第42ゲーム『四日後への突入準備』
ちょっと待て待て……!!
七名!?
七名が消滅!?
鈍角30°!?なんだその矛盾!?
模造品って何!?なんの模造品!?
一気にいろんなことが予言書に記されていて訳が分からない!
「つまり豪快にどういうことだってばよ……!」
「な、なんだよこれ……。」
「え…………………………いや、ちょっと待つなの。
オトの予言書も、ちょっと見せるなの!
二つのことを少し照らし合わせて考えたいなの。」
僕は少しメノに予言書を貸す。
その間、ミカとともにお隣さんの蒲公英家に呼ばれていることを伝える。
▽ ▽ ▽
「時系列を整理するなの。
矛盾している記述はいったん無視するなの。」
僕らはうなずき合う。
「まず、明日オトとミカは蒲公英家に行く。
その間、剣士とすれ違う。
次に、明後日。
恐らくおじさんが赴く研究所で模造品が手に入る。
この研究所ってのに心当たりはあるの?」
「いや、無い。」
「ならそれはこれからわかることなの。
これもいったん保留。
三日目が何もなくて……。
続いて一番の問題、四日後。
ここが勝負所!
バグセンサーが午前十二時、青の市場で売り出され、
スローンズマップが午後十四時、緑の市場で売り出されて、
さらにガード承認キーが午後十八時、赤の市場で売り出される。
これらのアイテムを指定の時間までに集めなきゃダメなの。
そして
【確定通達:日暮 伊徒、弥生 芽流華、蒲公英 煙、蒲公英 煌、蒲公英 灯、蒲公英 煉瓦、光菜 波乱の七名は四日後の終了と同時に消滅する。】
つまりタイムリミットは五日目午前零時ジャストなの!」
「それまでにすべきことは……。」
「この部屋から通じるテストエリアに侵入し消滅現象の手がかりを持ち帰り現象を未然に止めるしかない。」
王が壁をなでる。
その壁の先に封鎖されたテストエリアが大量にある。
「そうなの。
でも厄介なのがコピーガードを防ぐと思わしき、ガード承認キーなの。
四日後の午後十八時、赤の市場で売り出される。
これが無いとテストエリアへの調査の使用がないの。
どういった条件でコピーガードが防げるかわかれば別だけど。
このことから考えてもタイムリミットから時間を差し引いて『約六時間』で、テストエリアを探索してメノ達は消滅を防ぐ手掛かりを見つけなければ、ゲームオーバーなの!」
「……なんちゅー過密スケジュールだよ!!特に四日目!!」
思わずツッコんでしまったが、これはなかなかに大変だと言葉にされて改めて感じる。
だが……逆に考えて、事件の真相が見えてくるチャンスなのかもしれない……。
「これからせわしない日々が始まるな……。」
「メノだって消えたくはないの!」
「私達の兄ちゃんだって消させない!」
僕らは意気込みつつ、当面の予定を話し合った。
▽ ▽ ▽
――――数分後。
幾分か話し合った結果、予定を確認しあう。
「つまりは……俺様たちが次にやるべきことは三日目と四日目が重要になってくるわけだな。」
「そうなの。テストエリア以外にもまだ調べられるところはあるの。
まだ知らないことがあるはずなの!ミカたちが明日、アカリ先生の家に行って何かを知ることができれば、そこから連鎖的に調べられるはずなの!」
「なるほどな明日、明後日は僕ら。
そして三日目はクロス、メノ、師匠が重要視されるんだ。
というより僕らの友達も含めて全員に役割がおそらく三、四日目に集中してるんだよね……。」
さっき話し合いの最中、ミカがヒバナさんに電話で確認を取った感じだと、リュフォー達にも少し頼みたいことがあるらしく三日目の時間を開けといてとのことだった。
「とりあえず今日はお開きだ。皆、明日に備えて休むように!解散!」
王が号令をし皆がログアウトする。
■ ■ ■
フロントゲーム・オンライン[ログアウト]
■ ■ ■
「さて……寝るか……ん……?」
スマホにメールが着たという通知が映る
「師匠から……?」
『少年へ。
自分が消滅すると今日ログインして知ったが、こっちの方は特に気にしなくていい。
予言を覆したい理由はお前の兄であり、自分の数少ない友ハランのためだ。
それは理解してもらいたい。
だからそのために少年、君とともに決めた能力使用のルールを曲げると思う。
先に謝罪しておく、すまない。』
……そうか。
師匠、使うんだな…………。
師匠と能力について、いくつか二人の間で約束事がある。
人に向けてつかわないとか無理しないとかそんなのだけど……。
律儀に言ってきたんだ。
僕も少し覚悟を決めよう。
――僕だけじゃなくて師匠の視点でしか気づけないこともこれからあるかもしれないし……。
3日目以降少し細かく状況を聞いてみよう……。
▽ ▽ ▽
――翌日。14時。
「今日はここで待ち合わせって聞いたんだけどなぁ……。」
「来てないね、ナオト。」
僕とナミカは、ヒバナさんが待ち合わせに指定したあの喫茶店に来ていた。
今日はハナビさんはいないらしく、あの爆発猫くり~む君がカウンターであくびをしている。
僕らは互いにメロンソーダを飲みながらのんびりと待っていた。
「しかし、私たちが今まで会ってきた蒲公英家の人達って。」
「アカリ先生だろ?いつも家の前を掃除しているハナビさんだろ?
隣のクラスで今から会うヒバナさんだろ?で、テロ事件の時にちょっとであったケムリさん。」
「七姉妹って言っていたよね?つまりあと3人?」
「だと思う。」
僕ら双子で兄ちゃん含めて三兄妹でも割と珍しい部類だと感じていたが、七姉妹か……。
「だけど全員、機械人なんだよね?」
「ん……ああ。そうだと思う。」
この世界ではいろんな人種が存在する。
結果として何度も人種戦争が起こり、差別を何とかしようっていう今の状態になるまで相当な時間がかかったらしい。
だからあんまりツッコんだことを言ってしまうと裁判沙汰になりかねないのだが……。
ただ、それでも気になるのはこういう種族が珍しすぎるからだ。
「しかし、誰に作られたんだろう……?いや誰かから産まれてきたという表現が正しい……か?」
「テロの時、天道と地獄道がどうとか言ってたけど……。何なんだろうね?」
そんな会話をナミカとしていると、チリンチリンというドアの開閉ベルの音がする。
スタスタとヒバナさんが歩いて僕らの席へとやってくる。
「おまたせー……久しぶり。」
「ああ、ヒバナさん、久しぶりー。」
「おひさー、身体は大丈夫?」
「エネルギーが枯渇していただけだし、今日みたい晴れの日はアタクシは格段と元気なので大丈夫。
それよりも二人ともちょっと悪いんだけど、ハナビ姉様を今すぐに迎えに行かなきゃいけないのだけど……。」
「「あ、ちょっと待ってこれ飲んでからでいい?」」
ハモった。
どうやらなんだかヒバナさんは急いでいるらしい。
なんだか肩に大きめのカバンを持っているし……。
とにかく急いで僕らはメロンソーダを飲み会計を済ませる。
「ナオト、150円足りない……。」
「……後で返せよ。」
地味にナミカに150円ぶんどられたけど。(おそらく返ってくることはない。)
▽ ▽ ▽
「ヒバナさん、どこに向かってるの?」
喫茶店を出てからヒバナさんはだいぶ足早だ。
「姉様の修業場所。」
「修業場所?」
一体なんだ?
「剣道場よ。」
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この物語の『更新』は現状『毎週金、土、日』に各曜日1部ずつとなります。
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~FrG豆知識のコーナー~
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ナオト「ナミカ、そういえば僕この前もお前にオヤツ代をぶんどられた気がするけど?」
ナミカ「え、あ…………。」
ナオト「あとカラオケ代とかもいつ返してくれるの?」
ナミカ「…………2か月待って!!2か月後に返すから!!」




