初等科編4
今回の会議が開かれたのは、称号者の立場について説明されるからだった。
面倒くさがり屋ながらも、面倒見の良いルト先生が具合の悪いノーリをわざわざ連れて来たのも納得出来る。
この学園の称号者としての自覚や責任を持たせるためには、何年も称号者としてこの学園を支えてきた先輩達からその説明を聞くことでその感情が芽生えてくるからだろうと思う。
実際に先輩達から聞いた言葉は、聞いていて言葉の重みが違っていた。
皆さん、気遣いの出来る優しい先輩でどんどん顔色が悪くなってくるノーリのために会議を早めに切り上げてくれたことには、感謝する気持ちが大きすぎてどう言葉にして、そのことへの感謝の気持ちを伝えたら良いのかわからなくなってくるほどだった。
その話は一先ずおいとくとして、先輩達が話してくれた話について。
まずは称号者になると言うことは、学園の顔になると言うこと……。
努力をすることを怠ることなく、自分が持つ強い力や才能に傲慢になることなく、生徒達に接することが出来ないといけず、自分より弱い生徒をいじめるなどもっての他のことであり、最悪の場合は称号者を名乗ることを禁じられ、ハルスノ学園の生徒ではいられなくなってしまう。……例え、それが王族であろうともそうなることを含めて、入学の契約をしたのだからそれを権力で打ち消すことは出来ないらしい。
――まあ、おじさんはまだまだ自分は弱いってわかっているから、努力をすることを怠るつもりはないし、力の強さや才能は人それぞれだからね、他の生徒達に傲慢な態度で接するつもりもないしぃ、信頼出来る人や自分の非公認ファンクラブ以外の人とは自ら話しかけるとややこしいことになりそうだしねぇ。
このくらいの約束ごとなら守れそうだし、別に構わないのだけど……。
次に参加出来る行事についてに関して言われたことは、称号者は行事についても制限されていると言うこと。
武道祭での学科別の学年ごとの魔法部門、武術部門参加出来ないとされていれことは勿論、学年ごとの競う二つの部門に参加するなどもっての他。
参加してしまえば実戦経験の多い称号者は、周りの生徒を怪我させてしまうし、防御魔法を会場にかけていなければ、その建物自体を破壊するのは朝飯前。
ちなみにトーナメント式で時間制限あり。勝敗は気絶させるか、決められた時間までに倒せなかったら審判が勝敗を判断すると言う決まりがあるらしい。
ちゃんと私事の感情に流されないような、平等に勝敗を見ることの出来る生徒を選んでいるから安心!
しかし、なかなか魔法を使って体育会系の行事には参加出来ないらしく(どうやら魔法なしなら、ある分野以外ならハンデなしで参加出来るらしいけど)、実戦形式で戦えないことで一部の戦闘狂な称号者がいたらしく、トーナメント式で学年ごとに称号者五人のチームで競うことになったらしいの。
まあ、ただし……。戦える範囲が決まっていたり、決められた範囲とは地上だけのみと聞いた時は思わず笑いそうになったけど、あと条件があるとすれば会場の建物を“自分”で修正出来る条件で大魔法を使えたりするらしい。
そのため、武道祭は七日間に渡って行われる。ちなみに高等科から生徒は参加することが出来ず、一部の生徒は審判として参加は出来るみたいだけどねぇ。
ちなみに武道祭は十月頃の行事。
他に体育会系の行事と言えば、体育祭。
六月頃に行われる行事で、魔法使用禁止の身体能力の良さを競う行事。
ノーリのように身体能力系統の才能を持つ生徒は、レベルの高さごとにハンデを与えられるみたいだけど、相当鍛えている彼の能力の高さを低く見積もってなければいいものの……。
十二月頃に行われるのが文化祭。特に称号者にも、制限がなかったらしい行事だったらしいのだが、おじさんが入ってきたことをきっかけに称号者の生徒は客引き禁止らしいの……。
その代わり、今年から始まることになった美男美女コンテストは出れるらしいよぅ。まずは学科別に学年ごとの部門を行った後、上位三位に入った生徒だけ学科別の生徒全体で審査する部門に参加出来る。
で、さっきと同じように上位三位までの生徒が学科別に選ばれた後、その中にいる男女ペアを組んでハルスノ学園で一番の美男美女を決めるらしいんだけど〜……。
「ちなみにですね、美男美女と言っても美女コンテストに男子生徒も参加資格ありますし、美男コンテストにも女子生徒も参加資格あります。ですから! 是非ともクラトルくんも、ノリトくんも参加を考えてみて下さいね?」
と、そう言われた時にはあの変た……じゃなかった、思わず変人な先輩に殺気を向けた後、無表情のまま淡々とした口調でこう言ってしまったのは仕方がないことだと思うの。
「先輩? 今なんて言いやがりましたか? おじさんの聞き間違えでしょうかねぇ〜……。それを確かめるためにさあもう一度、言ってみて下さい?」
恐らくとても意地悪な表情をしているであろう、おじさんは殺気をまといながらそう言えば流石にジーシェ先輩の表情も引きつっていて、すみません……と真顔でそう謝ってくれましたぁ。
ラティー先輩は、そんなジーシェ先輩を見たことがなかったのか大爆笑。
取りあえずこれで会議内容は終わり、各自解散となった訳でして。
今なおじさんの状況と言うとふらふらとするノーリを支えつつ、自分達の寮室へと向かっているところなの。
寮室へと戻ったら、どんな予知を見たのかを聞いてみようと考えながら。




