おじさんの穏やかな日々2
「おじさんの穏やかな日々1」の一部内容を、書き直しました。
それから、魔力の“糸”と表現していたものを、魔力の“リボン”としましたので、よろしくお願いします。
「父上〜、トールはジークさんのところに修行に行かせないんですか〜?」
と、二時間ほどのんびりとお風呂に入った後に、弟のトールを膝の上に乗っけながら父上にそう言えば、おじさんのそんな言葉に苦笑した。
ちなみにトールは、やっぱりコタくんだったの〜。心配で、心配すぎておじさんの貯金を相続した遺産で、こっちに転生してきちゃったみたいなの。
この世界に魔物が居るって知った時から、転生するって決めてたみたいだけど、コタくん……じゃなくてトールは根性があるからねぇ、ジークさんの修行にもついていけると思うのだけど……。
「クラトルの場合、私が教えるには力不足になるような加護の方が多かったし、……ほわほわした性格すぎて厳しく指導するのを躊躇ってな。だから、誰にでも容赦のないジークに修行を頼んだだけだ。トールは私に似たような加護ばかりだからな、容赦なしに指導してるつもりだぞ」
と、父上は相変わらずの無表情に戻り、そんな言葉を言っていた。
トールは父上に教わってるのね〜。そう言えば、父上の怒った顔見たことないわぁ、いつも優しいし!
――まあ、おじさんはあまり父上と過ごした日数も少ないし、当たり前か。とそう考えつつ、トールの頭を撫で続けながらも父上に対してこう言った。
「おじさんは戦闘向きじゃないことは、自分が一番良くわかっています。
だから父上の戦い方とか、ユリアールで強者って言われている人や、魔物のよくする戦闘時の行動パターンとか、ジークさんに覚えるように言われていたんだと思いますし〜……。
自分が強いなって思った人だったり、あとあと強者なりそうだなって思うような人のよくする戦闘時の行動パターンとかも、人一倍“情報収集”しておくようにと言われてますから、確かにジークさんの修行内容は自分に合っていたのかも知れません、修行内容が厳しすぎるのは否定しませんけどね〜」
と、そう言葉にすれば、父上は「……そうか」と呟いて、黙ってしまった。
◇◆◇◆◇◆
修行を終えて自宅に帰ってきて二日目。
おじさんは七歳だから、あと三年したら学園に入らなければいけない。
だから一応、貴族なおじさんはマナー教育や社交ダンスのレッスンを受けないといけないらしいけど、残念ながらジークさんからすでに教わっちゃっているのよ、これが。
なので、おじさんは自由に毎日過ごしてていいよって、父上から言われちゃったのよ。えへへ~!
話は学園のことに戻るんだけど……一応、入る学園も決まっているみたい。
ハルスノ学園ってところに通うことになるらしいの。おじさんは魔法騎士に向いてないと思うからねぇ~、竜騎士科に行くって父上には言ってある。
だから、この三年間は……竜騎士についての情報収集や、スノーが一人でも動ける範囲が広げる方法を考えつつ、おじさんの魔力量を増やしたり、体力作りをしたりしようと思う。
今日することは午前中はスノーが一人でも動ける範囲を広げる方法を考え、午後はおじさんの魔力量を増やしたり、体力作りをしたりするとしよう。
スノーがどうしたら、単独行動が出来るようになるかを考えるとなると……、まず先に変えるべきなのは身体の大きさかな?
影で作り出されたスノーの体内には、魔力もなければそれをおさめる器すらもない。だけど、けして魔力を受け付けない訳ではないから、スノーの体内には魔力を全身に循環させるためだけの、人間で言えば血管のようなものがあるの。
……だけどね、魔力を全身に循環させるためにも、魔力を使っているからスノーの身体が大きければ、大きいほどに、魔力を循環させるために余分に多く使いすぎてしまう。
……が、それはおじさん達と行動する時には、大きさが必要なだけであって隠密行動をする時には必要がない。だから、まずは行動しやすいベストな大きさを探すことから始めようと考えた訳よぉ~。
今日の午前中のずっとを、隠密行動をするために最適な大きさを探すため、おじさんは費やしたのだった。




