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第40ゲーム『三番目の矛盾』



 ――翌日、午後。

 リュフォーに軽く連絡してから、ログインをする。



 ■ ■ ■ 

フロントゲーム・オンライン[ログイン]

 ■ ■ ■ 



 久しぶりにログインした気がする。

 学校は休みだから早めに来たけど……。

 まぁ誰もいないよな。ナミカはあんちゃんとのじゃんけんの負けて買い物行かされてるから少しかかりそうだし。

 バイグス王との待ち合わせの時間までまだある。

 先に用事を済ますために僕はログインしてきた。

「まずは予言……。」

 今日の予言は……。





【明日、七姉妹と会い、ご飯が遅くなる。】

【明日、剣士とすれ違う。】

【明日の昨日に見るこの予言は今日ではない。】






 ……??



 なんだか少しおかしいぞ?

 この三番目の予言……。

 いや、二番目の予言も変だけど、三番目が特に変だ。



【明日の昨日に見るこの予言は今日ではない。】って……。



 文章になっていない……。

 明日の昨日ってのは要は今日じゃん。

 だがこの予言の文面を解読するなら、【今日見るこの予言は今日ではない。】ということになる。

 意味が通じないし、なんだか矛盾してる……。

 『今日』という定義がおかしくなる。何の予言だこれ……。

 明日になればわかるのか?

 でも、昨日に見る?

 じゃあ昨日が関係しているのか??

 そもそも『今日ではない』ってことを伝えて何になる?

 うーーん。明日になればわかるかも……。





 っとこんなことをしている場合じゃない。

 僕はアジトの扉の郵便受けを開く。

 荒波の家共通のメールで大型の乗り物はここからしか受け取れない。



 たしか……あった!バイグス王がくれた万能戦艦!

 受け取り忘れるのは怖いからね!

 カスタマイズしたいところだけど、必要な素材とか消耗品とか買い出し行かなくちゃいけないんだよなぁ。

 テストエリアの対策のためにもバザーへ行かないと……。

 もしかしたらする機会があるのかは怪しいけど、デバックに役立ちそうなアイテムがあるかもしれない。



 ▽ ▽ ▽ 



 僕は少し柱の外壁を歩き、下層のバザーへと赴く。

 バザーは主に柱の下層内部のごく限られた複数のエリアで行われている。

 だが、行くためには外壁の細い道を伝っていかなくてはならないので、結構怖い。

 だがついてしまえばいつも通り露店が立ち並び活気づいている。

 柱の内部に作られたこの場所は洞窟をくりぬいたアングラな場所で、自分がアリの巣の中に入ったような印象がある。

 ここにいるのはすべてがプレイヤーだ。

 ここは主に生産職のギルドが作り出した新アイテムの見本市のような場所で、ゲームの仕様を逆手に取った僕好みのアイテムがわんさかある。

 活気がありすぎておりそこらへんで、たたき売りが激しい。



「やすいよーー!!やすいよぉーーー!!

新製品『バネブーツ』!あっという間に限界高度までジャンプできるよー!

ジャンプしたら帰ってこれないくらいジャンプできるよー!」

「『萌え萌えサーフボード』入りましたァーー!!

推しを簡単プリントできるサーフボードです!」

「大人気『ガソリン雲』入荷しました!ガソリンの様な雲です!

敵に放ってマッチ1本で簡単にフラッグを取れますよー!」

 まぁ、ネトゲあるあるアイテムばかりだ。

 便利なのや受け狙い、使い道が全く分からないアイテムなど、ネトゲあるあるなものばかりだ。





 さて……テストエリアに向けて、買い出し……。

「お、あんた!マンチデバッカーのオトじゃねーか!」

 やっぱり広まってるのね、その二つ名。

 見知らぬ露天商まで広まってる。

「これはいい!これを買っていかねぇか?」

「なにこれ?」

 手袋??

「これは土替え手袋。

適当に地面の土を掴むと、その土がランダムでマグマとか氷とか別のオブジェクトに変化するんだ。」

 なるほど……少し興味をそそられる。

「あ、ほかにもこれなんかどーだい?

顔面爆弾!!爆発したら自分の顔面があたりにプリントされる!ダメージはない!」

「お、おう……。」

 何に使うんだ……?





「うーーん……じゃあとっておきを出してやる!

ミネラルワンダーランド!!」

「な、なにそれ……。」

「こいつは落とし穴を作り出すことができるぞ!

標準の『落とし穴キット』と違うのは落とし穴が鍾乳洞の様にとんがって生成されるところだ!

掘削いらずだから土が出てこないし!」

「へぇ~……。」

 ん?掘削いらず?

 じゃあ……土はどこに?もしや変換されるのか?

「それください!」

「まいど!」

 僕はお金を渡して、次の店に行く。





 次の店は行きつけの店だ。

 この予言書の起点となった日記ダイアリー小説ストーリーを買った店でもある。

「やぁオヤジさん。」

「うっす!オト、例のもの入荷したぞ。」

「マジで!?」

 僕は露店のオヤジさんから入荷したアイテムを受け取る。

「これこれ!」

 僕がオヤジさんに入荷を依頼していたのはずいぶん前のことだったが、それくらいたたないと手に入らないものだ。

「ずっと待ってたんだよ、『ミニミニボール』。」

「お前の仕様通りの注文だ。」





 このアイテムはミニミニボール。

 外見は手のひらサイズのガシャポンに近い形で上部に穴が一個空いている。

 まず、使うにはプレイヤーが二人必要で、一人が別のプレイヤーをこのボールの中に収納する。

 まぁ某ポケットなモンスターの人間版みたいな感じをイメージしてくれ。

 そして収納されたプレイヤーはこのボールの中を転がることで移動できる。

 内側からはボールの外の風景が立体映像の様に映し出される。





 要はこれは敵への偵察に使えるガシャポンのようなアイテムだ。

 破壊されない限り何度でも使用可能。

 ちょっとした段差は上部の穴から空気を噴出して乗り越えられる。

 さらにさらにこのボールを自己破壊をして敵への奇襲にも使えるすごいアイテムなのだ。

「あとこれ、消費アイテムとお前が好きな『面白消しゴムシリーズ』やるよ。」

「マジでッ!?」

 テンション上がる!

 僕は実は地味に面白消しゴムという、ガチャガチャとかで出てくる『フィギュア消しゴム』をゲーム内で集めている。

 リアルでも似たようなのを集めていて、ラーメンを食べるオオサンショウウオや筋トレで風呂を沸かすマッチョなど、非常に絵柄というか造形が緩く癒されるのだ。

 僕以外にもクロスは缶バッチを集めていたり、今はいないロースは地味に切手を集めていた。

 男の子だもん!こういうのがいいんだよ!!こういうのが!!

 ゲーマーなら、アイテムを集めてなんぼだろ!?



「ちなみにどんなの!?」

「え~と……たまたま手に入ったのが、ゴブレットにかじりつくリス、モヒカンを眺めるラジカセ君、ミントが増殖し続ける庭園だな。」

「…………あ、ありがと。」

 2/3持ってる……。

 ま、まぁトレードに使えるしいっか……。

「その反応……ってたか~~。」

「あ、いや。ありがと!オヤジさん!

貰っとくよ!

じゃ!また!」

「おう!王に宣伝しておいてくれよ~!」

 そうして僕はオヤジさんの店を後にする。



 ▽ ▽ ▽ 



 その後も面白そうな店を周りまくっていろんなものを買った。

 そしてそのまま僕は王宮の中庭まで足を運ぶ。

 すでにみんな集まっていて僕はだいぶ買い物に夢中になりすぎたようだ。

 いるのはバイグス王、クロス、メノ、ミカ達だ。







「豪快に遅かったじゃねーか!オト!」

「悪い悪い。」

「あとで赤の予言者とも資料室で落ち合う予定らしいなの。」

 イト師匠もか……ゲームで会うのは初めてだな……。





「さて、全員集まったことだし。まず、資料室で説明したいことが諸々ある。」

 王がこの前僕と話したテストエリアにみんなを転送する。

「へー……ここがテストエリア……。」

「意外に殺風景なの……。」

 みんなが感動する中で、王はとある部分へ移動する。

 そこは何の変哲もない壁で、その壁の一点を指さす。

「この先にオトが言っていたような『放棄されたテストエリアへの入り口』があった。」









「おっし!それじゃあ豪快に……。」

「今後一切の侵入を禁止する!!」



 ……へ!?


※ブックマーク、評価、レビュー、いいね、やさしい感想待ってます…!!

この物語の『更新』は現状『毎週金、土、日』に各曜日1部ずつとなります。



■ ■ ■ ■

~FrG豆知識のコーナー~

■ ■ ■ ■

クロス「おせーなオトの奴。」

ミカ「どーせ、下層でショッピングだよ。日課よ日課。」

メノ「またくだらないもので被害を受けるのはごめんなの。」

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