんでたのが理由だとおもうけどね!
と、
おもったらまたまた部屋のドアが開いた。
今度はなんだい?
入ってきたのはお手伝いさんと思わしき二人の女性。
一人は少女、
もう一人はイイトシの女性だ。
一人は緊張したように、
もう一人は明らかな侮蔑の表情で僕をみていた。
僕なんかやったかい?
まぁ、
そのお手伝いさん達は…
「お、お食事をご用意いたしました…」
「赤ん坊になにいってるのよ!速く済ませなさい!こんなところに居るだなんて…」
うんうん、
対照的で分かりやすいね。
“『リゼ』、このヒト達は?”
“一人…あの気の弱そうな奴ね、はあんたの専用侍女、もう一人はイスカリオテ伯爵の正妻の第一侍女よ”
ふ~ん、
じゃああの侮蔑の態度もわからなくは無いかな?
第一侍女と言うことはつまりお義母さんが産まれた時から付き添ってるみたいだからね。
そりゃあ忠誠を誓った主から見て疎ましい物は侍女から見ても疎ましいかねぇ?
「ほ、哺乳瓶で、その…」
う~ん…
この目の前に突き出された哺乳瓶は僕が飲めば良いのかい?
まぁ、
遠慮なく飲むけどね?
“あんたも大変ねぇ…”
なにに同情してくれているのかわからないけれど『リゼ』がいたわってくれた。
“そうでも無いよ、僕として一番大変なのは退屈じゃないことだからねぇ”
これは真摯な思い。
ほんと、
少女に哺乳瓶でミルクをもらうよりも、
オシメを取り替えてもらうよりも暇つぶしが大事です。
☆
夜…
寝かしつけてくれるためか枕元にたって世間話やらをしてくれる侍女に内心謝りつつ、
お寝んねした。
窓から飛び立つ数羽のカラスに気づかずに。
南無阿弥陀仏、無知とは何にも勝る大罪だよ。
主人公の性別を男性にするか女性にするか迷っています、
流れだと男性でしょうが実は…みたいな?
良ければご意見ください