第十三話合格試験編8
今回は連続投稿です。
第十三話合格試験編8
パンパン(手を叩く音)
『!?』
「はいはい、いつまでもぐだぐだしてられませんよ~」
夕季が呼び出したライオンにより場がぐだぐだになったがミラノ試験官の行動で気を取り直した。
光一たちの動きを確認したミラノ試験官はさっき起きたことを回想しながらの分析結果を皆に語った。
否夕季と健二に確認をするために語ったと見るべきだろう。
「私が作成した魔法剣を消滅させたのは貴女が呼び出したライオンの咆哮ですね。
その証拠にそのライオン「獅迅です」あらそれは、ごめんなさいね。
え~と獅迅でしたかしら?「はいそれで合ってます」
そうそれは、良かったです~。え~とどこまで語ったかしら?
あ、そうだった。その獅迅から放たれる力はいえ効果は魔力を霧散させ魔法の消滅ですね」
「……」
「う~ん。それは、どうでしょう?」
ミラノ試験官は夜刀神兄妹の目を見ながら一つ一つ解析結果を語った。
それに対して健二は終始無言で夕季は夕季で雲を掴ませるような返事をしている。
「やってくれますね~。……最も射程は、咆哮が届く範囲しか効果がないようですが。
なぜそう思うかと言いますとさっきロングヘアー少女が纏っていた雷の力が一部だけ消滅したからです
このことからそれほど射程は長くないと判断できます。いかかがですか?」
「初見でそこまで分析されるとは、流石試験官と言ったところですね」
しかしそれでも分析結果を語る試験官の言葉に動じたようすもなく笑みを浮かべる夕季。
「だが……それくらいは、予想済みだ」
「ここからが、本番ですよ」
夕季と終始無言を貫いていた健二の二人の兄妹は不敵な笑みを見せると……走りだした。
「ふふっ、そうですか~。お相手しましょう。何処からでもかかってきてください」
その二人の行動にミラノ試験官は楽しそうに笑った。
「「言われなくても(行きますよ)」」
「来いハリー」
健二は試験官に向かい走りながら霧を展開させながら赤い石を上に投げる。
すると赤い石が光り出し光が消えると同時にハリネズミが現れる。
それを確認したライオンを肩に乗せた夕季は身体強化
を発動し霧の中に溶け込むように消えた。
「ふむふむ。霧で視界を狭めてから次は、どうするつもりかしら?『キュイ?』……」
試験官は次の行動を予測しよう考えたときに足元にハリネズミが現れたことに疑問に思い考えていると……
「次は、こうするんだよ!」
ドッガッガッガッ!!(何かが連続で撃たれる音)
「……風よ私を守る盾になりなさいウィンドウォール。」
霧にまぎれている健二の手に何かとげとげとしたものを複数持ちそれを試験官に、
投げつけているが試験官は動ずることなく動ずることなく言霊とともにシールドで防がれる。
「う~ん。狙いは良かったんですけどね」
「それはどうかな」
にこにこ笑顔で教官が言うと健二はニヤリと笑う。
「? あれこのトゲ……膨らんでいる…っ!」
『キュイ―――ッ!!!!』
風の壁に放たれたトゲはハリーの鳴き声に反応し大きくなりだすと同時に風の壁は薄くなり始めた。
「っ!……本当に厄介な能力ですね。貴方達兄妹は、共に魔法消滅もしくは魔法吸収を得意とする式神を所持してるとは~。
ですが…この式神をはか――――……増殖してますね」
教官は驚きながらも冷静に判断していて呟いた
『『『キュイキュイ♪』』』
「そうさ。俺の式神ハリーは、相手の魔法を食って増殖するのさ!」
ご機嫌そうなハリーの声に自信満々に告げる健二。
背後にど―――ん!という音があったのはスルーしておこう。
「ですが、後で分裂ハリーの里親探さないといけないのが欠点ですけどね」
「とりあえずこれだけ増えたのは、試験官のせいだから試験官に面倒を見てもらおう」
苦笑いする夕季に健二が夕季を見てそう言うと
「そうですね、お兄様♪」
「これほど迷惑で厄介事を起こす候補生は初めです。しかも内密ではなく本人の前で言いますか普通!?」
笑顔で夕季が頷いて彼らの対策にツッコミをいれながら頭をかかえたのはいうまでもない。
まだ続きます。