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発覚ー僕の種族

ようやく主人公の種族が出てきます、

ここまでだいぶ長く感じる…


「ぐぅるる…!」


僕はおそろしく冷めた目でこのトラくんを見ているだろうね。


衰弱した姿のコトラ…


それもそのはず、

魔力を肉体から吸い上げる呪いに近い鎖をその身に戒めとされているのだからね。


これは僕の母親の業…

そして僕が受け継いだ物。


「ここから…離せ、人間…」


ん…⁈

ふぅん…物を言うんだね、


まぁどうでもいい事だけどさ。


あと…


「僕を人間なんて言う低脳な生物と同じカテゴリにしないでもらえるかな?」


僕は既に種族的にもヒューマンじゃあないからね。


すると驚愕と、

言わんばかりに目を見開くコトラくん、


『リゼ』の時も思ったけれどこの世界の生き物はみんな表情が豊かなのかな?


「なんだと…⁈貴様…何者だ?」


何者…か、


僕は愉悦に口が弧を描くのを感じた。


大方鼻の良さそうなトラにも僕の種族はわからなかったみたいだね。


全て話す事もアリだし…

だけどこの絶対の真実は僕の一存では決めれないね。


他にも頑張ってくれてる欠片も多いだろうし…


ならばここで話すべきなのはただの事実、


紛れもない事の実さ…


「僕は人間の男を父に持ち、魔界より顕現した【淫らなる者】を母に持つただの…悪魔だよ」


そう、

それがこの世界の僕、


今頃だね。

因みに【淫らなる者】とはサッキュバスやインキュバス…


そう…

ヒトの夢に現れその精気を糧にしたる物。


夢魔


「【淫らなる者】…そうか、どうりで幻術が上手い訳だな…」


信じられない…

しかし納得と言う様に頷いて見せるトラくん…


「だが【淫らなる者】がこの世界になんの様だ?まさか地上侵略か?くだらん事を…」


【淫らなる者】による地上侵略…

確かに過去実際起こった事があるらしい。


ただ、

もうそんな事を考える連中は居ないだろうし、

【淫らなる者】たちは本来は傍観者だしね。


そんなことを考えるのも魔界でも野蛮な連中。


そいつらの筆頭が魔王とか名乗って終いには退治されるなんて耳ダコができる程聞いたね。


それにしても…


くだらん事ねぇ…

君のその考えなしの思考の方が余程くだらないことだと思うけどねぇ?


「僕をそんな浅慮な連中と同じにするのもやめてよ」


まぁ、

これ以上の事を言うのは許されないけれどね。


何せそうなれば本体と、

その意思代行体である僕の計画に著しく支障をきたすだろうからね。


「言葉ではなんとでも言えるだろうな!ただ、お前達が何度地上を狙おうが俺の父さんがそうした様にそのたんびに邪魔してやる!」


ヤカマシイ…

コネコ、だ!


「ーー黙れ」


呪の刻まれた鎖が怪しく光り始めた。


紅く、紅く輝くその金白にそれよりなお鮮やかに輝く朱が『意味ある文字』が艶やかに走り出す。


「こ、これは…⁈」


不思議そうに、

そして不安そうに変化の訪れた鎖を睨むトラくん…


「ふふ…流石に神代の父を持つトラにもわからないかい…?それは【淫らなる者】が地上にて獲物を捉える魔法具…」


確か正式名称があったと思うけどもう忘れちゃった。


「ッ⁈お前…俺の父さんの事何か知ってるのか⁈」


ん⁇

もしかして本人が知らないのかな?


まぁ…良いや、

僕だってこの仔の夢を覗いただけ…


それに、

僕が【淫らなる者】としての能力を使うと…


ちょいと本性でちゃうからねぇ


「お前…その姿…」


コトラくんは怯えた様に僕を見る。


ん…

どうやら出てきちゃったね…


おそらく今の僕の頭にはヤギの様なツノに、

コウモリのような翼があるだろうね。


「ばかな…其の様な姿…余程高位の存在でなければ…」


ん?

ってかバルベリトくんはこの仔に会いにくるんだったよね?


それってまずいよね?

僕の正体には完全には気づいて居ないとはいえども、


その一つの側面をみられたんだしね…


記憶を消すかな…?

本当はこんな非人道的な事はしなく無いんだけだね。


まぁ、

本体の意思を何よりとして行動する僕ら欠片はそんなこと言ってる場合でも無いからいいけどさ。


「『我、夢の支配者が命ずる汝幾重とも重なる星月の齢に時の蓋を』 はい、おしまい♪」


すると糸がきれた様に崩れ落ちるトラくん…


気絶かな…?

まぁ、記憶の一部に無理矢理蓋をしたからね。


かなりの負担になったのかもね。


まぁ、

かなり高度な『夢』の魔術をかけたから大丈夫でしょ。


それにこの仔の魔力を依り代にかけたからね。

このコトラくんの魔力がすっからかんにならないと解けないだろうね。



しばらくして、

僕の部屋の扉が控えめに開かれた。


おそらくはバルベリトくんだろうね、

お出迎えの準備はとうにできて居るさ。


「えっと…おじゃまします?」


何で疑問系なんだろうね?

確かに邪魔だけどさ。


「いらっしゃいませバルベリト様、何も無いところですがごゆるりと…」


本当はとっとと出て行って欲しいんだけどね。


まぁ、

従者の対面としてもそんな事は口が裂けても言わないだろうけれどね。


「あのさ…あのトラは?」


自分に正直なヒトだね、

まぁ、

それでもなんら問題は無いかな?



すっごくめんどくさいんだけどね。


因みにあのトラくんは僕が幻術を何重にもしてかけたから、

普通のヒトの目には見えないだろうね。


今バルベリトくんの足元に転がってるんだけどね。


トラくんの方も僕らの事が見えて居ない様になってるし。


「ここに…」


そう言って魔法を解く僕。


彼らからこそすれば突然現れた様にしか思えないだろう。


「ぅえ⁈」


一瞬バルベリトくんが驚いた時に体内の魔力に流れが現れたのを僕は見逃さなかった。


彼…

魔法の練習をして少なくとも反射的に行う様になってるみたいだね…


まぁ、何も言うマイ。


「ぐる…る?」


一方のトラくんの方も一瞬だけ威嚇しただけですぐに構えをといたみたい。


僕の時とは大違いだね。


「えぇ…と、大丈夫か?」


気を取り直して…って言葉ではピッタリな感じだね。


「ーーーー…」


「そうか、よかった」


え⁈

何があったの?


いまの明らかにバルベリトくんが独り言を言った様にしか思えないんだけど⁈


“念話…ね”


念話?

あぁ、どうりで。


まぁ、納得できたのはいいとして、


「え…お前、名前わかんないのか?」


きっとわかんないんじゃなくて忘れたんだよ。


僕のせいで。


「ならばバルベリト様が新しく名前をつけてあげればよろしいかと…」


ここで僕はすかさず言う、

まぁ、

僕の保身から来た言葉ではあるよね。


「え…でも、お前は良いのか?ーーわかったじゃあ…」


了解は取れたみたいだね。


僕はばれない様に慎重に、

それでいて迅速に魔法を発動する。


生命体であれば単細胞生物でも行える魔法、

『契約陣』だ。


主に様々な契約を行う際に自他ともに縛るために使う魔法。


そして僕がこの時使ったのは、

使い魔の陣、


即ち、

中で名前をつけられ、それを了承する…

契約の完了だ。


そしてさっきも言ったけれどこれは保身も兼ねてある。


そしてその保身と言うのも僕の種族がばれないため…と言うのが強い、

つまり、何も細工しないはずがないでしょ?


僕が行った細工…契約者と使い魔との間に魔力供給のためのパスを作った。


これで普通のヒトと比べて魔力の多いバルベリトくんから魔力を得る事でトラくんの魔力がなくなる事はほぼ無い。


つまり僕の種族がバレる事はそうそう無いって事さ!


南無阿弥陀仏、良かれと思った事をするまでさ。






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