情報収集
ジャック達はまずタマネギの住む第二都市に向かうことになった。
この国には第一から第五までの都市がある。
第一都市はセントラルと呼ばれ、5人の王が住む最大の都市であり、ここに「議会」が置かれる。
ジャックはセントラルの城下町に元々住んでいた。
第二都市は現在地から北上した所に位置している。
現在地から移動するには列車がもっとも早いが、シロフクロウがいるため使うことはできない。
また、その捜査網も迫っていると思われ、一刻も早く脱出する必要があった。
そこでジャックは森を抜けるため、「レンタル馬サービス」を使うことにした。
これは、年会費を払っている会員のみが使えるサービスで、要所に設置された馬小屋から馬を借りることができる、というものである。
偶然この会員だったジャックは、馬小屋を探し、森を抜けることに成功した。
馬を走らせ半日、ようやく第二都市に到着した。
ジャックが第二都市の検問を抜けようとしたら、憲兵に引き止められた。
「ちょっといいか?」
「……」
「さっき連絡があった。 赤い雛を隠し持った薬剤師を捕まえろ、とな」
どうやら列車の方が早くこの街にたどり着いたらしい。
当然だが。
「報酬の5パーだ。 それで見逃せ」
「了解ジャック」
実はここの憲兵はジャックに買収されていた。
金次第で簡単に通過できたのである。
馬をレンタル馬小屋に返し、次に向かったのは酒場であった。
ここで、タマネギとシロフクロウの恋人の居場所を聞き出すつもりであった。
ジャックが酒場の主人に声をかけると、戻ってきたのか! と肩を叩かれた。
「まあな。 早速だが、ここの街の人間に詳しい奴を紹介してくれ」
「人間か。 それならあそこの帽子をかぶった男だ」
主人の案内に従い、その男に話かけた。
報酬を約束し、タマネギの居場所を教えてもらう。
この街の上流階級の住む区間に住んでいるとのことだ。
シロフクロウの恋人に関しては、少し調べるのに時間がかかるらしい。
「どれくらいかかる?」
「タマネギの手下に接触して買収し、シロフクロウから聞き出さねばならん。 1週間は欲しいな。 金もかかるぞ?」
「分かった」
必要な情報が揃うまで身を潜めることとなった。
隠れ家に身を潜めておよそ1週間。
シロフクロウの恋人の情報が手に入ったため、いよいよタマネギと接触することになった。




